黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳列王記下第16章

◆ユダの王アハズ

16章1節 レマルヤの子ペカの治世第十七年に、ユダの王ヨタムの子アハズが王となった。

16章2節 アハズは二十歳で王となり、十六年間エルサレムで王位にあった。彼は父祖ダビデと異なり、自分の神、主の目にかなう正しいことを行わなかった。

16章3節 彼はイスラエルの王たちの道を歩み、主がイスラエルの人々の前から追い払われた諸国の民の忌むべき慣習に倣って、自分の子に火の中を通らせることさえした。

16章4節 彼は聖なる高台、丘の上、すべての茂った木の下でいけにえをささげ、香をたいた。

16章5節 そのころ、アラムの王レツィンとイスラエルの王、レマルヤの子ペカがエルサレムを攻めようとして上って来た。彼らはアハズを包囲したが、戦いを仕掛けることができなかった。

16章6節 このとき、アラムの王レツィンはエイラトを取り戻してアラムのものとし、ユダの人々をエイラトから追い出した。その後エドム人がエイラトに来て住み着き、今日に至っている。

16章7節 アハズはアッシリアの王ティグラト・ピレセルに使者を遣わして言わせた。「わたしはあなたの僕、あなたの子です。どうか上って来て、わたしに立ち向かうアラムの王とイスラエルの王の手から、わたしを救い出してください。」

16章8節 アハズはまた主の神殿と王宮の宝物庫にある銀と金を取り出し、アッシリアの王に贈り物として送った。

16章9節 アッシリアの王はその願いを聞き入れた。アッシリアの王はダマスコに攻め上ってこれを占領し、その住民を捕虜としてキルに移し、レツィンを殺した。

16章10節 アハズ王は、アッシリアの王ティグラト・ピレセルに会おうとしてダマスコに行き、ダマスコにある祭壇を見た。アハズ王が祭司ウリヤにその祭壇の見取り図とその詳しい作り方の説明書を送ったので、

16章11節 祭司ウリヤはアハズ王がダマスコから送って来たものそっくりに祭壇を築いた。しかも祭司ウリヤは王がダマスコから帰って来るまでにそれを仕上げた。

16章12節 王はダマスコから帰って来て、その祭壇を見た。王はその祭壇に近づいて、その上で献げ物をささげ、

16章13節 その上で焼き尽くす献げ物と穀物の献げ物を燃やして煙にし、ぶどう酒の献げ物を注ぎ、自分のための和解の献げ物の血を祭壇に振りかけた。

16章14節 主の御前にあった青銅の祭壇は、神殿の前から、すなわち新しい祭壇と主の神殿の間から移して、新しい祭壇の北側に据えた。

16章15節 アハズ王は祭司ウリヤにこう命じた。「この大きな祭壇の上で、朝の焼き尽くす献げ物と夕べの穀物の献げ物、王の焼き尽くす献げ物と穀物の献げ物、すべての国の民の焼き尽くす献げ物と穀物の献げ物を燃やして煙にし、ぶどう酒の献げ物を注げ。また焼き尽くす献げ物の血とほかの献げ物の血をすべてこの祭壇に振りかけよ。あの青銅の祭壇はわたしが伺いを立てるのに用いる。」

16章16節 祭司ウリヤはすべてアハズ王が命じたとおりに行った。

16章17節 アハズ王は台車の鏡板を切り離し、台車の上から洗盤を取り外し、また「海」をその支えになっていた青銅の牛の上から降ろし、敷石の上に置いた。

16章18節 彼はまたアッシリアの王のために、神殿の中に建てられている安息日用の廊と外側にある王の入り口を主の神殿から取り除いた。

16章19節 アハズの行った他の事績は、『ユダの王の歴代誌』に記されている。

16章20節 アハズは先祖と共に眠りにつき、ダビデの町に先祖と共に葬られた。その子ヒゼキヤがアハズに代わって王となった。


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