黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳歴代史下第29章

◆ユダの王ヒゼキヤ

29章1節 ヒゼキヤは二十五歳で王となり、二十九年間エルサレムで王位にあった。その母は名をアビヤといい、ゼカルヤの娘であった。

29章2節 彼は、父祖ダビデが行ったように、主の目にかなう正しいことをことごとく行った。

29章3節 その治世の第一年の第一の月に、ヒゼキヤは主の神殿の扉を開いて修理し、

29章4節 祭司とレビ人を連れて来て、東の広場に集め、

29章5節 言った。「レビ人よ、聞け。今、自分を聖別し、先祖の神、主の神殿を聖別せよ。聖所から汚れを取り去れ。

29章6節 わたしたちの先祖は不忠実で、わたしたちの神、主の目に悪とされることを行った。彼らは主を捨て、主の幕屋から顔を背け、これに背を向けた。

29章7節 また彼らは前廊の扉を閉じ、ともし火を消し、聖所でイスラエルの神に香をたくことも、焼き尽くす献げ物をささげることもしなかった。

29章8節 主はあなたたちがその目で見たように、ユダとエルサレムに対して怒り、彼らを人々の恐れと驚きと嘲りの的とされた。

29章9節 見よ、わたしたちの先祖はそのために剣に倒れ、息子も、娘も、妻も、捕虜にされた。

29章10節 今わたしは、イスラエルの神、主と契約を結ぶつもりである。そうすれば、主の怒りの炎がわたしたちから離れるであろう。

29章11節 わが子らよ、今このとき怠けていてはならない。主があなたたちをお選びになったのは、あなたたちが御前に出て主に仕え、主に仕える者として香をたくためである。」

29章12節 そこでレビ人は立ち上がった。それはケハト一族のアマサイの子マハト、アザルヤの子ヨエル、メラリ一族のアブディの子キシュ、エハレルエルの子アザルヤ、ゲルション一族のジンマの子ヨア、ヨアの子エデン、

29章13節 エリツァファン一族のシムリとエイエル、アサフ一族のゼカルヤとマタンヤ、

29章14節 ヘマン一族のエヒエルとシムイ、エドトン一族のシェマヤとウジエルであった。

29章15節 彼らは兄弟たちを集め、自分たちを聖別し、主の言葉による王の命令に従って主の神殿を清めるために来た。

29章16節 祭司たちは主の神殿の内部に入って清め、主の聖所にある不浄のものはすべて主の神殿の庭に出し、レビ人はそれを受け取って外のキドロンの谷に運び出した。

29章17節 第一の月の一日に、彼らは聖別を始め、その月の八日には主の前廊に達した。更に八日をかけて主の神殿を聖別し、第一の月の十六日にそれを終えた。

29章18節 彼らはヒゼキヤ王のいるところに入って言った。「わたしたちは主の神殿をすべて清めました。焼き尽くす献げ物の祭壇とそのすべての祭具、また供え物のパンを置く聖卓とそのすべての祭具も清めました。

29章19節 更にアハズ王がその王位にあったとき、主に背いて取り除いた祭具もすべてそろえ、清めました。御覧ください。それらは主の祭壇の前にあります。」

29章20節 翌朝、ヒゼキヤ王は町の責任者を集めて、主の神殿に上った。

29章21節 彼らは王家、聖所、ユダのための贖罪の献げ物として、雄牛七頭、雄羊七匹、小羊七匹、雄山羊七匹を引いて来た。王は祭司であるアロンの子らに向かって、主の祭壇の上で焼き尽くす献げ物をささげるように命じた。

29章22節 祭司たちは牛を屠り、その血を受け取って祭壇に振りかけた。また雄羊も屠り、その血を祭壇に振りかけた。また小羊も屠り、その血を祭壇に振りかけた。

29章23節 贖罪の献げ物にする雄山羊を王と会衆の前に引き出し、王と会衆がその上に手を置くと、

29章24節 祭司たちはその雄山羊を屠り、すべてのイスラエルの罪の償いのためにその血を贖罪の献げ物として祭壇にささげた。焼き尽くす献げ物も贖罪の献げ物も全イスラエルのためにささげるよう、王が命じていたからである。

29章25節 彼はダビデと王の先見者ガド、預言者ナタンの戒めに従ってシンバル、竪琴、琴を持つレビ人を神殿に配置した。この戒めは主が預言者たちによってお授けになったものである。

29章26節 レビ人がダビデの楽器を、祭司がラッパを持って立つと、

29章27節 ヒゼキヤは祭壇に焼き尽くす献げ物をささげるように命じた。焼き尽くす献げ物をささげ始めると、イスラエルの王ダビデの楽器の伴奏で、主の賛歌とラッパの演奏が始まった。

29章28節 会衆は皆ひれ伏し、賛歌がうたわれ、ラッパが響き渡り、これらの事はすべて、焼き尽くす献げ物をささげ終わるまで続いた。

29章29節 焼き尽くす献げ物をささげ終わると、王および彼と共にいた人々は皆ひざまずいて礼拝した。

29章30節 ヒゼキヤ王と高官たちが、ダビデと先見者アサフの言葉をもって主を賛美するようにレビ人に命じたので、彼らは主を賛美して喜び祝い、ひざまずいて礼拝した。

29章31節 ヒゼキヤは言った。「今、あなたたちは主に身をささげた。感謝の献げ物を携えて主の神殿に近づけ。」そこで会衆は感謝の献げ物を携え、また進んでささげようとする者は皆、焼き尽くす献げ物を携えて来た。

29章32節 会衆が携えて来た焼き尽くす献げ物の数は、雄牛七十頭、雄羊百匹、小羊二百匹であった。これらはすべて焼き尽くす献げ物として主にささげられるものであった。

29章33節 聖別された物は、牛六百頭、羊三千匹に達した。

29章34節 ただ祭司は数が少なく、焼き尽くす献げ物全部の動物の皮をはぐことができなかった。そこで、その作業が終わるまで、あるいは他の祭司たちが自分を聖別するまで、彼らの兄弟であるレビ人が彼らを助けた。レビ人は自分を聖別することについて祭司たちよりも忠実だったからである。

29章35節 また、多くの焼き尽くす献げ物、それに和解の献げ物の脂肪や焼き尽くす献げ物に注ぐぶどう酒もあった。こうして主の神殿における奉仕が復活した。

29章36節 ヒゼキヤとすべての民は神が民のためにしてくださったことを喜び祝った。この事が速やかに行われたからである。


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