黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エゼキエル書第19章

◆君侯たちの悲しみの歌

19章1節 イスラエルの君侯たちのために、あなたは悲しみの歌をうたって、

19章2節 言いなさい。お前の母は獅子たちの中にあって/どんな雌獅子だったろうか。お前の母は子獅子の間に伏し/若獅子たちを育てた。

19章3節 お前の母は子獅子の中から一頭を取り上げた。その子獅子は若獅子に成長し/獲物を取ることを覚え/人々を餌食とした。

19章4節 しかし、諸国の民は子獅子について聞いた。罠に捕らえられ、鉤にかけられて/エジプトの地へ連れて行かれたと。

19章5節 お前の母は期待が破れ、望みがうせたのを見て/別の子獅子を取り、若獅子に育てた。

19章6節 この子獅子は獅子たちの間を歩き回り/若獅子に成長し/獲物を取ることを覚え/人々を餌食とした。

19章7節 彼は彼らの城郭を破壊し、町々を荒廃させた。そのほえたける声に/地と地を満たすものはおびえた。

19章8節 諸国民は周囲の国々から彼に立ち向かい/彼の上に網を広げ/彼は罠に捕らえられた。

19章9節 彼は鉤にかけられ、籠に入れられ/バビロンの王のもとに連れて行かれた。彼らは獄に彼を閉じ込め/二度とその声が、イスラエルの山々に/聞こえないようにした。

19章10節 お前の母は水のほとりに植えられた/園のぶどうの木のようだ。多くの水のゆえに/豊かに実を結ぶ枝を張った。

19章11節 その木には/支配者たちの杖となる強い枝があった。丈は雲間に届くほど高くなり/丈高く、枝が多いゆえに際立って見えた。

19章12節 怒りによって、木は引き抜かれ/地に投げ捨てられた。東風はその実を枯らし/強い枝はもぎ取られて枯れ/火がそれを焼き尽くした。

19章13節 今や、その木は/荒れ野に、乾いた水なき地に/移し植えられた。

19章14節 また、若枝の茂る太い枝から/火が出て、実を焼き尽くした。それゆえ、この木には/支配者の杖となる強い枝はなくなった。この歌は悲しみの歌。悲しみの歌としてうたわれた。


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