詩篇 第102篇
関根訳 | 嘆きと希望 |
なやみたる | |
口語訳 | 苦しむ者が思いくずおれてその嘆きを主のみ前に注ぎ出すときの祈 |
関根訳102篇1節 | 悩める者が絶望して、その歎きを神の前に注ぎ出したときの祈り。 |
新共同102篇1節 | 【祈り。心挫けて、主の御前に思いを注ぎ出す貧しい人の詩。】 |
熱烈なるイスラエルの愛国者が、イスラエルが俘囚の状態にある苦痛を自己の苦痛として感じ悶ゆる心を吐露しつゝも(1−12)なおエホバの憐憫と真実とを確信し、エホバはその約束に従いシオンを再建しエルサレムを恢復し(20、21節)、やがて全世界の民がエルサレムに来りてエホバを拝するに至らんことを望見する信頼の詩である(13−22)。而して最後に自己の弱気を訴え、この希望の実現を見るを得んことの希望を以てこの詩を終る(23−28)。七つの懺悔詩の一つであり、第二イザヤの思想が豊かに現れており、なお詩22、69、79篇等の思想用語に類する点多し、俘囚の末期の詩人の作と見るべきであろう。
〔1〕詩人のなやみ(1−11)
*102篇1節エホバよ、わがイスラエルの恢復をいのる
文語訳 | 102篇1節 ヱホバよわが |
口語訳 | 102篇1節 主よ、わたしの祈をお聞きください。わたしの叫びをみ前に至らせてください。 |
関根訳 | 102篇2節 ヤハヴェよ、わが祈りを聞き給え、わが叫びがみもとにとどきますように。 |
新共同 | 102篇2節 主よ、わたしの祈りを聞いてください。この叫びがあなたに届きますように。 |
*102篇2節わが
文語訳 | 102篇2節 わが |
口語訳 | 102篇2節 わたしの悩みの日にみ顔を隠すことなく、あなたの耳をわたしに傾け、わが呼ばわる日に、すみやかにお答えください。 |
関根訳 | 102篇3節 わたしが苦しんでいるときにわたしからみ顔をかくし給うな。呼び求めるときに耳をわたしに傾け、速やかに答え給え。 |
新共同 | 102篇3節 苦難がわたしを襲う日に 御顔を隠すことなく、御耳を向け あなたを呼ぶとき、急いで答えてください。 |
102篇3節(そは)わが〔もろもろの〕
文語訳 | 102篇3節 わがもろもろの |
口語訳 | 102篇3節 わたしの日は煙のように消え、わたしの骨は炉のように燃えるからです。 |
関根訳 | 102篇4節 わが日は煙のように消え、骨は火のように燃えている。 |
新共同 | 102篇4節 わたしの生涯は煙となって消え去る。骨は炉のように焼ける。 |
102篇4節わがこゝろは
文語訳 | 102篇4節 わがこゝろは |
口語訳 | 102篇4節 わたしの心は草のように撃たれて、しおれました。わたしはパンを食べることを忘れました。 |
関根訳 | 102篇5節 わが心は草のように打たれてひからびた、パンを食べるのを忘れたから。 |
新共同 | 102篇5節 打ちひしがれた心は、草のように乾く。わたしはパンを食べることすら忘れた。 |
102篇5節わが
文語訳 | 102篇5節 わが |
口語訳 | 102篇5節 わが嘆きの声によってわたしの骨はわたしの肉に着きます。 |
関根訳 | 102篇6節 わがうめきの叫びのためにわが骨は肉にかたくついた。 |
新共同 | 102篇6節 わたしは呻き 骨は肉にすがりつき |
102篇6節われは(
文語訳 | 102篇6節 われは |
口語訳 | 102篇6節 わたしは荒野のはげたかのごとく、荒れた跡のふくろうのようです。 |
関根訳 | 102篇7節 わたしは荒野のからすのようで、廃墟にいるふくろうに等しい。 |
新共同 | 102篇7節 荒れ野のみみずく 廃虚のふくろうのようになった。 |
102篇7節われ
文語訳 | 102篇7節 われ |
口語訳 | 102篇7節 わたしは眠らずに屋根にひとりいるすずめのようです。 |
関根訳 | 102篇8節 眠ることが出来ず、屋根に独りいる鳥のようなもの。 |
新共同 | 102篇8節 屋根の上にひとりいる鳥のように わたしは目覚めている。 |
102篇8節然のみならずわが
文語訳 | 102篇8節 わが |
口語訳 | 102篇8節 わたしの敵はひねもす、わたしをそしり、わたしをあざける者はわが名によってのろいます。 |
関根訳 | 102篇9節 わが敵はひねもすわたしを |
新共同 | 102篇9節 敵は絶えることなくわたしを辱め 嘲る者はわたしによって誓う。 |
102篇9節(
文語訳 | 102篇9節 われは |
