詩篇 第139篇
関根訳 | 創造者の全知と遍在 |
口語訳 | 聖歌隊の指揮者によってうたわせたダビデの歌 |
神の全智(1−6)遍在(7−12)全能(13−18)を歌える詩であって、而もこれを冷やかなる神学論や思索としてではなく、我らと神との間の最も親しき交りにおいてこれを歌っているのが本篇の特徴である。神との霊交の親密なる状態を記述せる意味において本篇は全詩篇中の白眉であるともいうことができる。而して19節以下においてはかゝる神に祈りて仇より救われ、自らを潔められんことを願っている。七十人訳およびある種の写本には「ダビデ及びゼカリヤのうた」との表題あり、用語のアラム語的なる点より見ても素よりダビデの作ではない。
〔1〕全智の神(1−6)
139篇1節エホバよ、なんぢは
文語訳 | 139篇1節 ヱホバよなんぢは |
口語訳 | 139篇1節 主よ、あなたはわたしを探り、わたしを知りつくされました。 |
関根訳 | 139篇1節 聖歌隊の指揮者に、ダビデの歌。ヤハヴェよ、あなたはわたしを探り、わたしを認知された。 |
新共同 | 139篇1節 【指揮者によって。ダビデの詩。賛歌。】主よ、あなたはわたしを究め わたしを知っておられる。 |
139篇2節なんぢはわが
文語訳 | 139篇2節 なんぢはわが |
口語訳 | 139篇2節 あなたはわがすわるをも、立つをも知り、遠くからわが思いをわきまえられます。 |
関根訳 | 139篇2節 あなたはわたしの坐るをも立つをも知り、遠くからわたしの図る所をよく知られる。 |
新共同 | 139篇2節 座るのも立つのも知り 遠くからわたしの計らいを悟っておられる。 |
139篇3節なんぢはわが
文語訳 | 139篇3節 なんぢはわが |
口語訳 | 139篇3節 あなたはわが歩むをも、伏すをも探り出し、わがもろもろの道をことごとく知っておられます。 |
関根訳 | 139篇3節 あなたはわたしの歩むをも休むをもわきまえ悟りわがすべての道を熟知し給う。 |
新共同 | 139篇3節 歩くのも伏すのも見分け わたしの道にことごとく通じておられる。 |
139篇4節そはわが
文語訳 | 139篇4節 そはわが |
口語訳 | 139篇4節 わたしの舌に一言もないのに、主よ、あなたはことごとくそれを知られます。 |
関根訳 | 139篇4節 まことにわたしの唇から一言でも |
新共同 | 139篇4節 わたしの舌がまだひと言も語らぬさきに 主よ、あなたはすべてを知っておられる。 |
139篇5節なんぢ
文語訳 | 139篇5節 なんぢは |
口語訳 | 139篇5節 あなたは後から、前からわたしを囲み、わたしの上にみ手をおかれます。 |
関根訳 | 139篇5節 うしろと前からあなたはわたしを囲み、わが上にみ |
新共同 | 139篇5節 前からも後ろからもわたしを囲み 御手をわたしの上に置いていてくださる。 |
139篇6節以上に述べし如きかゝる
文語訳 | 139篇6節 かゝる |
口語訳 | 139篇6節 このような知識はあまりに不思議で、わたしには思いも及びません。これは高くて達することはできません。 |
関根訳 | 139篇6節 このような知識はわたしには余りにくすしく高きに過ぎて |
新共同 | 139篇6節 その驚くべき知識はわたしを超え あまりにも高くて到達できない。 |
〔2〕神は遍く在し給う(7−12)
139篇7節
文語訳 | 139篇7節 |
口語訳 | 139篇7節 わたしはどこへ行って、あなたのみたまを離れましょうか。わたしはどこへ行って、あなたのみ前をのがれましょうか。 |
関根訳 | 139篇7節 わたしは何処へ行ったらあなたのみ |
新共同 | 139篇7節 どこに行けば あなたの霊から離れることができよう。どこに逃れれば、御顔を避けることができよう。 |
139篇8節われ
文語訳 | 139篇8節 われ |
