黒崎幸吉著 旧約聖書略註 Web版 詩篇





詩篇 第118篇

関根訳義の門を開け


イスラエル全国民の歓喜と感謝とを表顕せる詩であって、詩人は全イスラエルを代表せる心持を以て本篇を歌っている。エホバのみが真の救主に在し、エホバに依り頼む者は救を得、イスラエルを攻むる周囲の諸国民は皆エホバの御名によりて滅ぼされ、かくしてエホバの業はあらはるゝことをうたいエホバに感謝をささげている。この詩は神殿に参詣せんとする者がその行列に於て歌えるものゝ如く、交読体の部分あり(1−18)会衆と祭司の問答の如き部分あり(19、20)会衆の感謝と礼拝との声と見得べき部分もある(21−29)。この詩の作られし時期につきては種々の憶測あり或は444年エルサレムの城壁の修復せられし時の歌となし(ネヘミヤ8章)または165年マカベウス時代に神殿が再建せられし時の歌となし、その他種々の説があるけれどもおそらく紀元前516年の第二の神の宮をさゝげし時の歌と見るべきであろう。ルターの特愛の詩であり、また22、23節等のためにイエスに対する預言の詩として用いられている。


〔1〕エホバに感謝し信頼せよ(1−9)
*118篇1節エホバに感謝(かんしや)せよ、(そは)エホバは恩惠(めぐみ)ふかく、その憐憫(あはれみ)とこしへに()ゆること《なければなり。》【なし】

文語訳118篇1節 ヱホバに感謝(かんしや)せよヱホバは恩惠(めぐみ)ふかくその隣憫(あはれみ)とこしへに()ゆることなし
口語訳118篇1節 主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。
関根訳118篇1節 ヴェに感謝せよ、げに彼は恵み深くその(あわ)れみは永遠(とこしえ)につづく。
新共同118篇1節 恵み深い主に感謝せよ。慈しみはとこしえに。


補註
106:1。107:1。136:1等皆同一の文言にして一の固定せる感謝の言葉となっている。


118篇2節*イスラエルはその歴史を顧みて(いざ)いふべし『その憐憫(あはれみ)はとこしへに()ゆることなし』と。

文語訳118篇2節 イスラエルは(いざ)いふべしその憐憫(あはれみ)はとこしへにたゆることなしと
口語訳118篇2節 イスラエルは言え、「そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」と。
関根訳118篇2節 イスラエルは言え、その憐れみは永遠につづくと。
新共同118篇2節 イスラエルは言え。慈しみはとこしえに。


補註
2の「イスラエル」、3の「アロンの家」、4の「エホバを畏るるもの」の三者を並列せる場合につきては115:9-13を見よ。


118篇3節*アロンの(いへ)なる祭司の一族を以て代表せらるゝイスラエルはいざ()ふべし『その憐憫(あはれみ)はとこしへにたゆることなし』と。

文語訳118篇3節 アロンの(いへ)はいざ()ふべし そのあはれみは永遠(とこしへ)にたゆることなしと
口語訳118篇3節 アロンの家は言え、「そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」と。
関根訳118篇3節 アロンの家は言え、その憐れみは永遠につづくと。
新共同118篇3節 アロンの家は言え。慈しみはとこしえに。


118篇4節*エホバを(おそ)るゝものなるイスラエルの民(いざ)いふべし『その憐憫(あはれみ)はとこしへにたゆることなし』と。

文語訳118篇4節 ヱホバを(おそ)るゝものは(いざ)いふべし その憐憫(あはれみ)はとこしへにたゆることなしと
口語訳118篇4節 主をおそれる者は言え、「そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」と。
関根訳118篇4節 ヴェを(おそ)れる者は言え、その憐れみは永遠につづくと。
新共同118篇4節 主を畏れる人は言え。慈しみはとこしえに。


*118篇5節われイスラエル窮迫(くるしみ)》【患難(なやみ)】のなかより《ヤハ》【エホバ】をよべば《ヤハ》【エホバ】こたへて(われ)をひろき(ところ)におきたまへり。エホバの恩恵は常にイスラエルをはなれず。

文語訳118篇5節 われ患難(なやみ)のなかよりヱホバをよべば ヱホバこたへて(われ)をひろき(ところ)におきたまへり
口語訳118篇5節 わたしが悩みのなかから主を呼ぶと、主は答えて、わたしを広い所に置かれた。
関根訳118篇5節 閉じ込められた所からわたしはヤを呼んだ。ヤはわたしに答え、わたしを自由にされた。
新共同118篇5節 苦難のはざまから主を呼び求めると 主は答えてわたしを解き放たれた。


