黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳イザヤ書第11章

◆平和の王

11章1節 エッサイの株からひとつの芽が萌えいで/その根からひとつの若枝が育ち

11章2節 その上に主の霊がとどまる。知恵と識別の霊/思慮と勇気の霊/主を知り、畏れ敬う霊。

11章3節 彼は主を畏れ敬う霊に満たされる。目に見えるところによって裁きを行わず/耳にするところによって弁護することはない。

11章4節 弱い人のために正当な裁きを行い/この地の貧しい人を公平に弁護する。その口の鞭をもって地を打ち/唇の勢いをもって逆らう者を死に至らせる。

11章5節 正義をその腰の帯とし/真実をその身に帯びる。

11章6節 狼は小羊と共に宿り/豹は子山羊と共に伏す。子牛は若獅子と共に育ち/小さい子供がそれらを導く。

11章7節 牛も熊も共に草をはみ/その子らは共に伏し/獅子も牛もひとしく干し草を食らう。

11章8節 乳飲み子は毒蛇の穴に戯れ/幼子は蝮の巣に手を入れる。

11章9節 わたしの聖なる山においては/何ものも害を加えず、滅ぼすこともない。水が海を覆っているように/大地は主を知る知識で満たされる。

11章10節 その日が来れば/エッサイの根は/すべての民の旗印として立てられ/国々はそれを求めて集う。そのとどまるところは栄光に輝く。

◆帰還と救い

11章11節 その日が来れば、主は再び御手を下して/御自分の民の残りの者を買い戻される。彼らはアッシリア、エジプト、上エジプト、クシュ、エラム、シンアル、ハマト、海沿いの国々などに残されていた者である。

11章12節 主は諸国の民に向かって旗印を掲げ/地の四方の果てから/イスラエルの追放されていた者を引き寄せ/ユダの散らされていた者を集められる。

11章13節 エフライムのねたみは取り去られ/ユダの敵意は断たれる。エフライムはユダをねたまず/ユダはエフライムに敵対しない。

11章14節 彼らは、西のペリシテを側面から襲い/共に、東の民を略奪する。彼らはエドムとモアブを支配し/アンモンの人々を服従させる。

11章15節 主はエジプトの海の入り江を干上がらせ/御手を大河の上に振って、強風を起こし/それを打って七つの流れとし/サンダルのまま渡れるようにされる。

11章16節 エジプトの地から上った日に/イスラエルのために備えられたように/アッシリアに残されていた/この民の残りの者にも、広い道が備えられる。


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