黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ヨシュア記第4章

◆記念の十二の石

4章1節 民がすべてヨルダン川を渡り終わったとき、主はヨシュアに言われた。

4章2節 「民の中から部族ごとに一人ずつ、計十二人を選び出し、

4章3節 彼らに命じて、ヨルダン川の真ん中の、祭司たちが足を置いた場所から、石を十二個拾わせ、それを携えて行き、今夜野営する場所に据えさせなさい。」

4章4節 ヨシュアはイスラエルの各部族から一人ずつ、かねて決めておいた十二人を呼び寄せて、

4章5節 言った。「ヨルダン川の真ん中の、あなたたちの神、主の箱の前に行き、イスラエルの人々の部族の数に合わせて、石を一つずつ肩に担いで来い。

4章6節 それはあなたたちの間でしるしとなるであろう。後日、あなたたちの子供が、これらの石は何を意味するのですかと尋ねるときには、

4章7節 こう答えなさい。『ヨルダン川の流れは、主の契約の箱の前でせき止められた。箱がヨルダン川を渡るとき、ヨルダン川の流れはせき止められた。これらの石は、永久にイスラエルの人々の記念となる』と。」

4章8節 イスラエルの人々はヨシュアの命じたとおりにした。主がヨシュアに告げられたように、イスラエルの人々の部族の数に合わせて、十二の石をヨルダン川の真ん中から拾い、それらを携えて行き、野営する場所に据えた。

4章9節 ヨシュアはまた、契約の箱を担いだ祭司たちが川の真ん中で足をとどめた跡に十二の石を立てたが、それは今日までそこにある。

4章10節 主がヨシュアに命じて民に告げさせたことがすべて終わるまで、箱を担いだ祭司たちはヨルダン川の真ん中に立ち止まっていた。すべてモーセがヨシュアに命じたとおりである。その間に民は急いで川を渡った。

4章11節 民が皆、渡り終わると、主の箱と祭司たちとは民の先頭に立った。

4章12節 ルベンとガドの人々、およびマナセの半部族は、モーセがかつて告げたとおり、隊伍を整え、他のイスラエルの人々の先に立ち、

4章13節 約四万の武装した軍勢が主の前を進み、戦うためエリコの平野に向かって行った。

4章14節 その日、全イスラエルの見ている前で、主がヨシュアを大いなる者とされたので、彼らはモーセを敬ったように、ヨシュアをその生涯を通じて敬った。

4章15節 主はヨシュアに言われた。

4章16節 「掟の箱を担ぐ祭司たちに命じて、ヨルダン川から上がって来させなさい。」

4章17節 ヨシュアが祭司たちに、「ヨルダン川から上がって来い」と命じ、

4章18節 主の契約の箱を担ぐ祭司たちはヨルダン川から上がり、彼らの足の裏が乾いた土を踏んだとき、ヨルダン川の流れは元どおりになり、以前のように堤を越えんばかりに流れた。

4章19節 第一の月の十日に、民はヨルダン川から上がって、エリコの町の東の境にあるギルガルに宿営した。

4章20節 ヨシュアはヨルダン川から取った十二の石をギルガルに立て、

4章21節 イスラエルの人々に告げた。「後日、あなたたちの子供が、これらの石は何を意味するのですかと尋ねるときには、

4章22節 子供たちに、イスラエルはヨルダン川の乾いたところを渡ったのだと教えねばならない。

4章23節 あなたたちの神、主は、あなたたちが渡りきるまで、あなたたちのためにヨルダンの水を涸らしてくださった。それはちょうど、我々が葦の海を渡りきるまで、あなたたちの神、主が我々のために海の水を涸らしてくださったのと同じである。

4章24節 それは、地上のすべての民が主の御手の力強いことを知るためであり、また、あなたたちが常に、あなたたちの神、主を敬うためである。」


[前 章][次 章]