黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳サムエル記上第31章

◆ギルボア山での戦闘

31章1節 ペリシテ軍はイスラエルと戦い、イスラエル兵はペリシテ軍の前から逃げ去り、傷ついた兵士たちがギルボア山上で倒れた。

31章2節 ペリシテ軍はサウルとその息子たちに迫り、サウルの息子ヨナタン、アビナダブ、マルキ・シュアを討った。

31章3節 サウルに対する攻撃も激しくなり、射手たちがサウルを見つけ、サウルは彼らによって深手を負った。

31章4節 サウルは彼の武器を持つ従卒に命じた。「お前の剣を抜き、わたしを刺し殺してくれ。あの無割礼の者どもに襲われて刺し殺され、なぶりものにされたくない。」だが、従卒は非常に恐れ、そうすることができなかったので、サウルは剣を取り、その上に倒れ伏した。

31章5節 従卒はサウルが死んだのを見ると、自分も剣の上に倒れ伏してサウルと共に死んだ。

31章6節 この同じ日に、サウルとその三人の息子、従卒、更に彼の兵は皆死んだ。

31章7節 谷の向こう側と、ヨルダンの向こう側のイスラエル人は、イスラエル兵が逃げ、サウルとその息子たちが死んだのを見ると、町をことごとく捨てて逃げ去ったので、ペリシテ軍が来てそこにとどまった。

31章8節 翌日、戦死者からはぎ取ろうとやって来たペリシテ軍は、サウルとその三人の息子がギルボア山上に倒れているのを見つけた。

31章9節 彼らはサウルの首を切り落とし、武具を奪った。ペリシテ全土に使者が送られ、彼らの偶像の神殿と民に戦勝が伝えられた。

31章10節 彼らはサウルの武具をアシュトレト神殿に納め、その遺体をベト・シャンの城壁にさらした。

31章11節 ギレアドのヤベシュの住民は、ペリシテ軍のサウルに対する仕打ちを聞いた。

31章12節 戦士たちは皆立って、夜通し歩き、サウルとその息子たちの遺体をベト・シャンの城壁から取り下ろし、ヤベシュに持ち帰って火葬に付し、

31章13節 彼らの骨を拾ってヤベシュのぎょりゅうの木の下に葬り、七日間、断食した。


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