黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳イザヤ書第40章

◆帰還の約束

40章1節 慰めよ、わたしの民を慰めよと/あなたたちの神は言われる。

40章2節 エルサレムの心に語りかけ/彼女に呼びかけよ/苦役の時は今や満ち、彼女の咎は償われた、と。罪のすべてに倍する報いを/主の御手から受けた、と。

40章3節 呼びかける声がある。主のために、荒れ野に道を備え/わたしたちの神のために、荒れ地に広い道を通せ。

40章4節 谷はすべて身を起こし、山と丘は身を低くせよ。険しい道は平らに、狭い道は広い谷となれ。

40章5節 主の栄光がこうして現れるのを/肉なる者は共に見る。主の口がこう宣言される。

40章6節 呼びかけよ、と声は言う。わたしは言う、何と呼びかけたらよいのか、と。肉なる者は皆、草に等しい。永らえても、すべては野の花のようなもの。

40章7節 草は枯れ、花はしぼむ。主の風が吹きつけたのだ。この民は草に等しい。

40章8節 草は枯れ、花はしぼむが/わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ。

40章9節 高い山に登れ/良い知らせをシオンに伝える者よ。力を振るって声をあげよ/良い知らせをエルサレムに伝える者よ。声をあげよ、恐れるな/ユダの町々に告げよ。見よ、あなたたちの神

40章10節 見よ、主なる神。彼は力を帯びて来られ/御腕をもって統治される。見よ、主のかち得られたものは御もとに従い/主の働きの実りは御前を進む。

40章11節 主は羊飼いとして群れを養い、御腕をもって集め/小羊をふところに抱き、その母を導いて行かれる。

◆創造と贖いの神

40章12節 手のひらにすくって海を量り/手の幅をもって天を測る者があろうか。地の塵を升で量り尽くし/山々を秤にかけ/丘を天秤にかける者があろうか。

40章13節 主の霊を測りうる者があろうか。主の企てを知らされる者があろうか。

40章14節 主に助言し、理解させ、裁きの道を教え/知識を与え、英知の道を知らせうる者があろうか。

40章15節 見よ、国々は革袋からこぼれる一滴のしずく/天秤の上の塵と見なされる。島々は埃ほどの重さも持ちえない。

40章16節 レバノンの森も薪に足りず/その獣もいけにえに値しない。

40章17節 主の御前に、国々はすべて無に等しく/むなしくうつろなものと見なされる。

40章18節 お前たちは、神を誰に似せ/どのような像に仕立てようというのか。

40章19節 職人は偶像を鋳て造り/金箔を作ってかぶせ、銀の鎖を付ける。

40章20節 献げ物にする桑の木、えり抜きの朽ちない木を/巧みな職人は捜し出し、像を造り、据え付ける。

40章21節 お前たちは知ろうとせず聞こうとしないのか/初めから告げられてはいなかったのか/理解していなかったのか、地の基の置かれた様を。

40章22節 主は地を覆う大空の上にある御座に着かれる。地に住む者は虫けらに等しい。主は天をベールのように広げ、天幕のように張り/その上に御座を置かれる。

40章23節 主は諸侯を無に等しいものとし/地を治める者をうつろなものとされる。

40章24節 彼らは植えられる間もなく、種蒔かれる間もなく/地に根を張る間もなく/風が吹きつけてこれを枯らす。嵐がわらのように巻き上げる。

40章25節 お前たちはわたしを誰に似せ/誰に比べようとするのか、と聖なる神は言われる。

40章26節 目を高く上げ、誰が天の万象を創造したかを見よ。それらを数えて、引き出された方/それぞれの名を呼ばれる方の/力の強さ、激しい勢いから逃れうるものはない。

40章27節 ヤコブよ、なぜ言うのか/イスラエルよ、なぜ断言するのか/わたしの道は主に隠されている、と/わたしの裁きは神に忘れられた、と。

40章28節 あなたは知らないのか、聞いたことはないのか。主は、とこしえにいます神/地の果てに及ぶすべてのものの造り主。倦むことなく、疲れることなく/その英知は究めがたい。

40章29節 疲れた者に力を与え/勢いを失っている者に大きな力を与えられる。

40章30節 若者も倦み、疲れ、勇士もつまずき倒れようが

40章31節 主に望みをおく人は新たな力を得/鷲のように翼を張って上る。走っても弱ることなく、歩いても疲れない。


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