補註
後半の直訳は「ヤハは廣き所にて我に應へたまへり」。


118篇6節エホバわが(かた)にいませば、如何なる苦難が我に臨むともわれにおそれなし、(ひと)われに(なに)をなし()んや。

文語訳118篇6節 ヱホバわが(かた)にいませばわれにおそれなし (ひと)われに(なに)をなしえんや
口語訳118篇6節 主がわたしに味方されるので、恐れることはない。人はわたしに何をなし得ようか。
関根訳118篇6節 ヴェはわが味方、わたしは恐れない。人がわたしに何をなし得よう。
新共同118篇6節 主はわたしの味方、わたしは誰を恐れよう。人間がわたしに何をなしえよう。


118篇7節エホバはわれを(たす)くるもの《どもによりて》【とともに】わがかたに(いま)す、われを助くるものはエホバが之を為さしむるなり。この(ゆゑ)にわれを(にく)むものにつきての願望(ねがひ)をわれ()ることを()ん。即ちわれを憎むもののエホバに滅ぼさるゝを見ることを得ん。

文語訳118篇7節 ヱホバはわれを(たす)くるものとともに()がかたに(いま)す この(ゆゑ)にわれを(にく)むものにつきての願望(ねがひ)をわれ()ることをえん
口語訳118篇7節 主はわたしに味方し、わたしを助けられるので、わたしを憎む者についての願いを見るであろう。
関根訳118篇7節 ヴェはわが味方、わたしを助けられる。わたしは敵を見ることができる。
新共同118篇7節 主はわたしの味方、助けとなって わたしを憎む者らを支配させてくださる。


118篇8節エホバに依頼(よりたのむ)(ひと)にたよるよりも(まさ)りてよし。

文語訳118篇8節 ヱホバに依頼(よりたの)むは(ひと)にたよるよりも(まさ)りてよし
口語訳118篇8節 主に寄り頼むは人にたよるよりも良い。
関根訳118篇8節 ヴェのもとに隠れるのは人に頼るよりよい。
新共同118篇8節 人間に頼らず、主を避けどころとしよう。


118篇9節エホバによりたのむは〔もろもろの〕(きみ)(たち)にたよるよりも(まさ)りてよし。人間もその侯たちもエホバの前には無力なり之にたよるものは恥を得るより外なからん。

文語訳118篇9節 ヱホバによりたのむはもろもろの(きみ)にたよるよりも(まさ)りてよし
口語訳118篇9節 主に寄り頼むはもろもろの君にたよるよりも良い。
関根訳118篇9節 ヴェのもとに隠れるのは力ある者に頼るよりよい。
新共同118篇9節 君侯に頼らず、主を避けどころとしよう。


〔2〕エホバは我を助けたまう(10−20)
118篇10節もろもろの《異邦(ことくに)》【國】はわれを(かこ)めり、我かれらに攻めらるれどわれエホバの御名(みな)によりて(かれ)らを(ほろぼ)さん。

文語訳118篇10節 もろもろの(くに)はわれを(かこ)めり われヱホバの(みな)によりて彼等(かれら)をほろぼさん
口語訳118篇10節 もろもろの国民はわたしを囲んだ。わたしは主のみ名によって彼らを滅ぼす。
関根訳118篇10節 すべての(やから)はわたしを囲んだ。ヤヴェの名によってげにわたしは彼らを滅ぼす。
新共同118篇10節 国々はこぞってわたしを包囲するが 主の御名によってわたしは必ず彼らを滅ぼす。


118篇11節かれらは(われ)をかこめり、(われ)をかこめり、我その中に在りて将に滅びなんとせり、されどわれはエホバによりてのみそ御名(みな)によりて(かれ)らを(ほろ)ぼさん。

文語訳118篇11節 かれらは(われ)をかこめり(われ)をかこめりヱホバの(みな)によりて彼等(かれら)をほろぼさん
口語訳118篇11節 彼らはわたしを囲んだ、わたしを囲んだ。わたしは主のみ名によって彼らを滅ぼす。
関根訳118篇11節 彼らはわたしを囲んだ、然りわたしを囲んだ。ヤヴェの名によってげにわたしは彼らを滅ぼす。
新共同118篇11節 彼らは幾重にも包囲するが 主の御名によってわたしは必ず彼らを滅ぼす。


