詩篇 第144篇
関根訳 | 王と民 |
ダビデのうた | |
口語訳 | ダビデの歌 |
本篇は12−15節を除いて全部第18、8、39、102、104、69、12、33の諸篇よりの引用であって、これをつなぎ合せて作れるモザイック的詩篇である。12−15節も或は他の失われし詩篇よりの引用であるかも知れずと見るべきである。エホバの讃美(1−2)、エホバの救に対する祈願(3−11)、エホバの民の幸福(12−15)がその内容をなす。内容はやや疎雑にして思想の連絡不良なり、素よりダビデの作にあらずといえども2a、10b等はダビデの生涯を連想せしむ。
〔1〕エホバは讃むべきかな(1−2)
144篇1節神に敵する仇に対して
文語訳 | 144篇1節 |
口語訳 | 144篇1節 わが岩なる主はほむべきかな。主は、いくさすることをわが手に教え、戦うことをわが指に教えられます。 |
関根訳 | 144篇1節 ダビデによる。わが岩、ヤハヴェはほむべきかな。彼はわが手に |
新共同 | 144篇1節 【ダビデの詩。】主をたたえよ、わたしの岩を わたしの手に闘うすべを 指に戦するすべを教えてくださる方を |
144篇2節エホバはわが《*
文語訳 | 144篇2節 ヱホバはわが |
口語訳 | 144篇2節 主はわが岩、わが城、わが高きやぐら、わが救主、わが盾、わが寄り頼む者です。主はもろもろの民をおのれに従わせられます。 |
関根訳 | 144篇2節 わが力、わが |
新共同 | 144篇2節 わたしの支え、わたしの砦、砦の塔 わたしの逃れ場、わたしの盾、避けどころ 諸国の民をわたしに服従させてくださる方を。 |
〔2〕エホバよ弱きわれを救いたまえ(3−11)
144篇3節 エホバよ、
文語訳 | 144篇3節 ヱホバよ |
口語訳 | 144篇3節 主よ、人は何ものなので、あなたはこれをかえりみ、人の子は何ものなので、これをみこころに、とめられるのですか。 |
関根訳 | 144篇3節 ヤハヴェよ、人は何なのであなたはこれを顧み、人の子は何なのであなたはこれに思いをかけ給うか。 |
新共同 | 144篇3節 主よ、人間とは何ものなのでしょう あなたがこれに親しまれるとは。人の子とは何ものなのでしょう あなたが思いやってくださるとは。 |
144篇4節
文語訳 | 144篇4節 |
口語訳 | 144篇4節 人は息にひとしく、その日は過ぎゆく影にひとしいのです。 |
関根訳 | 144篇4節 人はいきにひとしくその日は影のように過ぎ去る。 |
新共同 | 144篇4節 人間は息にも似たもの 彼の日々は消え去る影。 |
144篇5節エホバよ、ねがはくは
文語訳 | 144篇5節 ヱホバよねがはくはなんぢの |
口語訳 | 144篇5節 主よ、あなたの天を垂れてくだり、山に触れて煙を出させてください。 |
関根訳 | 144篇5節 ヤハヴェよ、あなたの天を傾けて降りてきて下さい。山々にふれ、煙を出させて下さい。 |
新共同 | 144篇5節 主よ、天を傾けて降り 山々に触れ、これに煙を上げさせてください。 |
144篇6節
文語訳 | 144篇6節 |
口語訳 | 144篇6節 いなずまを放って彼らを散らし、矢を放って彼らを打ち敗ってください。 |
関根訳 | 144篇6節 いなずまをはなって彼らを散らし矢を射て彼らを混乱させて下さい。 |
新共同 | 144篇6節 飛び交う稲妻 うなりを上げる矢を放ってください。 |
144篇7節
文語訳 | 144篇7節 |
口語訳 | 144篇7節 高い所からみ手を伸べて、わたしを救い、大水から、異邦人の手からわたしを助け出してください。 |
関根訳 | 144篇7節 高い所からみ手を伸ばしてわたしを救い大水からわたしを助けて下さい。(外国人の手から) |
