黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ヨエル書第1章

1章1節 ペトエルの子ヨエルに臨んだ主の言葉。

◆いなごによる荒廃

1章2節 老人たちよ、これを聞け。この地に住む者よ、皆耳を傾けよ。あなたたちの時代に、また、先祖の時代にも/このようなことがあっただろうか。

1章3節 これをあなたたちの子孫に語り伝えよ。子孫はその子孫に/その子孫は、また後の世代に。

1章4節 かみ食らういなごの残したものを/移住するいなごが食らい/移住するいなごの残したものを/若いいなごが食らい/若いいなごの残したものを/食い荒らすいなごが食らった。

1章5節 酔いしれる者よ、目を覚ませ、泣け。酒におぼれる者よ、皆泣き叫べ。泡立つ酒はお前たちの口から断たれた。

1章6節 一つの民がわたしの国に攻め上って来た。強大で数知れない民が。その歯は雄獅子の歯、牙は雌獅子の牙。

1章7節 わたしのぶどうの木を荒らし/わたしのいちじくの木を引き裂き/皮を引きはがし、枝を白くして投げ捨てた。

1章8節 泣き悲しめ/いいなずけに死なれて/粗布をまとうおとめのように。

1章9節 献げ物の穀物とぶどう酒は主の宮から断たれ/主に仕える祭司は嘆く。

1章10節 畑は略奪され、地は嘆く。穀物は略奪され/ぶどうの実は枯れ尽くし/オリーブの木は衰えてしまった。

1章11節 農夫は恥じ、ぶどう作りは泣き叫ぶ。小麦と大麦、畑の実りは失われた。

1章12節 ぶどうの木は枯れ尽くし、いちじくの木は衰え/ざくろも、なつめやしも、りんごも/野の木はすべて実をつけることなく/人々の楽しみは枯れ尽くした。

1章13節 祭司よ、粗布を腰にまとって嘆き悲しめ。祭壇に仕える者よ、泣き叫べ。神に仕える者よ、粗布をまとって夜を明かせ。献げ物の穀物とぶどう酒は、もはや/あなたたちの神の宮にもたらされることはない。

1章14節 断食を布告し、聖会を召集し/長老をはじめこの国の民をすべて/あなたたちの神、主の神殿に集め/主に向かって嘆きの叫びをあげよ。

1章15節 ああ、恐るべき日よ/主の日が近づく。全能者による破滅の日が来る。

1章16節 わたしたちの目の前から食べ物は断たれ/わたしたちの神の宮からは/喜びも踊ることもなくなったではないか。

1章17節 種は乾いた土の下に干からび/穀物は枯れ尽くし/倉は荒れ、穀物倉は破壊された。

1章18節 なんという呻きを家畜はすることか。牛の群れがさまよい/羊の群れが苦しむのは/もはや、牧草がどこにもないからだ。

1章19節 主よ、わたしはあなたを呼びます。火が荒れ野の草地を焼き尽くし/炎が野の木をなめ尽くしたからです。

1章20節 野の獣もあなたを求めます。流れの水は涸れ/火が荒れ野の草地を焼き尽くしたからです。


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