黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ヨブ記第4章

◆ヨブと三人の友の議論一

4章1節 テマン人エリファズは話し始めた。

4章2節 あえてひとこと言ってみよう。あなたを疲れさせるだろうが/誰がものを言わずにいられようか。

4章3節 あなたは多くの人を諭し/力を失った手を強めてきた。

4章4節 あなたの言葉は倒れる人を起こし/くずおれる膝に力を与えたものだった。

4章5節 だが、そのあなたの上に何事かふりかかると/あなたは弱ってしまう。それがあなたの身に及ぶと、おびえる。

4章6節 神を畏れる生き方が/あなたの頼みではなかったのか。完全な道を歩むことが/あなたの希望ではなかったのか。

4章7節 考えてみなさい。罪のない人が滅ぼされ/正しい人が絶たれたことがあるかどうか。

4章8節 わたしの見てきたところでは/災いを耕し、労苦を蒔く者が/災いと労苦を収穫することになっている。

4章9節 彼らは神の息によって滅び/怒りの息吹によって消えうせる。

4章10節 獅子がほえ、うなっても/その子らの牙は折られてしまう。

4章11節 雄が獲物がなくて滅びれば/雌の子らはちりぢりにされる。

4章12節 忍び寄る言葉があり/わたしの耳はそれをかすかに聞いた。

4章13節 夜の幻が人を惑わし/深い眠りが人を包むころ

4章14節 恐れとおののきが臨み/わたしの骨はことごとく震えた。

4章15節 風が顔をかすめてゆき/身の毛がよだった。

4章16節 何ものか、立ち止まったが/その姿を見分けることはできなかった。ただ、目の前にひとつの形があり/沈黙があり、声が聞こえた。

4章17節 「人が神より正しくありえようか。造り主より清くありえようか。

4章18節 神はその僕たちをも信頼せず/御使いたちをさえ賞賛されない。

4章19節 まして人は/塵の中に基を置く土の家に住む者。しみに食い荒らされるように、崩れ去る。

4章20節 日の出から日の入りまでに打ち砕かれ/心に留める者もないままに、永久に滅び去る。

4章21節 天幕の綱は引き抜かれ/施すすべも知らず、死んでゆく。」


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