黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エゼキエル書第21章

◆エルサレムに向けられる剣

21章1節 主の言葉がわたしに臨んだ。

21章2節 「人の子よ、顔をテマンに向け、ダロムに向かって言葉を注ぎ出し、ネゲブの野の森に向かって預言せよ。

21章3節 ネゲブの森に言いなさい。主の言葉を聞け。主なる神はこう言われる。わたしはお前に火をつける。火は、お前の中の青木も枯れ木も焼き尽くす。燃え盛る炎は消えず、地の面は南から北まで、ことごとく焦土と化す。

21章4節 生ける者は皆、主なるわたしがそれを焼き尽くしたことを認めるようになる。その火は消えることがない。」

21章5節 そのとき、わたしは言った。「ああ、主なる神よ、彼らはわたしについて、『彼はことわざを語る者にすぎないではないか』と言っています」と。

21章6節 そのとき、主の言葉がわたしに臨んだ。

21章7節 「人の子よ、顔をエルサレムに向け、聖所に向かって言葉を注ぎ出し、イスラエルの地に対して預言せよ。

21章8節 イスラエルの地に向かって言いなさい。主はこう言われる。わたしはお前に立ち向かい、わたしの剣の鞘をはらい、お前たちの中の正しい者も悪い者も切り捨てる。

21章9節 わたしがお前たちの中から、正しい者も悪い者も切り捨てるために、わたしの剣は鞘を離れ、南から北まで、すべての生ける者に向かう。

21章10節 そのとき、生ける者は皆、主なるわたしが剣を鞘から抜いたことを知るようになる。剣は二度と鞘には戻らない。

21章11節 人の子よ、呻け。人々の前で腰をよろめかし、苦しみ呻け。

21章12節 人々があなたに、『どうして呻いているのか』と問うならば、彼らに答えて言いなさい。『この知らせが届いたからだ』と。すべての人は勇気を失い、手は力なく垂れ、すべての霊は力を失い、すべての膝は水のように力を失う。知らせは届いた。それは実現する」と主なる神は言われる。

21章13節 主の言葉がわたしに臨んだ。

21章14節 「人の子よ、預言して言いなさい。主なる神はこう言われる。剣だ。剣が研がれ、磨かれた。

21章15節 殺戮のためにそれは研がれ/稲妻のように磨かれた。我らは喜びうるか/わが子の王笏が/他のすべての杖を侮るのを。

21章16節 この剣は磨くために渡され/手に握られる。また、殺す者の手に渡されるために/研がれ、磨かれる。

21章17節 泣き叫べ、人の子よ。剣がわが民に臨む。また、イスラエルのすべての君侯に臨む。彼らはわが民と共に/剣の前に投げ出される。それゆえ、お前は腿を打って悲しめ。

21章18節 それは試みを経たものである。もし、それが侮る杖でないとしたら、一体何であろう、と主なる神は言われる。

21章19節 人の子よ、手を打ち鳴らして預言しなさい。剣は二倍になり、また三倍になる。それは殺戮の剣/彼らを貫く大いなる殺戮の剣。

21章20節 それにより、人々の心は溶け/つまずく者が増える。すべての門に、殺戮の剣をわたしは送る。ああ、剣は稲妻のようにきらめき/殺すために、引き抜かれる。

21章21節 刃を鋭くせよ。右に向かい、また、左に向かい/お前の向かう所へどこへでも。

21章22節 わたしもまた手を打ち鳴らし/憤りに身をまかせよう。」主なるわたしがこれを語った。

21章23節 主の言葉がわたしに臨んだ。

21章24節 「人の子よ、あなたはバビロンの王の剣が来るために、二つの道を用意せよ。二つの道を一つの国から延ばし、それぞれの町へ至る道が分かれる地点に標識を作り、

21章25節 剣が、アンモン人のラバおよびユダの堅固な都エルサレムに進みうるように道を備えなさい。

21章26節 バビロンの王は二つの道の分かれる地点に立ち、そこで占いを行う。彼は矢を振り、テラフィムに問い、肝臓を見る。

21章27節 彼の右の手に、エルサレムに対する占いが出る。占いは破城槌を置き、殺戮を宣言し、戦いの呼び声をあげ、門に向かって破城槌を置き、塁を築き、堡塁を建てよ、と命ずる。

21章28節 それはエルサレムの民の目には空しい占いのように思われる。彼らは自分のために立てられた誓いに頼っている。しかし、それは彼らの罪を思い起こさせ、彼らは捕らわれの身となる。

21章29節 それゆえ、主なる神はこう言われる。お前たちは罪を思い起こされ、背きがあらわにされ、過ちが自らのすべての行いによって示され、まさにこれらのことが思い起こされたゆえに、お前たちは敵の手に捕らえられる。

21章30節 悪に汚れたイスラエルの君主よ、お前の日が、終わりの刑罰の時にやって来る。

21章31節 主なる神はこう言われる。頭巾をはずし、冠を取れ。これはこのままであるはずがない。高い者は低くされ、低い者は高くされる。

21章32節 荒廃、荒廃、荒廃をわたしは都にもたらす。かつてこのようなことが起こったことはない。それは権威を身に帯びた者が到来するまでである。わたしは権威を彼に与える。」

21章33節 人の子よ、あなたは預言して言いなさい。主なる神は、アンモン人とその嘲りに対してこう言われる。あなたは言いなさい。「剣よ。剣は殺戮のために抜かれ、きらめくまでに磨き上げられる。

21章34節 彼らがお前に空しい幻を示し、欺きの占いを行ったゆえに、剣は悪に汚れた者どもの首に置かれる。彼らの日が、終わりの刑罰の時にやって来る。

21章35節 剣をもとの鞘に納めよ。お前が創造された場所、お前の出身地で、わたしはお前を裁く。

21章36節 わたしは憤りをお前の上に注ぎかけ、怒りの火をお前に吹きつける。わたしは、滅ぼすことにたけた荒々しい者たちの手にお前を渡す。

21章37節 火はお前を焼き尽くし、お前の血は国の真ん中に流されるが、お前は思い出されることもない。」主なるわたしがこれを語った。


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