黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エゼキエル書第24章

◆火の上の鍋

24章1節 第九年の十月十日のことである。その月の十日に、主の言葉がわたしに臨んだ。

24章2節 「人の子よ、この日付、まさにこの日を書き記しなさい。バビロンの王は、まさにこの日にエルサレムの攻城を始めた。

24章3節 あなたは反逆の家に対してたとえを語り、彼らに言いなさい。主なる神はこう言われる。据えよ、鍋を据えよ。またその中に水を注げ。

24章4節 それに肉の切れを入れよ。腿や肩肉、すべて上質の肉切れを集め/最上の骨で鍋を満たせ。

24章5節 また、最上の羊を取り/その下に骨を積み重ねよ。これを十分に沸騰させ/中の骨まで煮えるようにせよ。

24章6節 それゆえ、主なる神はこう言われる。災いだ、流血の都よ。錆のついた鍋、その錆は取り除きえない。肉を一切れ一切れ取り出せ。くじがそのために引かれることはない。

24章7節 流血が都の中にあるからだ。彼女は血を裸の岩の上に流し/土で覆うために地面に注ぐことをしなかった。

24章8節 わたしは復讐のため憤りをかき立て/彼女の血を裸の岩の上に流し/それが覆われないようにした。

24章9節 それゆえ、主なる神はこう言われる。災いだ、流血の都よ。わたしもまた、薪の山を大きくする。

24章10節 まきを積み重ね、火をつけよ。肉を煮込んで肉汁を作り、骨を焦がせ。

24章11節 鍋を空にして炭火にのせ/熱して、青銅が赤くなるまで焼け。汚れがその中で溶け、錆がなくなるように。

24章12節 しかし、努力のかいもなく/厚い錆は火でも取り除きえない。

24章13節 不貞によってお前が汚れたので、わたしは清めようとしたが、お前は汚れから清くならなかった。わたしが憤りを晴らすまでは、清くなることは決してない。

24章14節 主なるわたしが語ったのだ。それは実現する。わたしがそれを行う。わたしはそれをやめず、惜しまず、憐れみもしない。お前の道と行いに従って、お前は裁かれる」と主なる神は言われる。

◆エゼキエルの妻の死

24章15節 主の言葉がわたしに臨んだ。

24章16節 「人の子よ、わたしはあなたの目の喜びを、一撃をもってあなたから取り去る。あなたは嘆いてはならない。泣いてはならない。涙を流してはならない。

24章17節 声をあげずに悲しめ。死者の喪に服すな。頭にターバンを巻き、足に靴を履きなさい。口ひげを覆うな。嘆きのパンを食べてはならない。」

24章18節 朝、わたしは人々に語っていた。その夕、わたしの妻は死んだ。翌朝、わたしは命じられたとおりに行った。

24章19節 人々はわたしに尋ねた。「あなたが行っているこれらの事は、我々にどんな意味があるのか告げてくれないか」と。

24章20節 そこでわたしは、彼らに語った。「主の言葉がわたしに臨んだ。

24章21節 イスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。わたしは、わたしの聖所を汚す。それはお前たちの誇る砦であり、目の喜び、心の慕うものであった。お前たちが残してきた息子、娘たちは、剣によって滅びる。

24章22節 わたしがしたように、お前たちもするようになる。お前たちは口ひげを覆ってはならない。嘆きのパンを食べてはならない。

24章23節 頭にターバンを巻き、足に靴を履け。また、嘆いてはならない。泣いてはならない。お前たちは自分の罪のゆえに衰え、互いに嘆くようになる。

24章24節 エゼキエルは、お前たちにとってしるしとなる。すべて彼が行ったように、お前たちもするであろう。すべてが実現したとき、お前たちは、わたしが主なる神であることを知るようになる。」

24章25節 人の子よ、わたしが彼らから、その砦、栄光の喜び、目の喜び、心の望みであるもの、息子、娘たちを取り去る日、

24章26節 その日、逃れて来た者が来てあなたの耳に告げる。

24章27節 その日に、あなたは逃れて来た者に向かって口を開いて語り、もはや黙しているな。あなたは彼らに対してしるしとなり、彼らはわたしが主であることを知るようになる。


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