*118篇12節かれらは(はち)のごとく(われ)をかこめり、然るにも関らず、かれらは(いばら)()のごとく(きえ)たり、われはエホバの御名(みな)によりてかれらを(ほろ)ぼさん。

文語訳118篇12節 かれらは(はち)のごとく(われ)をかこめり かれらは(いばら)()のごとく()えたり われはヱホバの(みな)によりてかれらを(ほろ)ぼさん
口語訳118篇12節 彼らは蜂のようにわたしを囲み、いばらの火のように燃えたった。わたしは主のみ名によって彼らを滅ぼす。
関根訳118篇12節 彼らは蜂のようにわたしを囲んだ。彼らは燃えつきた燈心の火のように消された。ヤヴェの名によってげにわたしは彼らを滅ぼす。
新共同118篇12節 蜂のようにわたしを包囲するが 茨が燃えるように彼らは燃え尽きる。主の御名によってわたしは必ず彼らを滅ぼす。


補註
七十人訳に「彼らは荊の中の火の如くに燃え上れり」とあり、この方が前後の関係は優っている。


118篇13節敵なる諸国よ、(なんぢ)われイスラエル(たふ)さんとしていたく()しつれど エホバわれを(たす)けたまへり。

文語訳118篇13節 (なんぢ)われを(たふ)さんとしていたく()しつれど ヱホバわれを(たす)けたまへり
口語訳118篇13節 わたしはひどく押されて倒れようとしたが、主はわたしを助けられた。
関根訳118篇13節 わたしは(はげ)しく突かれて倒れた。しかしヤヴェはわたしを助けた。
新共同118篇13節 激しく攻められて倒れそうになったわたしを 主は助けてくださった。


*118篇14節《ヤハ》【エホバ】はわが救の(ちから)わがよろこびの(うた)にしてわが(すくひ)となりたまへり(出エジプト15:2)

文語訳118篇14節 ヱホバはわが(ちから)わが(うた)にしてわが(コすくひ)となりたまへり
口語訳118篇14節 主はわが力、わが歌であって、わが救となられた。
関根訳118篇14節 はわが力、わが歌、彼はわが救いとなった。
新共同118篇14節 主はわたしの砦、わたしの歌。主はわたしの救いとなってくださった。


補註
モーセの歌を引用す。


118篇15節エホバの助に対する歡喜(よろこび)(すくひ)に与れるよろこびとの(こゑ)は、ただしきものなるイスラエル幕屋(まくや)にあり、エホバの(みぎ)御手(みて)は《(ちから)づよき(こと)》【いさましき動作】をなしたまふ。

文語訳118篇15節 歡喜(よろこび)とすくひとの(こゑ)はたゞしきものの幕屋(まくや)にあり ヱホバのみぎの(みて)はいさましき動作(はたらき)をなしたまふ
口語訳118篇15節 聞け、勝利の喜ばしい歌が正しい者の天幕にある。「主の右の手は勇ましいはたらきをなし、
関根訳118篇15節 (ただ)しき者の幕屋に救いを喜ぶ声、「ヤヴェの右の手は力ある業をなし、
新共同118篇15節 御救いを喜び歌う声が主に従う人の天幕に響く。主の右の手は御力を示す。


118篇16節エホバの(みぎ)御手(みて)(たか)くあがりて何物も之にてむかう事能わず、エホバの(みぎ)御手(みて)は《(ちから)つよき(こと)》【いさましき動作】をなしてイスラエルをその苦難より救いたまふ。

文語訳118篇16節 ヱホバのみぎの(みて)はたかくあがり ヱホバの(みぎ)(みて)はいさましき動作(はたらき)をなしたまふ
口語訳118篇16節 主の右の手は高くあがり、主の右の手は勇ましいはたらきをなす」。
関根訳118篇16節 ヴェの右の手は高くあがりヤヴェの右の手は力ある業をなす」と。
新共同118篇16節 主の右の手は高く上がり 主の右の手は御力を示す。


118篇17節われイスラエルかくしてエホバの右手に助けらるゝが故に()ぬることなからん、それゆえに(ながら)へてヤハの事跡(みわざ)をいひあらはさん。

文語訳118篇17節 われは()ぬることなからん (ながら)へてヤハの事跡(みわざ)をいひあらはさん
口語訳118篇17節 わたしは死ぬことなく、生きながらえて、主のみわざを物語るであろう。
関根訳118篇17節 わたしは死なず、生きてヤのみ業を語ろう。
新共同118篇17節 死ぬことなく、生き長らえて 主の御業を語り伝えよう。