新共同 | 144篇7節 高い天から御手を遣わしてわたしを解き放ち 大水から、異邦人の手から助け出してください。 |
144篇8節かれらの
文語訳 | 144篇8節 かれらの |
口語訳 | 144篇8節 彼らの口は偽りを言い、その右の手は偽りの右の手です。 |
関根訳 | 144篇8節 彼らの口は偽りをかたり、その右手は虚偽の右手です。 |
新共同 | 144篇8節 彼らの口はむなしいことを語り 彼らの右の手は欺きを行う右の手です。 |
144篇9節*
文語訳 | 144篇9節 |
口語訳 | 144篇9節 神よ、わたしは新しい歌をあなたにむかって歌い、十弦の立琴にあわせてあなたをほめ歌います。 |
関根訳 | 144篇9節 神よ、わたしはあなたに向かって新しい歌を歌いましょう。十絃の琴をあなたのために奏でましょう。 |
新共同 | 144篇9節 神よ、あなたに向かって新しい歌をうたい 十弦の琴をもってほめ歌をうたいます。 |
144篇10節その故はなんぢはイスラエルの
文語訳 | 144篇10節 なんぢは |
口語訳 | 144篇10節 あなたは王たちに勝利を与え、そのしもべダビデを救われます。 |
関根訳 | 144篇10節 王たちに助けを与え、その |
新共同 | 144篇10節 あなたは王たちを救い 僕ダビデを災いの剣から解き放ってくださいます。 |
144篇11節ねがはくは
文語訳 | 144篇11節 ねがはくは |
口語訳 | 144篇11節 わたしを残忍なつるぎから救い、異邦人の手から助け出してください。彼らの口は偽りを言い、その右の手は偽りの右の手です。 |
関根訳 | 144篇11節 わたしを救い、外国人の手からわたしを助け出してください。彼らの口は偽りを語りその右手は虚偽の右手です。) |
新共同 | 144篇11節 わたしを解き放ち 異邦人の手から助け出してください。彼らの口はむなしいことを語り 彼らの右の手は欺きを行う右の手です。 |
〔3〕神の民の繁栄(12−15)
*144篇12節われらの
文語訳 | 144篇12節 われらの |
口語訳 | 144篇12節 われらのむすこたちはその若い時、よく育った草木のようです。われらの娘たちは宮の建物のために刻まれたすみの柱のようです。 |
関根訳 | 144篇12節 どうかわれらの |
新共同 | 144篇12節 わたしたちの息子は皆 幼いときから大事に育てられた苗木。娘は皆、宮殿の飾りにも似た 色とりどりの彫り物。 |
144篇13節われらの
文語訳 | 144篇13節 われらの |
口語訳 | 144篇13節 われらの倉は満ちて様々の物を備え、われらの羊は野でちよろずの子を産み、 |
関根訳 | 144篇13節 われらの倉は満たされあらゆる食物があふれわれらの群は千倍にもふえまし野にあって万倍にもふえますように。 |
新共同 | 144篇13節 わたしたちの倉は さまざまな穀物で満たされている。羊の群れは野に、幾千幾万を数え |
144篇14節われらの
文語訳 | 144篇14節 われらの |
口語訳 | 144篇14節 われらの家畜はみごもって子を産むに誤ることなく、われらのちまたには悩みの叫びがありません。 |
関根訳 | 144篇14節 われらの牛は肥えふとり子を生んでしくじることがなく |
新共同 | 144篇14節 牛はすべて、肥えている。わたしたちの都の広場には 破れも捕囚も叫び声もない。 |
144篇15節かゝる
文語訳 | 144篇15節 かゝる |
口語訳 | 144篇15節 このような祝福をもつ民はさいわいです。主をおのが神とする民はさいわいです。 |
関根訳 | 144篇15節 このようにされる民に幸あれ、ヤハヴェを神とする民に幸あれ。 |
新共同 | 144篇15節 いかに幸いなことか、このような民は。いかに幸いなことか 主を神といただく民は。 |