黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳出エジプト記第21章

◆(2)奴隷について

21章1節 以下は、あなたが彼らに示すべき法である。

21章2節 あなたがヘブライ人である奴隷を買うならば、彼は六年間奴隷として働かねばならないが、七年目には無償で自由の身となることができる。

21章3節 もし、彼が独身で来た場合は、独身で去らねばならない。もし、彼が妻帯者であった場合は、その妻も共に去ることができる。

21章4節 もし、主人が彼に妻を与えて、その妻が彼との間に息子あるいは娘を産んだ場合は、その妻と子供は主人に属し、彼は独身で去らねばならない。

21章5節 もし、その奴隷が、「わたしは主人と妻子とを愛しており、自由の身になる意志はありません」と明言する場合は、

21章6節 主人は彼を神のもとに連れて行く。入り口もしくは入り口の柱のところに連れて行き、彼の耳を錐で刺し通すならば、彼を生涯、奴隷とすることができる。

21章7節 人が自分の娘を女奴隷として売るならば、彼女は、男奴隷が去るときと同じように去ることはできない。

21章8節 もし、主人が彼女を一度自分のものと定めながら、気に入らなくなった場合は、彼女が買い戻されることを許さねばならない。彼は彼女を裏切ったのだから、外国人に売る権利はない。

21章9節 もし、彼女を自分の息子のものと定めた場合は、自分の娘と同じように扱わなければならない。

21章10節 もし、彼が別の女をめとった場合も、彼女から食事、衣服、夫婦の交わりを減らしてはならない。

21章11節 もし、彼がこの三つの事柄を実行しない場合は、彼女は金を支払わずに無償で去ることができる。

◆(3)死に値する罪

21章12節 人を打って死なせた者は必ず死刑に処せられる。

21章13節 ただし、故意にではなく、偶然、彼の手に神が渡された場合は、わたしはあなたのために一つの場所を定める。彼はそこに逃れることができる。

21章14節 しかし、人が故意に隣人を殺そうとして暴力を振るうならば、あなたは彼をわたしの祭壇のもとからでも連れ出して、処刑することができる。

21章15節 自分の父あるいは母を打つ者は、必ず死刑に処せられる。

21章16節 人を誘拐する者は、彼を売った場合も、自分の手もとに置いていた場合も、必ず死刑に処せられる。

21章17節 自分の父あるいは母を呪う者は、必ず死刑に処せられる。

◆(4)身体の傷害

21章18節 人々が争って、一人が他の一人を石、もしくはこぶしで打った場合は、彼が死なないで、床に伏しても、

21章19節 もし、回復して、杖を頼りに外を歩き回ることができるようになるならば、彼を打った者は罰を免れる。ただし、仕事を休んだ分を補償し、完全に治療させねばならない。

21章20節 人が自分の男奴隷あるいは女奴隷を棒で打ち、その場で死なせた場合は、必ず罰せられる。

21章21節 ただし、一両日でも生きていた場合は、罰せられない。それは自分の財産だからである。

21章22節 人々がけんかをして、妊娠している女を打ち、流産させた場合は、もしその他の損傷がなくても、その女の主人が要求する賠償を支払わねばならない。仲裁者の裁定に従ってそれを支払わねばならない。

21章23節 もし、その他の損傷があるならば、命には命、

21章24節 目には目、歯には歯、手には手、足には足、

21章25節 やけどにはやけど、生傷には生傷、打ち傷には打ち傷をもって償わねばならない。

21章26節 人が自分の男奴隷あるいは女奴隷の目を打って、目がつぶれた場合、その目の償いとして、その者を自由にして去らせねばならない。

21章27節 もし、自分の男奴隷あるいは女奴隷の歯を折った場合、その歯の償いとして、その者を自由に去らせねばならない。

21章28節 牛が男あるいは女を突いて死なせた場合、その牛は必ず石で打ち殺されねばならない。また、その肉は食べてはならない。しかし、その牛の所有者に罪はない。

21章29節 ただし、もし、その牛に以前から突く癖があり、所有者に警告がなされていたのに、彼がその警告を守らず、男あるいは女を死なせた場合は、牛は石で打ち殺され、所有者もまた死刑に処せられる。

21章30節 もし、賠償金が要求された場合には、自分の命の代償として、要求されたとおりに支払わねばならない。

21章31節 男の子あるいは女の子を突いた場合も、この規定に準じて処理されねばならない。

21章32節 もし、牛が男奴隷あるいは女奴隷を突いた場合は、銀三十シェケルをその主人に支払い、その牛は石で打ち殺されねばならない。

◆(5)財産の損傷

21章33節 人が水溜めをあけたままにしておくか、水溜めを掘って、それに蓋をしないでおいたため、そこに牛あるいはろばが落ちた場合、

21章34節 その水溜めの所有者はそれを償い、牛あるいはろばの所有者に銀を支払う。ただし、死んだ家畜は彼のものとなる。

21章35節 ある人の牛が隣人の牛を突いて死なせた場合、生きている方の牛を売って、その代金を折半し、死んだ方の牛も折半する。

21章36節 しかし、牛に以前から突く癖のあることが分かっていながら、所有者が注意を怠った場合は、必ず、その牛の代償として牛で償わねばならない。ただし、死んだ牛は彼のものとなる。

◆(6)盗みと財産の保管

21章37節 人が牛あるいは羊を盗んで、これを屠るか、売るかしたならば、牛一頭の代償として牛五頭、羊一匹の代償として羊四匹で償わねばならない。


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