黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エレミヤ書第25章

◆神の僕ネブカドレツァル

25章1節 ユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムの第四年に、ユダの民すべてについてエレミヤに臨んだ言葉。その年はバビロンの王ネブカドレツァルの第一年に当たっていた。

25章2節 預言者エレミヤは、ユダの民とエルサレムの住民すべてに次のように語った。

25章3節 「ユダの王、アモンの子ヨシヤの第十三年から今日に至るまで二十三年の間、主の言葉はわたしに臨み、わたしは倦むことなく語り聞かせたのに、お前たちは従わなかった。

25章4節 主は僕である預言者たちを倦むことなく遣わしたのに、お前たちは耳を傾けず、従わなかった。

25章5節 彼らは言った。『立ち帰って、悪の道と悪事を捨てよ。そうすれば、主がお前たちと先祖に与えられた地に、とこしえからとこしえまで住むことができる。

25章6節 他の神々に従って行くな。彼らに仕え、ひれ伏してはならない。お前たちの手が造った物でわたしを怒らせるならば、わたしはお前たちに災いをくだす。

25章7節 しかし、お前たちはわたしに従わなかった、と主は言われる。お前たちは自分の手で造った物をもって、わたしを怒らせ、災いを招いた。』

25章8節 それゆえ、万軍の主はこう言われる。お前たちがわたしの言葉に聞き従わなかったので、

25章9節 見よ、わたしはわたしの僕バビロンの王ネブカドレツァルに命じて、北の諸民族を動員させ、彼らにこの地とその住民、および周囲の民を襲わせ、ことごとく滅ぼし尽くさせる、と主は言われる。そこは人の驚くところ、嘲るところ、とこしえの廃虚となる。

25章10節 わたしは、そこから喜びの声、祝いの声、花婿の声、花嫁の声、挽き臼の音、ともし火の光を絶えさせる。

25章11節 この地は全く廃虚となり、人の驚くところとなる。これらの民はバビロンの王に七十年の間仕える。

25章12節 七十年が終わると、わたしは、バビロンの王とその民、またカルデア人の地をその罪のゆえに罰する、と主は言われる。そして、そこをとこしえに荒れ地とする。

25章13節 わたしは、この地についてわたしが語った言葉、エレミヤがこれらすべての国々について預言し、この巻物に記されていることを、すべて実現させる。

25章14節 彼らもまた、多くの国々と強大な王たちに仕えるようになる。わたしは、彼らの行いとその手の業に応じて彼らに報いる。」

25章15節 それゆえ、イスラエルの神、主はわたしにこう言われる。「わたしの手から怒りの酒の杯を取り、わたしがあなたを遣わすすべての国々にそれを飲ませよ。

25章16節 彼らは飲んでよろめき、わたしが彼らの中に剣を送るとき、恐怖にもだえる。」

25章17節 わたしは、主の御手から杯を取り、主がわたしを遣わされるすべての国々にその酒を飲ませた。

25章18節 また、エルサレムとユダの町々、その王たちと高官たちに飲ませ、今日のように、そこを廃虚とし、人の驚くところ、嘲るところ、呪うところとした。

25章19節 更に、エジプトの王ファラオとその家臣、高官たちとその民のすべて、

25章20節 入り交じった民のすべて、ウツの地のすべての王、ペリシテ人の地のすべての王、すなわちアシュケロン、ガザ、エクロン、アシュドドに残った者、

25章21節 エドム、モアブ、アンモンの人々、

25章22節 ティルスのすべての王、シドンのすべての王、海の向こうの島々の王たち、

25章23節 デダンとテマとブズと、もみ上げの毛を切っているすべての人、

25章24節 荒れ野に住むアラビアのすべての王と、入り交じった民のすべての王、

25章25節 ジムリのすべての王、エラムのすべての王、メディアのすべての王、

25章26節 北のすべての王で、近くにいる者にも遠くにいる者にもそれぞれ、すなわち、地上のすべての王国に飲ませ、最後にシェシャク(バビロン)の王が飲む。

25章27節 あなたは彼らに言うがよい。「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。飲んで酔い、おう吐し、倒れて起き上がるな、わたしがお前たちの中に送る剣のゆえに。

25章28節 彼らがあなたの手から杯を受けず、飲むことを拒むなら、あなたは彼らに言うがよい。万軍の主はこう言われる。お前たちは必ず飲むことになる。

25章29節 見よ、わたしの名によって呼ばれるこの都にも、わたしは災いをくだし始めた。お前たちが罰を免れようとしても、決して免れることはない。わたしはこの地のすべての住民に対して、剣を呼び寄せた」と万軍の主は言われる。

25章30節 あなたは、これらの言葉をすべて彼らに預言して言うがよい。「主は、高い天からほえたけり/聖なる宮から声をとどろかされる。その牧場に向かってほえたけり/この地のすべての住民に向かって/酒ぶねを踏む者のように叫び声をあげられる。

25章31節 その響きは地の果てに至る。主は、諸国民と争い/肉なるものをすべて裁き/主に逆らう者を剣に渡される」と/主は言われる。

25章32節 万軍の主はこう言われる。見よ、災いが一つの民から出て他の民に及ぶ。激しい嵐が地の果てから起こる。

25章33節 その日には、主に刺し貫かれた者が地の果てから地の果てまで、嘆くこともなく横たわる。集められることも葬られることもなく、地の面にまき散らされて肥やしとなる。

25章34節 牧者たちよ、嘆き叫べ。群れを率いる者らよ、灰をその身にかぶれ。お前たちが屠られるときが満ちた。お前たちは貴い器のように砕かれて倒れる。

25章35節 牧者は逃げ場を失い/群れを率いる者は避け所を失う。

25章36節 牧者の叫ぶ声/群れを率いる者の嘆く声がする。主が彼らの牧草地を荒らされるからだ。

25章37節 平和な牧場は滅ぼされる/主の激しい怒りによって。

25章38節 主は若獅子のようにその住みかを捨てられたので/彼らの地は荒れ地となった/脅かす主の怒り、激しい怒りのゆえに。


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