黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳創世記第14章

◆王たちの戦い

14章1節 シンアルの王アムラフェル、エラサルの王アルヨク、エラムの王ケドルラオメル、ゴイムの王ティドアルが、

14章2節 ソドムの王ベラ、ゴモラの王ビルシャ、アドマの王シンアブ、ツェボイムの王シェムエベル、ベラ、すなわちツォアルの王と戦ったとき、

14章3節 これら五人の王は皆、シディムの谷、すなわち塩の海で同盟を結んだ。

14章4節 彼らは十二年間ケドルラオメルに支配されていたが、十三年目に背いたのである。

14章5節 十四年目に、ケドルラオメルとその味方の王たちが来て、アシュテロト・カルナイムでレファイム人を、ハムでズジム人を、シャベ・キルヤタイムでエミム人を、

14章6節 セイルの山地でフリ人を撃ち、荒れ野に近いエル・パランまで進んだ。

14章7節 彼らは転進して、エン・ミシュパト、すなわちカデシュに向かい、アマレク人の全領土とハツェツォン・タマルに住むアモリ人を撃った。

14章8節 そこで、ソドムの王、ゴモラの王、アドマの王、ツェボイムの王、ベラすなわちツォアルの王は兵を繰り出し、シディムの谷で彼らと戦おうと陣を敷いた。

14章9節 エラムの王ケドルラオメル、ゴイムの王ティドアル、シンアルの王アムラフェル、エラサルの王アルヨクの四人の王に対して、これら五人の王が戦いを挑んだのである。

14章10節 シディムの谷には至るところに天然アスファルトの穴があった。ソドムとゴモラの王は逃げるとき、その穴に落ちた。残りの王は山へ逃れた。

14章11節 ソドムとゴモラの財産や食糧はすべて奪い去られ、

14章12節 ソドムに住んでいたアブラムの甥ロトも、財産もろとも連れ去られた。

◆ロトの救出

14章13節 逃げ延びた一人の男がヘブライ人アブラムのもとに来て、そのことを知らせた。アブラムは当時、アモリ人マムレの樫の木の傍らに住んでいた。マムレはエシュコルとアネルの兄弟で、彼らはアブラムと同盟を結んでいた。

14章14節 アブラムは、親族の者が捕虜になったと聞いて、彼の家で生まれた奴隷で、訓練を受けた者三百十八人を召集し、ダンまで追跡した。

14章15節 夜、彼と僕たちは分かれて敵を襲い、ダマスコの北のホバまで追跡した。

14章16節 アブラムはすべての財産を取り返し、親族のロトとその財産、女たちやそのほかの人々も取り戻した。

◆メルキゼデクの祝福

14章17節 アブラムがケドルラオメルとその味方の王たちを撃ち破って帰って来たとき、ソドムの王はシャベの谷、すなわち王の谷まで彼を出迎えた。

14章18節 いと高き神の祭司であったサレムの王メルキゼデクも、パンとぶどう酒を持って来た。

14章19節 彼はアブラムを祝福して言った。「天地の造り主、いと高き神に/アブラムは祝福されますように。

14章20節 敵をあなたの手に渡された/いと高き神がたたえられますように。」アブラムはすべての物の十分の一を彼に贈った。

14章21節 ソドムの王はアブラムに、「人はわたしにお返しください。しかし、財産はお取りください」と言ったが、

14章22節 アブラムはソドムの王に言った。「わたしは、天地の造り主、いと高き神、主に手を上げて誓います。

14章23節 あなたの物は、たとえ糸一筋、靴ひも一本でも、決していただきません。『アブラムを裕福にしたのは、このわたしだ』と、あなたに言われたくありません。

14章24節 わたしは何も要りません。ただ、若い者たちが食べたものと、わたしと共に戦った人々、すなわち、アネルとエシュコルとマムレの分は別です。彼らには分け前を取らせてください。」


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