口語訳 | 139篇8節 わたしが天にのぼっても、あなたはそこにおられます。わたしが陰府に床を設けても、あなたはそこにおられます。 |
関根訳 | 139篇8節 わたしが天に昇ってもあなたはそこに在し、 |
新共同 | 139篇8節 天に登ろうとも、あなたはそこにいまし 陰府に身を横たえようとも 見よ、あなたはそこにいます。 |
139篇9節われあけぼのの
文語訳 | 139篇9節 |
口語訳 | 139篇9節 わたしがあけぼのの翼をかって海のはてに住んでも、 |
関根訳 | 139篇9節 わたしが |
新共同 | 139篇9節 曙の翼を駆って海のかなたに行き着こうとも |
139篇10節
文語訳 | 139篇10節 かしこにて |
口語訳 | 139篇10節 あなたのみ手はその所でわたしを導き、あなたの右のみ手はわたしをささえられます。 |
関根訳 | 139篇10節 あなたのみ手はそこでわたしをつかまえ、右のみ手はわたしを捕えるであろう。 |
新共同 | 139篇10節 あなたはそこにもいまし 御手をもってわたしを導き 右の御手をもってわたしをとらえてくださる。 |
139篇11節
文語訳 | 139篇11節 |
口語訳 | 139篇11節 「やみはわたしをおおい、わたしを囲む光は夜となれ」とわたしが言っても、 |
関根訳 | 139篇11節 暗闇だけがわたしを囲みわがまわりの光が夜になれとわたしが言っても |
新共同 | 139篇11節 わたしは言う。「闇の中でも主はわたしを見ておられる。夜も光がわたしを照らし出す。」 |
139篇12節《*
文語訳 | 139篇12節 |
口語訳 | 139篇12節 あなたには、やみも暗くはなく、夜も昼のように輝きます。あなたには、やみも光も異なることはありません。 |
関根訳 | 139篇12節 あなたのみ前には暗闇も暗闇ではなく、夜も昼のように明るい。 |
新共同 | 139篇12節 闇もあなたに比べれば闇とは言えない。夜も昼も共に光を放ち 闇も、光も、変わるところがない。 |
〔3〕全能の神(13−18)
139篇13節
文語訳 | 139篇13節 |
口語訳 | 139篇13節 あなたはわが内臓をつくり、わが母の胎内でわたしを組み立てられました。 |
関根訳 | 139篇13節 まことにあなたはわが |
新共同 | 139篇13節 あなたは、わたしの内臓を造り 母の胎内にわたしを組み立ててくださった。 |
139篇14節われなんぢに
文語訳 | 139篇14節 われなんぢに |
口語訳 | 139篇14節 わたしはあなたをほめたたえます。あなたは恐るべく、くすしき方だからです。あなたのみわざはくすしく、あなたは最もよくわたしを知っておられます。 |
関根訳 | 139篇14節 わたしはあなたを |
新共同 | 139篇14節 わたしはあなたに感謝をささげる。わたしは恐ろしい力によって 驚くべきものに造り上げられている。御業がどんなに驚くべきものか わたしの魂はよく知っている。 |
139篇15節われは母の胎内の
文語訳 | 139篇15節 われ |
口語訳 | 139篇15節 わたしが隠れた所で造られ、地の深い所でつづり合わされたとき、わたしの骨はあなたに隠れることがなかった。 |
関根訳 | 139篇15節 わたしが隠れた所で作られ地の底で妙につくられた時、わが骨のあなたに知られないものはなかった。 |
新共同 | 139篇15節 秘められたところでわたしは造られ 深い地の底で織りなされた。あなたには、わたしの骨も隠されてはいない。 |
*139篇16節《
文語訳 | 139篇16節 わが |
口語訳 | 139篇16節 あなたの目は、まだできあがらないわたしのからだを見られた。わたしのためにつくられたわがよわいの日のまだ一日もなかったとき、その日はことごとくあなたの書にしるされた。 |
関根訳 | 139篇16節 あなたのみ眼はわが生涯を見渡されそれらはみなあなたの |
