黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳士師記第1章

◆カナンの征服

1章1節 ヨシュアの死後、イスラエルの人々は主に問うて言った。「わたしたちのうち、誰が最初に上って行って、カナン人を攻撃すべきでしょうか。」

1章2節 主は、「ユダが上れ。見よ、わたしはその地をユダの手に渡す」と言われた。

1章3節 ユダは兄弟シメオンに、「わたしに割り当てられた領土に一緒に上って、カナン人と戦ってください。あなたに割り当てられた領土にあなたが行かれるとき、わたしも一緒に行きます」と言った。シメオンはユダと同行することにした。

1章4節 こうしてユダが上って行くと、主はカナン人、ペリジ人を彼らの手に渡された。彼らはベゼクで一万の敵を撃ち破った。

1章5節 すなわち、ベゼクでアドニ・ベゼクと交戦し、カナン人とペリジ人を撃ち破った。

1章6節 アドニ・ベゼクは逃走したが、彼らはその後を追い、彼を捕らえて、手足の親指を切断した。

1章7節 アドニ・ベゼクは言った。「かつて七十人の王の手足の親指を切って、わたしの食卓の下で食べかすを拾わせたことがあったが、神はわたしが行ったとおりにわたしに仕返しされた。」彼はエルサレムに連れて行かれ、そこで死んだ。

1章8節 ユダの人々はエルサレムを攻撃し、剣をもってこれを占領、町には火を放った。

1章9節 その後、ユダの人々は下って行って、山地、ネゲブ、シェフェラに住むカナン人に戦いを挑んだ。

1章10節 ユダはヘブロンに住むカナン人をも攻めた。ヘブロンはかつてキルヤト・アルバと呼ばれていた。彼らはシェシャイ、アヒマン、タルマイを打ち殺した。

1章11節 ユダはそこからデビルの住民をも攻めた。デビルはかつてキルヤト・セフェルと呼ばれていた。

1章12節 カレブは、「キルヤト・セフェルを撃ち破って占領した者には、娘アクサを妻として与える」と約束した。

1章13節 カレブの弟ケナズの子オトニエルがそこを占領したので、カレブは彼に娘アクサを妻として与えた。

1章14節 アクサが嫁いで来ると、オトニエルは父に願って耕地をもらうように彼女を促した。彼女がろばの背から降りると、カレブは、「どうしたのか」と言った。

1章15節 彼女は言った。「お祝いをいただきたいのです。わたしにネゲブの地をくださったのですから、水溜めも添えてください。」カレブは上と下の溜池を娘に与えた。

1章16節 モーセのしゅうと、あのケニの人々は、ユダの人々と共になつめやしの町からユダの荒れ野、アラド近辺のネゲブに上って来て、そこの民と共に住んだ。

1章17節 ユダは兄弟シメオンと行を共にしてツェファトに住むカナン人を打ち、滅ぼし尽くして、その町の名をホルマ(絶滅)と呼んだ。

1章18節 ユダはガザとその領土、アシュケロンとその領土、エクロンとその領土をも占領した。

1章19節 主がユダと共におられたので、ユダは山地を獲得した。だが、平野の住民は鉄の戦車を持っていたので、これを追い出すことはできなかった。

1章20節 モーセが告げたとおり、ヘブロンはカレブに与えられ、カレブはそこからアナクの三人の子を追い出した。

1章21節 エルサレムに住むエブス人については、ベニヤミンの人々が追い出さなかったので、エブス人はベニヤミンの人々と共に今日までエルサレムに住み続けている。

1章22節 ヨセフの一族も同様にベテルに上った。主は彼らと共におられた。

1章23節 ヨセフの一族はベテルに探りを入れた。この町はかつてルズと呼ばれていた。

1章24節 見張っていた者が、町から出て来る人を見かけ、「どうすれば町に入れるか教えてください。あなたには憐れみをかけるから」と言った。

1章25節 その人が町の入り口を教えてくれたので、彼らは町を剣で討ったが、その人とその家族は皆逃がしてやった。

1章26節 その人はヘト人の地に行って町を築き、それをルズと名付けた。この町の名は今日に至るまでそう呼ばれている。

1章27節 マナセは、ベト・シェアンとその周辺の村落、タナクとその周辺の村落、ドルの住民とその周辺の村落、イブレアムの住民とその周辺の村落、メギドの住民とその周辺の村落を占領しなかった。そのためカナン人はこれらの地に住み続けた。

1章28節 イスラエルも、強くなってから、カナン人を強制労働に服させたが、徹底的に追い出すことはしなかった。

1章29節 エフライムは、ゲゼルに住むカナン人を追い出さなかったので、カナン人はその中にとどまり、ゲゼルに住み続けた。

1章30節 ゼブルンは、キトロンの住民と、ナハラルの住民を追い出さなかったので、カナン人はその中にとどまり、強制労働に服した。

1章31節 アシェルは、アコの住民、シドンの住民、マハレブ、アクジブ、ヘルバ、アフィク、レホブを占領しなかった。

1章32節 アシェルはこれらの地の住民であるカナン人を追い出さず、彼らの中に住み続けた。

1章33節 ナフタリは、ベト・シェメシュの住民、ベト・アナトの住民を追い出さず、その地の住民であるカナン人の中に住み続けた。ベト・シェメシュの住民とベト・アナトの住民は、強制労働に服した。

1章34節 アモリ人はダンの人々を山地に追い込み、平野に下りて来ることを許さなかった。

1章35節 アモリ人はヘレス山、アヤロン、シャアルビムに住み続けたが、ヨセフ一族が力を増すに及んで、ついに強制労働に服した。

1章36節 アモリ人の領土は、アクラビムの坂にあるセラから更に上にあった。


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