118篇18節ヤハはいたく(われ)イスラエルをこらしめたまひしかど之は我を薫陶せんが為なるが故に我を()には(わた)したまはざりき。

文語訳118篇18節 ヤハはいたく(われ)をこらしたまひしかど()には(わた)したまはざりき
口語訳118篇18節 主はいたくわたしを懲らされたが、死にはわたされなかった。
関根訳118篇18節 はいたくわたしをこらされたが、死には渡し給わなかった。
新共同118篇18節 主はわたしを厳しく懲らしめられたが 死に渡すことはなさらなかった。


118篇19節会衆声を上げて叫びて言うわがために()(もん)なる神の宮の門をひらけ、(われ)そのうちに()りてヤハに感謝(かんしや)せん。

文語訳118篇19節 わがために()(もん)をひらけ (われ)そのうちにいりてヤハに感謝(かんしや)せん
口語訳118篇19節 わたしのために義の門を開け、わたしはその内にはいって、主に感謝しよう。
関根訳118篇19節 わがために義の門を開け!わたしはその門を入り、ヤに感謝しよう。
新共同118篇19節 正義の城門を開け わたしは入って主に感謝しよう。


118篇20節祭司内より答えて言うこはエホバの(もん)なりたゞしきものはその(うち)()るべし。義しからざるものエホバに背けるものはこの中に入るべきにあらず。

文語訳118篇20節 こはヱホバの(もん)なり たゞしきものはその(うち)にいるべし
口語訳118篇20節 これは主の門である。正しい者はその内にはいるであろう。
関根訳118篇20節 これはヤヴェの門。義しい者はその中に入れる。
新共同118篇20節 これは主の城門 主に従う人々はここを入る。


〔3〕われ汝に感謝せん(21−29)
118篇21節ここに於て神の宮に入れる会衆感謝して言うわれ(なんぢ)感謝(かんしや)せん、(そは)なんぢ(われ)が祈の声に《きゝて》【こたへて】わが(すくひ)となりたまへばなり。

文語訳118篇21節 われ(なんぢ)感謝(かんしや)せん なんぢ(われ)にこたへてわが(すくひ)となりたまへばなり
口語訳118篇21節 わたしはあなたに感謝します。あなたがわたしに答えて、わが救となられたことを。
関根訳118篇21節 わたしはあなたに感謝する、あなたはわたしに答え、わたしのために救いとなられた。
新共同118篇21節 わたしはあなたに感謝をささげる あなたは答え、救いを与えてくださった。


*118篇22節建築師(いへつくり)のすてたる(いし)ともいうべきイスラエル神之を用い給えるが故に家屋にとりて最も重要なる(すみ)首石(おやいし)となれり。

文語訳118篇22節 工師(いへつくり)のすてたる(いし)はすみの首石(おやいし)となれり
口語訳118篇22節 家造りらの捨てた石は隅のかしら石となった。
関根訳118篇22節 家造りらの()てた石が隅の首石(おやいし)となった。
新共同 118篇22節 家を建てる者の退けた石が 隅の親石となった。


補註
22、23はイエスの場合にイエスに適用せらる。


*118篇23節これ人間の力によれるにあらず全くエホバの()したまへる(こと)にして、われらの思にまされるところわれらの()にあやしとする(ところ)なり。

文語訳118篇23節 これヱホバの()したまへる(こと)にしてわれらの()にあやしとするところなり
口語訳118篇23節 これは主のなされた事でわれらの目には驚くべき事である。
関根訳118篇23節 このことはヤヴェから出たこと、われらの眼には(くす)しきことだ。
新共同118篇23節 これは主の御業 わたしたちの目には驚くべきこと。


118篇24節これエホバの(まう)けたまへる()なり、われらはこの()によろこびたのしまん。全心全霊を以て之を祝賀せん。

文語訳118篇24節 これヱホバの(まう)けたまへる()なり われらはこの()によろこびたのしまん
口語訳118篇24節 これは主が設けられた日であって、われらはこの日に喜び楽しむであろう。
関根訳118篇24節 これはヤヴェの業を果たされた日、われらはその日に喜び楽しもう。
新共同118篇24節 今日こそ主の御業の日。今日を喜び祝い、喜び躍ろう。


