新共同訳伝道の書第1章
1章2節 コヘレトは言う。なんという空しさ/なんという空しさ、すべては空しい。
1章3節 太陽の下、人は労苦するが/すべての労苦も何になろう。
1章4節 一代過ぎればまた一代が起こり/永遠に耐えるのは大地。
1章6節 風は南に向かい北へ巡り、めぐり巡って吹き/風はただ巡りつつ、吹き続ける。
1章7節 川はみな海に注ぐが海は満ちることなく/どの川も、繰り返しその道程を流れる。
1章8節 何もかも、もの憂い。語り尽くすこともできず/目は見飽きることなく/耳は聞いても満たされない。
1章9節 かつてあったことは、これからもあり/かつて起こったことは、これからも起こる。太陽の下、新しいものは何ひとつない。
1章10節 見よ、これこそ新しい、と言ってみても/それもまた、永遠の昔からあり/この時代の前にもあった。
1章11節 昔のことに心を留めるものはない。これから先にあることも/その後の世にはだれも心に留めはしまい。
1章12節 わたしコヘレトはイスラエルの王としてエルサレムにいた。
1章13節 天の下に起こることをすべて知ろうと熱心に探究し、知恵を尽くして調べた。神はつらいことを人の子らの務めとなさったものだ。
1章14節 わたしは太陽の下に起こることをすべて見極めたが、見よ、どれもみな空しく、風を追うようなことであった。
1章16節 わたしは心にこう言ってみた。「見よ、かつてエルサレムに君臨した者のだれにもまさって、わたしは知恵を深め、大いなるものとなった」と。わたしの心は知恵と知識を深く見極めたが、
1章17節 熱心に求めて知ったことは、結局、知恵も知識も狂気であり愚かであるにすぎないということだ。これも風を追うようなことだと悟った。
1章18節 知恵が深まれば悩みも深まり/知識が増せば痛みも増す。