黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳サムエル記下第22章

◆ダビデの感謝の歌

22章1節 ダビデは、主がすべての敵の手から、またサウルの手から彼を救い出された日に、次の言葉をもって主に歌をささげた。

22章2節 主はわたしの岩、砦、逃れ場

22章3節 わたしの神、大岩、避けどころ/わたしの盾、救いの角、砦の塔。わたしを逃れさせ、わたしに勝利を与え/不法から救ってくださる方。

22章4節 ほむべき方、主をわたしは呼び求め/敵から救われる。

22章5節 死の波がわたしを囲み/奈落の激流がわたしをおののかせ

22章6節 陰府の縄がめぐり/死の網が仕掛けられている。

22章7節 苦難の中から主を呼び求め/わたしの神を呼び求めると/その声は神殿に響き/叫びは御耳に届く。

22章8節 主の怒りに地は揺れ動き/天の基は震え、揺らぐ。

22章9節 御怒りに煙は噴き上がり/御口の火は焼き尽くし、炭火となって燃えさかる。

22章10節 主は天を傾けて降り/密雲を足もとに従え

22章11節 ケルビムを駆って飛び/風の翼に乗って現れる。

22章12節 周りに闇を置き/暗い雨雲、立ち込める霧を幕屋とされる。

22章13節 御前の輝きの中から炭火が燃え上がる。

22章14節 主は天から雷鳴をとどろかせ/いと高き神は御声をあげられる。

22章15節 主の矢は飛び交い/稲妻は散乱する。

22章16節 主の叱咤に海の底は姿を現し/主の怒りの息に世界はその基を示す。

22章17節 主は高い天から御手を伸ばしてわたしをとらえ/大水の中から引き上げてくださる。

22章18節 敵は力があり/わたしを憎む者は勝ち誇っているが/なお、主はわたしを救い出される。

22章19節 彼らが攻め寄せる災いの日/主はわたしの支えとなり

22章20節 わたしを広い所に導き出し、助けとなり/喜び迎えてくださる。

22章21節 主はわたしの正しさに報いてくださる。わたしの手の清さに応じて返してくださる。

22章22節 わたしは主の道を守り/わたしの神に背かない。

22章23節 わたしは主の裁きをすべて前に置き/主の掟を遠ざけない。

22章24節 わたしは主に対して無垢であろうとし/罪から身を守る。

22章25節 主はわたしの正しさに応じて返してくださる。御目の前にわたしは清い。

22章26節 あなたの慈しみに生きる人に/あなたは慈しみを示し/無垢な人には無垢に

22章27節 清い人には清くふるまい/心の曲がった者には策略を用いられる。

22章28節 あなたは貧しい民を救い上げ/御目は驕る者を引き下ろされる。

22章29節 主よ、あなたはわたしのともし火/主はわたしの闇を照らしてくださる。

22章30節 あなたによって、わたしは敵軍を追い散らし/わたしの神によって、城壁を越える。

22章31節 神の道は完全/主の仰せは火で練り清められている。すべて御もとに身を寄せる人に/主は盾となってくださる。

22章32節 主のほかに神はない。神のほかに我らの岩はない。

22章33節 神はわたしの力ある砦/わたしの道を完全にし

22章34節 わたしの足を鹿のように速くし/高い所に立たせ

22章35節 手に戦いの技を教え/腕に青銅の弓を引く力を帯びさせてくださる。

22章36節 あなたは救いの盾をわたしに授け/自ら降り、わたしを強い者としてくださる。

22章37節 わたしの足は大きく踏み出し/くるぶしはよろめくことがない。

22章38節 敵を追い、敵を絶やし/滅ぼすまで引き返さず

22章39節 彼らを餌食とし、打ち、再び立つことを許さない。彼らはわたしの足もとに倒れ伏す。

22章40節 あなたは戦う力をわたしの身に帯びさせ/刃向かう者を屈服させ

22章41節 敵の首筋を踏ませてくださる。わたしを憎む者をわたしは滅ぼす。

22章42節 彼らは見回すが、助ける者は現れず/主に向かって叫んでも答えはない。

22章43節 わたしは彼らを地の塵のように砕き/野の土くれのように踏みにじる。

22章44節 あなたはわたしを民の争いから解き放ち/国々の頭としてくださる。わたしの知らぬ民もわたしに仕え

22章45節 わたしのことを耳にしてわたしに聞き従い/敵の民は憐れみを乞う。

22章46節 敵の民は力を失い、おののいて砦を出る。

22章47節 主は命の神。わたしの岩をたたえよ。わたしの救いの岩なる神をあがめよ。

22章48節 わたしのために報復してくださる神よ/諸国の民をわたしの下においてください。

22章49節 敵からわたしを救い/刃向かう者よりも高く上げ/不法の者から助け出してください。

22章50節 主よ、国々の中で/わたしはあなたに感謝をささげ/御名をほめ歌う。

22章51節 勝利を与えて王を大いなる者とし/油注がれた人を、ダビデとその子孫を/とこしえまで/慈しみのうちにおかれる。


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