黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ヨシュア記第6章

◆エリコの占領

6章1節 エリコは、イスラエルの人々の攻撃に備えて城門を堅く閉ざしたので、だれも出入りすることはできなかった。

6章2節 そのとき、主はヨシュアに言われた。「見よ、わたしはエリコとその王と勇士たちをあなたの手に渡す。

6章3節 あなたたち兵士は皆、町の周りを回りなさい。町を一周し、それを六日間続けなさい。

6章4節 七人の祭司は、それぞれ雄羊の角笛を携えて神の箱を先導しなさい。七日目には、町を七周し、祭司たちは角笛を吹き鳴らしなさい。

6章5節 彼らが雄羊の角笛を長く吹き鳴らし、その音があなたたちの耳に達したら、民は皆、鬨の声をあげなさい。町の城壁は崩れ落ちるから、民は、それぞれ、その場所から突入しなさい。」

6章6節 ヌンの子ヨシュアは、まず祭司たちを呼び集め、「契約の箱を担げ。七人は、各自雄羊の角笛を携えて主の箱を先導せよ」と命じ、

6章7節 次に民に向かって、「進め。町の周りを回れ。武装兵は主の箱の前を行け」と命じた。

6章8節 ヨシュアが民に命じ終わると、七人の祭司は、それぞれ雄羊の角笛を携え、それを吹き鳴らしながら主の前を行き、主の契約の箱はその後を進んだ。

6章9節 武装兵は、角笛を吹き鳴らす祭司たちの前衛として進み、また後衛として神の箱に従った。行進中、角笛は鳴り渡っていた。

6章10節 ヨシュアは、その他の民に対しては、「わたしが鬨の声をあげよと命じる日までは、叫んではならない。声を聞かれないようにせよ。口から言葉を発してはならない。あなたたちは、その後で鬨の声をあげるのだ」と命じた。

6章11節 彼はこうして、主の箱を担いで町を回らせ、一周させた。その後、彼らは宿営に戻り、そこで夜を過ごした。

6章12節 翌朝、ヨシュアは早く起き、祭司たちは主の箱を担ぎ、

6章13節 七人の祭司はそれぞれ雄羊の角笛を携え、それを吹き鳴らしながら主の箱の前を進んだ。武装兵は、更にその前衛として進み、また後衛として主の箱に従った。行進中、角笛は鳴り渡っていた。

6章14節 彼らは二日目も、町を一度回って宿営に戻った。同じことを、彼らは六日間繰り返したが、

6章15節 七日目は朝早く、夜明けとともに起き、同じようにして町を七度回った。町を七度回ったのはこの日だけであった。

6章16節 七度目に、祭司が角笛を吹き鳴らすと、ヨシュアは民に命じた。「鬨の声をあげよ。主はあなたたちにこの町を与えられた。

6章17節 町とその中にあるものは、ことごとく滅ぼし尽くして主にささげよ。ただし、遊女ラハブおよび彼女と一緒に家の中にいる者は皆、生かしておきなさい。我々が遣わした使いをかくまってくれたからである。

6章18節 あなたたちはただ滅ぼし尽くすべきものを欲しがらないように気をつけ、滅ぼし尽くすべきものの一部でもかすめ取ってイスラエルの宿営全体を滅ぼすような不幸を招かないようにせよ。

6章19節 金、銀、銅器、鉄器はすべて主にささげる聖なるものであるから、主の宝物倉に納めよ。」

6章20節 角笛が鳴り渡ると、民は鬨の声をあげた。民が角笛の音を聞いて、一斉に鬨の声をあげると、城壁が崩れ落ち、民はそれぞれ、その場から町に突入し、この町を占領した。

6章21節 彼らは、男も女も、若者も老人も、また牛、羊、ろばに至るまで町にあるものはことごとく剣にかけて滅ぼし尽くした。

6章22節 ヨシュアは、土地を探った二人の斥候に、「あの遊女の家に行って、あなたたちが誓ったとおり、その女と彼女に連なる者すべてをそこから連れ出せ」と命じた。

6章23節 斥候の若者たちは行って、ラハブとその父母、兄弟、彼女に連なる者すべてを連れ出し、彼女の親族をすべて連れ出してイスラエルの宿営のそばに避難させた。

6章24節 彼らはその後、町とその中のすべてのものを焼き払い、金、銀、銅器、鉄器だけを主の宝物倉に納めた。

6章25節 遊女ラハブとその一族、彼女に連なる者はすべて、ヨシュアが生かしておいたので、イスラエルの中に住んで今日に至っている。エリコを探る斥候としてヨシュアが派遣した使者を、彼女がかくまったからである。

6章26節 ヨシュアは、このとき、誓って言った。「この町エリコを再建しようとする者は/主の呪いを受ける。基礎を据えたときに長子を失い/城門を建てたときに末子を失う。」

6章27節 主がヨシュアと共におられたので、彼の名声はこの地方一帯に広まった。


[前 章][次 章]