口語訳 | 102篇9節 わたしは灰をパンのように食べ、わたしの飲み物に涙を交えました。 |
関根訳 | 102篇10節 わたしは灰をパンのように喰いわが飲み物に涙をまぜた、 |
新共同 | 102篇10節 わたしはパンに代えて灰を食べ 飲み物には涙を混ぜた。 |
102篇10節こは
文語訳 | 102篇10節 こは |
口語訳 | 102篇10節 これはあなたの憤りと怒りのゆえです。あなたはわたしをもたげて投げすてられました。 |
関根訳 | 102篇11節 あなたの |
新共同 | 102篇11節 あなたは怒り、憤り わたしを持ち上げて投げ出された。 |
102篇11節わが
文語訳 | 102篇11節 わが |
口語訳 | 102篇11節 わたしのよわいは夕暮の日影のようです。わたしは草のようにしおれました。 |
関根訳 | 102篇12節 わが日は夕影のようになり、わたしは草のようにひからびた。 |
新共同 | 102篇12節 わたしの生涯は移ろう影 草のように枯れて行く。 |
〔2〕エホバはシオンより世界を統治め給わん(12−22)
102篇12節我はかく日影の如く草の如くはかなけれどされどエホバよ、なんぢは
文語訳 | 102篇12節 されどヱホバよなんぢは |
口語訳 | 102篇12節 しかし主よ、あなたはとこしえにみくらに座し、そのみ名はよろず代に及びます。 |
関根訳 | 102篇13節 しかしあなたは、ヤハヴェよ、 |
新共同 | 102篇13節 主よ あなたはとこしえの王座についておられます。御名は代々にわたって唱えられます。 |
*102篇13節なんぢはそのイスラエルに対する約束に従い
文語訳 | 102篇13節 なんぢ |
口語訳 | 102篇13節 あなたは立ってシオンをあわれまれるでしょう。これはシオンを恵まれる時であり、定まった時が来たからです。 |
関根訳 | 102篇14節 あなたは立ってシオンをあわれまれる、まことにシオンに恵みを施す時が来た |
新共同 | 102篇14節 どうか、立ち上がって シオンを憐れんでください。恵みのとき、定められたときが来ました。 |
102篇14節(そは)なんぢの
文語訳 | 102篇14節 なんぢの |
口語訳 | 102篇14節 あなたのしもべはシオンの石をも喜び、そのちりをさえあわれむのです。 |
関根訳 | 102篇15節 あなたの |
新共同 | 102篇15節 あなたの僕らは、シオンの石をどれほど望み 塵をすら、どれほど慕うことでしょう。 |
102篇15節かくしてイスラエルのみならず《
文語訳 | 102篇15節 もろもろの |
口語訳 | 102篇15節 もろもろの国民は主のみ名を恐れ、地のもろもろの王はあなたの栄光を恐れるでしょう。 |
関根訳 | 102篇16節 諸国の民はヤハヴェのみ名を恐れ、地のすべての王はあなたの栄光を恐れる。 |
新共同 | 102篇16節 国々は主の御名を恐れ 地上の王は皆、その栄光におののくでしょう。 |
*102篇16節(そは)エホバは再び新にシオンを
文語訳 | 102篇16節 ヱホバはシオンをきづき |
口語訳 | 102篇16節 主はシオンを築き、その栄光をもって現れ、 |
関根訳 | 102篇17節 まことにヤハヴェはシオンを建てその栄光のうちに現われ給う。 |
新共同 | 102篇17節 主はまことにシオンを再建し 栄光のうちに顕現されます。 |
*102篇17節〔エホバは〕
文語訳 | 102篇17節 ヱホバは |
口語訳 | 102篇17節 乏しい者の祈をかえりみ、彼らの願いをかろしめられないからです。 |
関根訳 | 102篇18節 彼は棄てられた者の祈りを顧み彼らの祈りを軽しめ給わない。 |
新共同 | 102篇18節 主はすべてを喪失した者の祈りを顧み その祈りを侮られませんでした。 |
102篇18節
文語訳 | 102篇18節 |
口語訳 | 102篇18節 きたるべき代のために、この事を書きしるしましょう。そうすれば新しく造られる民は、主をほめたたえるでしょう。 |
関根訳 | 102篇19節 後の代のためにこれを記そう、新しく創られた民はヤハヴェをほめるだろう。 |
新共同 | 102篇19節 後の世代のために このことは書き記されねばならない。「主を賛美するために民は創造された。」 |
102篇19節(そは)エホバその
文語訳 | 102篇19節 ヱホバその |
口語訳 | 102篇19節 主はその聖なる高き所から見おろし、天から地を見られた。 |