118篇25節エホバよ、(ねが)はくは〔われらを(いま)*(すく)ひたまへ(かし)(ホサナ、正確にはホーシアーナー)、エホバよ、ねがはくは《*われらを(いま)(さか)えしめたまヘ(かし)。

文語訳118篇25節 ヱホバよねがはくはわれらを(いま)すくひたまヘ ヱホバよねがはくは我儕(われら)をいま(さか)えしめたまへ
口語訳118篇25節 主よ、どうぞわれらをお救いください。主よ、どうぞわれらを栄えさせてください。
関根訳118篇25節 ああ、ヤヴェよ、救い給え、ああ、ヤヴェよ、(さきわ)わせ給え。
新共同118篇25節 どうか主よ、わたしたちに救いを。どうか主よ、わたしたちに栄えを。


補註
「すくひたまへかし」は原語「ホサナ」、詳しく云えばホーシアーナー。「われらを今」は意訳。


118篇26節(祭司ら答えて云う)エホバの御名(みな)によりて(きた)るものなる汝ら(さいはひ)なり、われらエホバの祭司らはエホバの(いへ)なる神の宮よりなんぢらを(しゆく)せり。

文語訳118篇26節 ヱホバの(みな)によりて(きた)るものは(さいはひ)なり われらヱホバの(いへ)よりなんぢらを(しゆく)せり
口語訳118篇26節 主のみ名によってはいる者はさいわいである。われらは主の家からあなたをたたえます。
関根訳118篇26節 ヴェのみ名によって入る者に祝福あれ。われらはヤヴェの家から君たちを祝福する。
新共同118篇26節 祝福あれ、主の御名によって来る人に。わたしたちは主の家からあなたたちを祝福する。


*118篇27節(会衆声をそろえて言う)エホバは力強き(エル)なり、暗黒の中にありしわれら《をてらし》【に光をあたへ】たまへり、(なは)をもて《いけにへをつなぎて祭壇(さいだん)(つの)にいたれ。》【祭壇の角にいけにへをつなげ】かくしてそこにいけにえの血をさゝげよ

文語訳118篇27節 ヱホバは(かみ)なり われらに(ひかり)をあたへたまへり (なは)をもて祭壇(さいだん)(つの)にいけにへをつなげ
口語訳118篇27節 主は神であって、われらを照された。枝を携えて祭の行列を祭壇の角にまで進ませよ。
関根訳118篇27節 神、ヤヴェはわれらを照らされる。葉のついた枝で宮をおおい祭壇の(つの)を飾れ。
新共同118篇27節 主こそ神、わたしたちに光をお与えになる方。祭壇の角のところまで 祭りのいけにえを綱でひいて行け。


補註
後半の意味不明にして種々の訳あり。祭壇の角にいけにえをつなぐことは有り得ざることであり又文法上もかく解し難き故私訳の如くに変更した。いけにえをさゝぐることを強調せる形容句と見る。


118篇28節なんぢはわが(エル)なり、(われ)なんぢに感謝(かんしや)せん、《わが(かみ)よ、》【なんぢはわが神なり】(われ)なんぢを(あが)めまつらん。 感謝と讃美のみ我らの為すべき事ぞかし。

文語訳118篇28節 なんぢはわが(かみ)なり(われ)なんぢに感謝(かんしや)せん なんぢはわが(かみ)なり(われ)なんぢを(あが)めまつらん
口語訳118篇28節 あなたはわが神、わたしはあなたに感謝します。あなたはわが神、わたしはあなたをあがめます。
関根訳118篇28節 あなたはわが神、わたしはあなたに感謝する。わが神よ、わたしはあなたをあがめる。
新共同118篇28節 あなたはわたしの神、あなたに感謝をささげる。わたしの神よ、あなたをあがめる。


*118篇29節エホバに感謝(かんしや)せよ、(そは)エホバは恩惠(めぐみ)ふかく、その憐憫(あはれみ)とこしへに()ゆること《なければなり。》【なし】

文語訳118篇29節 ヱホバにかんしやせよ ヱホバは恩惠(めぐみ)ふかくその憐憫(あはれみ)とこしへに()ゆることなし
口語訳118篇29節 主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。
関根訳118篇29節 ヴェに感謝せよ、げに彼は恵み深くその憐れみは永遠につづく。
新共同118篇29節 恵み深い主に感謝せよ。慈しみはとこしえに。


補註
29は第一節を反覆す。