黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ヨブ記第28章

◆神の知恵の賛美

28章1節 銀は銀山に産し/金は金山で精錬する。

28章2節 鉄は砂から採り出し/銅は岩を溶かして得る。

28章3節 人は暗黒の果てまでも行き/死の闇の奥底をも究めて鉱石を捜す。

28章4節 地上からはるか深く坑道を掘り/行き交う人に忘れられ/地下深く身をつり下げて揺れている。

28章5節 食物を産み出す大地も/下は火のように沸き返っている。

28章6節 鉱石にはサファイアも混じり/金の粒も含まれている。

28章7節 猛禽もその道を知らず/禿鷹の目すら、それを見つけることはできない。

28章8節 獅子もそこを通らず/あの誇り高い獣もそこを踏んだことはない。

28章9節 だが人は、硬い岩にまで手を伸ばし/山を基から掘り返す。

28章10節 岩を切り裂いて進み/価値あるものを見落とすことはない。

28章11節 川の源をせき止め/水に隠れていたものも光のもとに出す。

28章12節 では、知恵はどこに見いだされるのか/分別はどこにあるのか。

28章13節 人間はそれが備えられた場を知らない。それは命あるものの地には見いだされない。

28章14節 深い淵は言う/「わたしの中にはない。」海も言う/「わたしのところにもない。」

28章15節 知恵は純金によっても買えず/銀幾らと価を定めることもできない。

28章16節 オフィルの金も美しい縞めのうも/サファイアも、これに並ぶことはできない。

28章17節 金も宝玉も知恵に比べられず/純金の器すらこれに値しない。

28章18節 さんごや水晶は言うに及ばず/真珠よりも知恵は得がたい。

28章19節 クシュのトパーズも比べられず/混じりない金もこれに並ぶことはできない。

28章20節 では、知恵はどこから来るのか/分別はどこにあるのか。

28章21節 すべて命あるものの目にそれは隠されている。空の鳥にすら、それは姿を隠している。

28章22節 滅びの国や死は言う/「それについて耳にしたことはある。」

28章23節 その道を知っているのは神。神こそ、その場所を知っておられる。

28章24節 神は地の果てまで見渡し/天の下、すべてのものを見ておられる。

28章25節 風を測って送り出し/水を量って与え

28章26節 雨にはその降る時を定め/稲妻にはその道を備えられる。

28章27節 神は知恵を見、それを計り/それを確かめ、吟味し

28章28節 そして、人間に言われた。「主を畏れ敬うこと、それが知恵/悪を遠ざけること、それが分別。」


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