黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ハバクク書第1章

1章1節 預言者ハバククが、幻で示された託宣。

◆預言者の嘆き

1章2節 主よ、わたしが助けを求めて叫んでいるのに/いつまで、あなたは聞いてくださらないのか。わたしが、あなたに「不法」と訴えているのに/あなたは助けてくださらない。

1章3節 どうして、あなたはわたしに災いを見させ/労苦に目を留めさせられるのか。暴虐と不法がわたしの前にあり/争いが起こり、いさかいが持ち上がっている。

1章4節 律法は無力となり/正義はいつまでも示されない。神に逆らう者が正しい人を取り囲む。たとえ、正義が示されても曲げられてしまう。

◆主の答え

1章5節 諸国を見渡し、目を留め/大いに驚くがよい。お前たちの時代に一つのことが行われる。それを告げられても、お前たちは信じまい。

1章6節 見よ、わたしはカルデア人を起こす。それは冷酷で剽悍な国民。地上の広い領域に軍を進め/自分のものでない領土を占領する。

1章7節 彼らは恐ろしく、すさまじい。彼らから、裁きと支配が出る。

1章8節 彼らの馬は豹よりも速く/夕暮れの狼よりも素早く/その騎兵は跳びはねる。騎兵は遠くから来て/獲物に襲いかかる鷲のように飛ぶ。

1章9節 彼らは来て、皆、暴虐を行う。どの顔も前方に向き/砂を集めるようにとりこを集める。

1章10節 彼らは王たちを嘲り/支配者たちを嘲笑う。どんな砦をも嘲笑って/土を積み上げ、それを攻め取る。

1章11節 彼らは風のように来て、過ぎ去る。しかし、彼らは罪に定められる。自分の力を神としたからだ。

◆預言者の嘆き

1章12節 主よ、あなたは永遠の昔から/わが神、わが聖なる方ではありませんか。我々は死ぬことはありません。主よ、あなたは我々を裁くために/彼らを備えられた。岩なる神よ、あなたは我々を懲らしめるため/彼らを立てられた。

1章13節 あなたの目は悪を見るにはあまりに清い。人の労苦に目を留めながら/捨てて置かれることはない。それなのになぜ、欺く者に目を留めながら/黙っておられるのですか/神に逆らう者が、自分より正しい者を/呑み込んでいるのに。

1章14節 あなたは人間を海の魚のように/治める者もない、這うもののようにされました。

1章15節 彼らはすべての人を鉤にかけて釣り上げ/網に入れて引き寄せ、投網を打って集める。こうして、彼らは喜び躍っています。

1章16節 それゆえ、彼らはその網にいけにえをささげ/投網に向かって香をたいています。これを使って、彼らは豊かな分け前を得/食物に潤うからです。

1章17節 だからといって、彼らは絶えず容赦なく/諸国民を殺すために/剣を抜いてもよいのでしょうか。


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