黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳出エジプト記第6章

6章1節 主はモーセに言われた。「今や、あなたは、わたしがファラオにすることを見るであろう。わたしの強い手によって、ファラオはついに彼らを去らせる。わたしの強い手によって、ついに彼らを国から追い出すようになる。」

◆モーセの使命

6章2節 神はモーセに仰せになった。「わたしは主である。

6章3節 わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに全能の神として現れたが、主というわたしの名を知らせなかった。

6章4節 わたしはまた、彼らと契約を立て、彼らが寄留していた寄留地であるカナンの土地を与えると約束した。

6章5節 わたしはまた、エジプト人の奴隷となっているイスラエルの人々のうめき声を聞き、わたしの契約を思い起こした。

6章6節 それゆえ、イスラエルの人々に言いなさい。わたしは主である。わたしはエジプトの重労働の下からあなたたちを導き出し、奴隷の身分から救い出す。腕を伸ばし、大いなる審判によってあなたたちを贖う。

6章7節 そして、わたしはあなたたちをわたしの民とし、わたしはあなたたちの神となる。あなたたちはこうして、わたしがあなたたちの神、主であり、あなたたちをエジプトの重労働の下から導き出すことを知る。

6章8節 わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると手を上げて誓った土地にあなたたちを導き入れ、その地をあなたたちの所有として与える。わたしは主である。」

6章9節 モーセは、そのとおりイスラエルの人々に語ったが、彼らは厳しい重労働のため意欲を失って、モーセの言うことを聞こうとはしなかった。

6章10節 主はモーセに仰せになった。

6章11節 「エジプトの王ファラオのもとに行って、イスラエルの人々を国から去らせるように説得しなさい。」

6章12節 モーセは主に訴えた。「御覧のとおり、イスラエルの人々でさえわたしに聞こうとしないのに、どうしてファラオが唇に割礼のないわたしの言うことを聞くでしょうか。」

6章13節 主はモーセとアロンに語って、イスラエルの人々とエジプトの王ファラオにかかわる命令を与えられた。それは、イスラエルの人々をエジプトの国から導き出せというものであった。

◆モーセとアロンの系図

6章14節 彼らの家系の長は次のとおりである。イスラエルの長男ルベンの子らは、ハノク、パル、ヘツロン、カルミで、これらがルベンの氏族である。

6章15節 シメオンの子らは、エムエル、ヤミン、オハド、ヤキン、ツォハルおよびカナンの女から生まれたシャウルで、これらがシメオンの氏族である。

6章16節 レビの子らの名は家系に従うと次のとおりである。ゲルション、ケハト、メラリ。レビの生涯は百三十七年であった。

6章17節 ゲルションの子らは、氏族に従うと、リブニとシムイである。

6章18節 ケハトの子らは、アムラム、イツハル、ヘブロン、ウジエルである。ケハトの生涯は百三十三年であった。

6章19節 メラリの子らは、マフリとムシで、これらが家系に従ったレビの氏族である。

6章20節 アムラムは叔母ヨケベドを妻に迎えた。彼女の産んだ子がアロンとモーセである。アムラムの生涯は百三十七年であった。

6章21節 イツハルの子らは、コラ、ネフェグ、ジクリである。

6章22節 ウジエルの子らは、ミシャエル、エルツァファン、シトリである。

6章23節 アロンは、アミナダブの娘でナフションの姉妹であるエリシェバを妻に迎えた。彼女の産んだ子がナダブ、アビフ、エルアザル、イタマルである。

6章24節 コラの子らは、アシル、エルカナ、アビアサフで、これらがコラ人の氏族である。

6章25節 アロンの子エルアザルは、プティエルの娘の一人を妻に迎えた。彼女の産んだ子がピネハスである。以上が氏族ごとのレビ人の家長である。

6章26節 主が、「イスラエルの人々を部隊ごとにエジプトの国から導き出せ」と命じられたのは、このアロンとモーセである。

6章27節 そして、イスラエルの人々をエジプトから導き出すよう、エジプトの王ファラオの説得に当たったのも、このモーセとアロンである。

◆アロンの役割

6章28節 主がエジプトの国でモーセに語られたとき、

6章29節 主はモーセに仰せになった。「わたしは主である。わたしがあなたに語ることをすべて、エジプトの王ファラオに語りなさい。」

6章30節 しかし、モーセは主に言った。「御覧のとおり、わたしは唇に割礼のない者です。どうしてファラオがわたしの言うことを聞き入れましょうか。」


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