関根訳 | 102篇20節 彼はその聖なる高みから見下ろし、天から地を見給う。 |
新共同 | 102篇20節 主はその聖所、高い天から見渡し 大空から地上に目を注ぎ |
102篇20節かくイスラエルを救わんとし給う所以はこは
文語訳 | 102篇20節 こは |
口語訳 | 102篇20節 これは捕われ人の嘆きを聞き、死に定められた者を解き放ち、 |
関根訳 | 102篇21節 囚われ人の歎きをきき死にわたされた者を解きはなす。 |
新共同 | 102篇21節 捕われ人の呻きに耳を傾け 死に定められていた人々を 解き放ってくださいました。 |
102篇21節またバビロンより帰れるもの及び全世界の
文語訳 | 102篇21節 |
口語訳 | 102篇21節 人々がシオンで主のみ名をあらわし、エルサレムでその誉をあらわすためです。 |
関根訳 | 102篇22節 ヤハヴェのみ名をシオンで語りその |
新共同 | 102篇22節 シオンで主の御名を唱え エルサレムで主を賛美するために |
*102篇22節かゝる
文語訳 | 102篇22節 かゝる |
口語訳 | 102篇22節 その時もろもろの民、もろもろの国はともに集まって、主に仕えるでしょう。 |
関根訳 | 102篇23節 諸国の民がともに集まり諸王国がヤハヴェに仕えようと集まるときに。 |
新共同 | 102篇23節 諸国の民はひとつに集められ 主に仕えるために すべての王国は集められます。 |
〔3〕わが齢を長からしめ給え(23−28)
102篇23節エホバはこれまでの我がなやみの為にわがちからを
文語訳 | 102篇23節 ヱホバはわがちからを |
口語訳 | 102篇23節 主はわたしの力を中途でくじき、わたしのよわいを短くされました。 |
関根訳 | 102篇24節 彼はわが力を中途で衰えさせわが日を短くされた。 |
新共同 | 102篇24節 わたしの力が道半ばで衰え 生涯が短くされようとしたとき |
102篇24節もし我今死してイスラエルの栄光を見ることを得ざるに至らば如何。
文語訳 | 102篇24節 |
口語訳 | 102篇24節 わたしは言いました、「わが神よ、どうか、わたしのよわいの半ばでわたしを取り去らないでください。あなたのよわいはよろず代に及びます」と。 |
関根訳 | 102篇25節 わたしは言った、わが神よ、わが生涯の半ばでわたしを取り去り給うな、あなたの年は幾代もつづくのに。 |
新共同 | 102篇25節 わたしは言った。「わたしの神よ、生涯の半ばで わたしを取り去らないでください。あなたの歳月は代々に続くのです。 |
102篇25節
文語訳 | 102篇25節 |
口語訳 | 102篇25節 あなたはいにしえ、地の基をすえられました。天もまたあなたのみ手のわざです。 |
関根訳 | 102篇26節 あなたは昔地の基いをおかれた、天はあなたのみ手のわざ、 |
新共同 | 102篇26節 かつてあなたは大地の基を据え 御手をもって天を造られました。 |
102篇26節これら天地の如き悠久なるものすらも凡ては
文語訳 | 102篇26節 これらは |
口語訳 | 102篇26節 これらは滅びるでしょう。しかしあなたは長らえられます。これらはみな衣のように古びるでしょう。あなたがこれらを上着のように替えられると、これらは過ぎ去ります。 |
関根訳 | 102篇27節 これらは滅びてもあなたはたちとどまる。これらはみな |
新共同 | 102篇27節 それらが滅びることはあるでしょう。しかし、あなたは永らえられます。すべては衣のように朽ち果てます。着る物のようにあなたが取り替えられると すべては替えられてしまいます。 |
102篇27節
文語訳 | 102篇27節 |
口語訳 | 102篇27節 しかしあなたは変ることなく、あなたのよわいは終ることがありません。 |
関根訳 | 102篇28節 あなたは同じ。あなたの年はつきることがない。 |
新共同 | 102篇28節 しかし、あなたが変わることはありません。あなたの歳月は終ることがありません。」 |
102篇28節かゝるエホバに望をかける
文語訳 | 102篇28節 |
口語訳 | 102篇28節 あなたのしもべの子らは安らかに住み、その子孫はあなたの前に堅く立てられるでしょう。 |
関根訳 | 102篇29節 あなたの僕らの子孫は生きつづけ、彼らの |
新共同 | 102篇29節 あなたの僕らの末は住むところを得 子孫は御前に固く立てられるでしょう。 |