黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エレミヤ書第15章

15章1節 主はわたしに言われた。「たとえモーセとサムエルが執り成そうとしても、わたしはこの民を顧みない。わたしの前から彼らを追い出しなさい。

15章2節 彼らがあなたに向かって、『どこへ行けばよいのか』と問うならば、彼らに答えて言いなさい。『主はこう言われる。疫病に定められた者は、疫病に/剣に定められた者は、剣に/飢えに定められた者は、飢えに/捕囚に定められた者は、捕囚に。』

15章3節 わたしは彼らを四種のもので罰する、と主は言われる。剣が殺し、犬が引きずって行き、空の鳥と地の獣が餌食として滅ぼす。

15章4節 わたしは地上のすべての国が、彼らを見て恐怖を抱くようにする。それはヒゼキヤの子ユダの王マナセがエルサレムでしたことのためである。」

15章5節 エルサレムよ、誰がお前を憐れみ/誰がお前のために嘆くであろうか。誰が安否を問おうとして、立ち寄るであろうか。

15章6節 お前はわたしを捨て、背いて行ったと/主は言われる。わたしは手を伸ばしてお前を滅ぼす。お前を憐れむことに疲れた。

15章7節 わたしはこの地の町々の城門で/彼らを箕であおり、まき散らし/わが民の子らを奪い、滅ぼす。彼らがその道を改めないからだ。

15章8節 やもめの数は海の砂よりも多くなった。わたしは白昼、荒らす者に若者の母を襲わせた。彼女はたちまち恐れとおののきに捕らえられ

15章9節 七人の子の母はくずおれてあえぐ。太陽は日盛りに沈み/彼女はうろたえ、絶望する。わたしは敵の前で民の残りの者を剣に渡すと/主は言われる。

◆エレミヤの苦しみと神の支え

15章10節 ああ、わたしは災いだ。わが母よ、どうしてわたしを産んだのか。国中でわたしは争いの絶えぬ男/いさかいの絶えぬ男とされている。わたしはだれの債権者になったことも/だれの債務者になったこともないのに/だれもがわたしを呪う。

15章11節 主よ、わたしは敵対する者のためにも/幸いを願い/彼らに災いや苦しみの襲うとき/あなたに執り成しをしたではありませんか。

15章12節 鉄は砕かれるだろうか/北からの鉄と青銅は。

15章13節 わたしはお前の富と宝を/お前のあらゆる罪の報いとして/至るところで、敵の奪うにまかせる。

15章14節 また、お前を敵の奴隷とし/お前の知らない国に行かせる。わたしの怒りによって火が点じられ/お前たちに対して燃え続ける。

15章15節 あなたはご存じのはずです。主よ、わたしを思い起こし、わたしを顧み/わたしを迫害する者に復讐してください。いつまでも怒りを抑えて/わたしが取り去られるようなことが/ないようにしてください。わたしがあなたのゆえに/辱めに耐えているのを知ってください。

15章16節 あなたの御言葉が見いだされたとき/わたしはそれをむさぼり食べました。あなたの御言葉は、わたしのものとなり/わたしの心は喜び躍りました。万軍の神、主よ。わたしはあなたの御名をもって/呼ばれている者です。

15章17節 わたしは笑い戯れる者と共に座って楽しむことなく/御手に捕らえられ、独りで座っていました。あなたはわたしを憤りで満たされました。

15章18節 なぜ、わたしの痛みはやむことなく/わたしの傷は重くて、いえないのですか。あなたはわたしを裏切り/当てにならない流れのようになられました。

15章19節 それに対して、主はこう言われた。「あなたが帰ろうとするなら/わたしのもとに帰らせ/わたしの前に立たせよう。もし、あなたが軽率に言葉を吐かず/熟慮して語るなら/わたしはあなたを、わたしの口とする。あなたが彼らの所に帰るのではない。彼らこそあなたのもとに帰るのだ。

15章20節 この民に対して/わたしはあなたを堅固な青銅の城壁とする。彼らはあなたに戦いを挑むが/勝つことはできない。わたしがあなたと共にいて助け/あなたを救い出す、と主は言われる。

15章21節 わたしはあなたを悪人の手から救い出し/強暴な者の手から解き放つ。」


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