黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ホセア書第2章

◆イスラエルの回復

2章1節 イスラエルの人々は、その数を増し/海の砂のようになり/量ることも、数えることもできなくなる。彼らは/「あなたたちは、ロ・アンミ(わが民でない者)」と/言われるかわりに/「生ける神の子ら」と言われるようになる。

2章2節 ユダの人々とイスラエルの人々は/ひとつに集められ/一人の頭を立てて、その地から上って来る。イズレエルの日は栄光に満たされる。

2章3節 あなたたちは兄弟に向かって/「アンミ(わが民)」と言え。あなたたちは姉妹に向かって/「ルハマ(憐れまれる者)」と言え。

◆イスラエルの背信

2章4節 告発せよ、お前たちの母を告発せよ。彼女はもはやわたしの妻ではなく/わたしは彼女の夫ではない。彼女の顔から淫行を/乳房の間から姦淫を取り除かせよ。

2章5節 さもなければ、わたしが衣をはぎ取って裸にし/生まれた日の姿にして、さらしものにする。また、彼女を荒れ野のように/乾いた地のように干上がらせ/彼女を渇きで死なせる。

2章6節 わたしはその子らを憐れまない。淫行による子らだから。

2章7節 その母は淫行にふけり/彼らを身ごもった者は恥ずべきことを行った。彼女は言う。「愛人たちについて行こう。パンと水、羊毛と麻/オリーブ油と飲み物をくれるのは彼らだ。」

2章8節 それゆえ、わたしは彼女の行く道を茨でふさぎ/石垣で遮り/道を見いだせないようにする。

2章9節 彼女は愛人の後を追っても追いつけず/尋ね求めても見いだせない。そのとき、彼女は言う。「初めの夫のもとに帰ろう/あのときは、今よりも幸せだった」と。

2章10節 彼女は知らないのだ。穀物、新しい酒、オリーブ油を与え/バアル像を造った金銀を、豊かに得させたのは/わたしだということを。

2章11節 それゆえ、わたしは刈り入れのときに穀物を/取り入れのときに新しい酒を取り戻す。また、彼女の裸を覆っている/わたしの羊毛と麻とを奪い取る。

2章12節 こうして、彼女の恥を愛人たちの目の前にさらす。この手から彼女を救い出す者はだれもない。

2章13節 わたしは彼女の楽しみをすべて絶ち/祭り、新月祭、安息日などの祝いを/すべてやめさせる。

2章14節 また、彼女のぶどうといちじくの園を荒らす。「これは愛人たちの贈り物だ」と/彼女は言っているが/わたしはそれを茂みに変え/野の獣がそれを食い荒らす。

2章15節 バアルを祝って過ごした日々について/わたしは彼女を罰する。彼女はバアルに香をたき/鼻輪や首飾りで身を飾り/愛人の後について行き/わたしを忘れ去った、と主は言われる。

◆イスラエルの救いの日

2章16節 それゆえ、わたしは彼女をいざなって/荒れ野に導き、その心に語りかけよう。

2章17節 そのところで、わたしはぶどう園を与え/アコル(苦悩)の谷を希望の門として与える。そこで、彼女はわたしにこたえる。おとめであったとき/エジプトの地から上ってきた日のように。

2章18節 その日が来ればと/主は言われる。あなたはわたしを、「わが夫」と呼び/もはや、「わが主人(バアル)」とは呼ばない。

2章19節 わたしは、どのバアルの名をも/彼女の口から取り除く。もはやその名が唱えられることはない。

2章20節 その日には、わたしは彼らのために/野の獣、空の鳥、土を這うものと契約を結ぶ。弓も剣も戦いもこの地から絶ち/彼らを安らかに憩わせる。

2章21節 わたしは、あなたととこしえの契りを結ぶ。わたしは、あなたと契りを結び/正義と公平を与え、慈しみ憐れむ。

2章22節 わたしはあなたとまことの契りを結ぶ。あなたは主を知るようになる。

2章23節 その日が来れば、わたしはこたえると/主は言われる。わたしは天にこたえ/天は地にこたえる。

2章24節 地は、穀物と新しい酒とオリーブ油にこたえ/それらはイズレエル(神が種を蒔く)にこたえる。

2章25節 わたしは彼女を地に蒔き/ロ・ルハマ(憐れまれぬ者)を憐れみ/ロ・アンミ(わが民でない者)に向かって/「あなたはアンミ(わが民)」と言う。彼は、「わが神よ」とこたえる。


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