新共同 | 139篇16節 胎児であったわたしをあなたの目は見ておられた。わたしの日々はあなたの書にすべて記されている まだその一日も造られないうちから。 |
139篇17節
文語訳 | 139篇17節 |
口語訳 | 139篇17節 神よ、あなたのもろもろのみ思いは、なんとわたしに尊いことでしょう。その全体はなんと広大なことでしょう。 |
関根訳 | 139篇17節 神よ、あなたのみ想いはわたしにいかに貴く、いかに数えがたく多いことか。 |
新共同 | 139篇17節 あなたの御計らいは わたしにとっていかに貴いことか。神よ、いかにそれは数多いことか。 |
139篇18節われこれを
文語訳 | 139篇18節 |
口語訳 | 139篇18節 わたしがこれを数えようとすれば、その数は砂よりも多い。わたしが目ざめるとき、わたしはなおあなたと共にいます。 |
関根訳 | 139篇18節 それをわたしが数えようとしても砂よりも多いのです。わたしが終わりだと思う時もあなたはなお共にい給う。 |
新共同 | 139篇18節 数えようとしても、砂の粒より多く その果てを極めたと思っても わたしはなお、あなたの中にいる。 |
〔4〕神よ我を救い我をきよめたまえ(19−24)
139篇19節
文語訳 | 139篇19節 |
口語訳 | 139篇19節 神よ、どうか悪しき者を殺してください。血を流す者をわたしから離れ去らせてください。 |
関根訳 | 139篇19節 神よ、あなたが悪人を殺し給うように。地を流す者はわたしを離れよ。 |
新共同 | 139篇19節 どうか神よ、逆らう者を打ち滅ぼしてください。わたしを離れよ、流血を謀る者。 |
139篇20節かれらはあしき
文語訳 | 139篇20節 かれらはあしき |
口語訳 | 139篇20節 彼らは敵意をもってあなたをあなどり、あなたに逆らって高ぶり、悪を行う人々です。 |
関根訳 | 139篇20節 彼らは偶像を見、眼を上げて並べられた像を見つめる。 |
新共同 | 139篇20節 たくらみをもって御名を唱え あなたの町々をむなしくしてしまう者。 |
139篇21節エホバよ、われは
文語訳 | 139篇21節 ヱホバよ われは |
口語訳 | 139篇21節 主よ、わたしはあなたを憎む者を憎み、あなたに逆らって起り立つ者をいとうではありませんか。 |
関根訳 | 139篇21節 ヤハヴェよ、わたしはあなたを憎む者を憎み、あなたを嫌う者を嫌うのではないか。 |
新共同 | 139篇21節 主よ、あなたを憎む者をわたしも憎み あなたに立ち向かう者を忌むべきものとし |
139篇22節而してわれいたく
文語訳 | 139篇22節 われ |
口語訳 | 139篇22節 わたしは全く彼らを憎み、彼らをわたしの敵と思います。 |
関根訳 | 139篇22節 わたしははなはだしい憎悪をもって彼らを憎み彼らをわたしの敵とするのです。 |
新共同 | 139篇22節 激しい憎しみをもって彼らを憎み 彼らをわたしの敵とします。 |
139篇23節
文語訳 | 139篇23節 |
口語訳 | 139篇23節 神よ、どうか、わたしを探って、わが心を知り、わたしを試みて、わがもろもろの思いを知ってください。 |
関根訳 | 139篇23節 神よ、わたしを探り、わが心を認知して下さい。わたしを |
新共同 | 139篇23節 神よ、わたしを究め わたしの心を知ってください。わたしを試し、悩みを知ってください。 |
139篇24節ねがはくは
文語訳 | 139篇24節 ねがはくは |
口語訳 | 139篇24節 わたしに悪しき道のあるかないかを見て、わたしをとこしえの道に導いてください。 |
関根訳 | 139篇24節 わがうちに偶像の道があるか否かを見、わたしを永遠の道に導いて下さい。 |
新共同 | 139篇24節 御覧ください わたしの内に迷いの道があるかどうかを。どうか、わたしを とこしえの道に導いてください。 |