黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳歴代史上第11章

◆ダビデ王の登場

11章1節 すべてのイスラエル人はヘブロンのダビデのもとに集まり、こう言った。「御覧ください。わたしたちはあなたの骨肉です。

11章2節 これまで、サウルが王であったときにも、イスラエルの進退の指揮をとっておられたのはあなたでした。あなたの神、主はあなたに仰せになりました。『わが民イスラエルを牧するのはあなただ。あなたがわが民イスラエルの指導者となる』と。」

11章3節 イスラエルの長老たちは全員、ヘブロンの王のもとに来た。ダビデはヘブロンで主の御前に彼らと契約を結んだ。長老たちは、主がサムエルによって告げられたように、ダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした。

11章4節 ダビデはすべてのイスラエル人と共にエルサレムに向かった。この町はエブスと言われ、エブス人がその地の住民であった。

11章5節 エブスの住民はダビデに、「お前はここに入れまい」と言った。しかし、ダビデはシオンの要害を陥れた。これがダビデの町である。

11章6節 ダビデは、「真っ先にエブス人を撃ち倒した者が頭となり、将軍となる」と言ったが、ツェルヤの子ヨアブが真っ先に攻め上って頭となった。

11章7節 ダビデはこの要害に住んだ。それゆえ、それはダビデの町と呼ばれるようになった。

11章8節 彼は町の周囲をミロから一周するまで築城して固め、ヨアブは町の他の部分を修復した。

11章9節 ダビデは次第に勢力を増し、万軍の主は彼と共におられた。

11章10節 ダビデの勇士の頭は次のとおりである。彼らはダビデの統治に協力し、イスラエルのすべての人々と共に、主がイスラエルに告げられたとおり、ダビデが王となるように尽力した。

11章11節 ダビデの勇士たちの名簿は次のとおりである。ハクモニの子ヤショブアム、三十人隊の頭。槍を振るって一度に三百人を刺し殺した。

11章12節 次にアホア人ドドの子エルアザル。三勇士の一人。

11章13節 彼がダビデに同行してパス・ダミムにいたとき、ペリシテ人が集結して戦いを挑んできた。そこには豊作の大麦畑があった。民はペリシテ人を前にして逃走したが、

11章14節 二人は畑にとどまってこれを救い、ペリシテ人を討った。主は大勝利をもたらされた。

11章15節 三十人の頭の中の三人が、アドラムの洞窟にいるダビデを訪ねて岩山に来たことがあった。ペリシテ人の陣営がレファイムの谷に張られていた。

11章16節 ダビデは要害におり、ペリシテ人の駐屯部隊はベツレヘムにいた。

11章17節 ダビデは、「ベツレヘムの城門の傍らにある、あの井戸の水を飲ませてくれる者があればよいのに」と切望した。

11章18節 三人はペリシテの陣を突破し、ベツレヘムの城門の傍らにある井戸から水をくみ、ダビデのもとに持ち帰った。ダビデはこの水を飲むことを望まず、注いで主にささげ、

11章19節 こう言った。「わが神よ、わたしはこのようなことを決してすべきではありません。彼らは命をかけて持ってきてくれたのです。彼らの命のかかった血をわたしが飲むことができましょうか。」ダビデはその水を飲もうとしなかった。以上が三勇士の武勲である。

11章20節 ヨアブの兄弟アブシャイ。三勇士の頭。槍を振るって三百人を刺し殺したが、三勇士の中に名はなかった。

11章21節 三勇士の中の二人によって重んじられ、彼らの長でもあったが、武勲は三勇士に及ばなかった。

11章22節 ヨヤダの子ベナヤ。勇士の子。カブツェエルの出身。多くの功を立てた。モアブのアリエルの二人の息子を討ち取り、雪の日に、洞穴に獅子を追って下り、それを殺した。

11章23節 また彼は、身長が五アンマもある巨大なエジプト人をも殺した。エジプト人は機織りの巻き棒ほどもある槍を手にしていたが、ベナヤは棒を持って襲いかかり、エジプト人の手から槍を奪い、その槍でエジプト人を殺した。

11章24節 以上がヨヤダの子ベナヤの武勲であり、三勇士と共に名をあげ、

11章25節 三十人の中でも重んじられたが、武勲は三勇士に及ばなかった。ダビデは彼を護衛兵の長に任じた。

11章26節 勇士たちは以下のとおりである。ヨアブの兄弟アサエル。ドドの子エルハナン、ベツレヘム出身。

11章27節 ハロリ人シャモト。ペロニ人ヘレツ。

11章28節 テコア人イケシュの子イラ。アナトト人アビエゼル。

11章29節 フシャ人シベカイ。アホア人イライ。

11章30節 ネトファ人マフライ。バアナの子ヘレド、ネトファ人。

11章31節 リバイの子イタイ、ベニヤミンのギブア出身。ピルアトン人ベナヤ。

11章32節 フライ、ガアシュ川の出身。アルバト人アビエル。

11章33節 バフルム人アズマベト。シャアルボン人エルヤフバ。

11章34節 ギゾニ人ハシェムの子ら。シャゲの子ヨナタン、ハラリ人。

11章35節 サカルの子アヒアム、ハラリ人。ウルの子エリファル。

11章36節 メケラティ人ヘフェル。ペロニ人アヒヤ。

11章37節 カルメル人ヘツロ。エズバイの子ナアライ。

11章38節 ナタンの兄弟ヨエル。ハグリの子ミブハル。

11章39節 アンモン人ツェレク。ベエロト人ナフライ、ツェルヤの子ヨアブの武器を持つ者。

11章40節 イエテル人イラ。イエテル人ガレブ。

11章41節 ヘト人ウリヤ。アフライの子ザバド、

11章42節 シザの子アディナ、ルベン族。彼はルベン族の頭で三十人を伴っていた。

11章43節 マアカの子ハナン。ミトニ人ヨシャファト。

11章44節 アシュタロト人ウジヤ。ホタムの子シャマとエイエル、アロエル人。

11章45節 シムリの子エディアエル。その兄弟ヨハ、ティツ人。

11章46節 マハビム人エリエル。エリバイとヨシャウヤ、エルナアムの子。モアブ人イトマ。

11章47節 エリエル、オベド、ヤアシエル、メツォバヤ人。


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