黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エレミヤ書第35章

◆レカブ人の忠誠

35章1節 ユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムの時代に、主からエレミヤに臨んだ言葉。

35章2節 「レカブ人一族のところへ行って、主の神殿の一室に来るように言い、彼らにぶどう酒を飲ませなさい。」

35章3節 そこで、わたしは、ハバツィンヤの孫であり、イルメヤの子であるヤアザンヤとその兄弟、その子ら、つまりレカブ人の一族全員を連れて、

35章4節 主の神殿にある、神の人イグダルヤの子ハナンの弟子たちがいる部屋へ行った。この部屋は、貴族の部屋の隣にあって、門衛、シャルムの子マアセヤの部屋の上に当たる。

35章5節 そこで、わたしはレカブ人一族の前にぶどう酒を満たした壺と杯を出し、彼らに、「ぶどう酒を飲んでください」と言った。

35章6節 すると、彼らは答えた。「我々はぶどう酒を飲みません。父祖レカブの子ヨナダブが、子々孫々に至るまでぶどう酒を飲んではならない、と命じたからです。

35章7節 また、家を建てるな、種を蒔くな、ぶどう園を作るな、また、それらを所有せず、生涯天幕に住むように。そうすれば、お前たちが滞在する土地で長く生きることができる、と言いました。

35章8節 我々の先祖である、レカブの子ヨナダブの命じたすべてのことに聞き従ってきました。生涯、我々も妻も、息子、娘たちもぶどう酒を飲まず、

35章9節 住む家を建てず、ぶどう園、畑、種を所有せず、

35章10節 天幕に住んでいます。我々は父祖ヨナダブの命じたすべてのことに従って行ってきました。

35章11節 今は、バビロンの王ネブカドレツァルがこの国に攻め上って来たので、『エルサレムに行き、カルデア軍とアラム軍の攻撃を避けよう』と言って、エルサレムに滞在しているのです。」

35章12節 そのとき、主の言葉がエレミヤに臨んだ。

35章13節 「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。行って、ユダの人々とエルサレムの住民に告げよ。お前たちはわたしの言葉に従えという戒めを受け入れないのか、と主は言われる。

35章14節 レカブの子ヨナダブが一族の者たちに、ぶどう酒を飲むなと命じた言葉は守られ、彼らはこの父祖の命令に聞き従い、今日に至るまでぶどう酒を飲まずにいる。ところがお前たちは、わたしが繰り返し語り続けてきたのに聞き従おうとしなかった。

35章15節 わたしは、お前たちにわたしの僕である預言者を、繰り返し遣わして命じた。『おのおの悪の道を離れて立ち帰り、行いを正せ。他の神々に仕え従うな。そうすれば、わたしがお前たちと父祖に与えた国土にとどまることができる』と。しかし、お前たちは耳を傾けず、わたしに聞こうとしなかった。

35章16節 レカブの子ヨナダブの一族が、父祖の命じた命令を固く守っているというのに、この民はわたしに従おうとしない。

35章17節 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。わたしは、ユダとエルサレムの全住民に対して予告したとおり、あらゆる災いを送る。わたしが語ったのに彼らは聞かず、わたしが呼びかけたのに答えなかったからである。」

35章18節 また、レカブ人一族にエレミヤは言った。「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。あなたたちは、父祖ヨナダブの命令に聞き従い、命令をことごとく守り、命じられたとおりに行ってきた。

35章19節 それゆえ、イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。レカブの子ヨナダブの一族には、わたしの前に立って仕える者がいつまでも絶えることがない。」


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