黒崎幸吉著 旧約聖書略註 Web版 詩篇





詩篇 第25篇

関根訳神を畏れる者
新共同(アルファベットによる詩)

文語訳( )ダビデのうた
口語訳ダビデの歌

ヘブル語のイロハ歌の一つで、二句ごとに(一節ごとに)アルファベットの頭字を含む文字を句の首に置く(ただし本篇においては第34篇と同様二三の不完全なる場合を含む)。内容は極めて一般的にして個人的色彩少くまた歴史上の事件を背景とするものではない。また強いてイロハの頭文字を揃えんとせるためか力に乏しい。思想は箴言のそれに類似全篇に統一せる中心思想はなく唯祈祷に始まり(1−7)祈祷に終り(16−22)、中間にエホバの属性とその御業とをのぶ(8−15)。


〔1〕我が信頼に対し勝利と正義と罪の赦とを与え給え(1−7)
25篇1節א(アれフ))ああエホバよ、わがたましひは虚しきものを望まずして(24:4)ただ(なんぢ)*あふぎ(のぞ)む。

文語訳25篇1節 あゝヱホバよ わがたましひは(なんぢ)をあふぎ(のぞ)
口語訳25篇1節 主よ、わが魂はあなたを仰ぎ望みます。
関根訳25篇1節 ダビデによる。あなたに向かって、ヤヴェよ、わたしはわが魂をもたげる。
新共同25篇1節 【ダビデの詩。】主よ、わたしの魂はあなたを仰ぎ望み


補註
「あふぎ望む」は直訳「わがたましひを汝に向く」。


25篇2節*ב(べーと))わが(かみ)よ、われ多くの仇の中にありて唯なんぢに依ョ(よりたの)めり、ねがはくは仇の我を謗ることによりてわれに(はぢ)をおはしめたまふなかれ、我が弱きを棄て置き給うことによりてわが(あた)のわれに勝誇(かちほこ)ることなからしめたまへ。

文語訳25篇2節 わが(かみ)よわれなんぢに依ョ(よりたの)めり ねがはくはわれに(はぢ)をおはしめたまふなかれ わが(あた)のわれに勝誇(かちほこ)ることなからしめたまへ
口語訳25篇2節 わが神よ、わたしはあなたに信頼します。どうか、わたしをはずかしめず、わたしの敵を勝ち誇らせないでください。
関根訳25篇2節 わが神よ、わたしはあなたに依り頼む。わが敵がわたしに勝ち誇り、わたしが恥をこうむることのないようにして下さい。
新共同25篇2節 わたしの神よ、あなたに依り頼みます。どうか、わたしが恥を受けることのないように 敵が誇ることのないようにしてください。


補註
頭文字「べーと」を欠く、第一文字と第二文字との位置を交換すればこの欠点を除くことを得。


25篇3節ג(ギメる)()になんぢを俟望(まちのぞ)むものは汝これを護り給うが故にはぢしめられず、(ゆゑ)なくして(まこと)をうしなふごとき不信の態度を取るものは(はぢ)をうけん。

文語訳25篇3節 ()になんぢを俟望(まちのぞ)むものははぢしめられず (ゆゑ)なくして(まこと)をうしなふものは(はぢ)をうけん
口語訳25篇3節 すべてあなたを待ち望む者をはずかしめず、みだりに信義にそむく者をはずかしめてください。
関根訳25篇3節 あなたに依り頼む何人も恥をこうむることはない。故なくあなたに背く者こそ恥をうけるのです。
新共同25篇3節 あなたに望みをおく者はだれも 決して恥を受けることはありません。いたずらに人を欺く者が恥を受けるのです。


25篇4節ד(ダれと))エホバよ、(なんぢ)歩み給うみち、したがって我もまたこれに倣いて歩むべき大路(おほぢ)(われ)に《()らしめ》【しめし】なんぢの行き給う(みち)をわれにをしへて我をして汝の徑を歩ましめたまへ。

文語訳25篇4節 ヱホバよなんぢの大路(おほぢ)をわれにしめし なんぢの(みち)をわれにをしへたまへ
口語訳25篇4節 主よ、あなたの大路をわたしに知らせ、あなたの道をわたしに教えてください。
関根訳25篇4節 あなたの道をヤヴェよ、わたしに知らせあなたの大路(おおじ)をわたしに教えて下さい。
新共同25篇4節 主よ、あなたの道をわたしに示し あなたに従う道を教えてください。


25篇5節ה(へー)(われ)を(して)(なんぢ)眞理(まこと)に《(あゆ)ましめ》【みちびき】汝の律法の示すがままに行わしめ、またその真理につきて(われ)ををしへたまへ、(そは)なんぢはわがすくひの(かみ)《にして》【なり】われ終日(ひねもす)なんぢを《待望(まちのぞ)めばなり。》【俟望む】汝は汝の律法を守り、汝を俟望む者に汝の救を与え給うならん。

文語訳25篇5節 (われ)をなんぢの眞理(まこと)にみちびき(われ)ををしへたまへ (なんぢ)はわがすくひの(かみ)なり われ終日(ひねもす)なんぢを俟望(まちのぞ)
口語訳25篇5節 あなたのまことをもって、わたしを導き、わたしを教えてください。あなたはわが救の神です。わたしはひねもすあなたを待ち望みます。
関根訳25篇5節 わたしをあなたの真実(まこと)に歩ませ、教えて下さい。あなたこそわが救いの神なのです。わたしは日々あなたを待ち望みます。
新共同25篇5節 あなたのまことにわたしを導いてください。教えてください あなたはわたしを救ってくださる神。絶えることなくあなたに望みをおいています。


*25篇6節ז(ザイン))《エホバよ、(なんぢ)のあはれみと仁慈(いつくしみ)とを(おも)ひいだしこれをもって我らに蒙らせたまへ、そはいにしへより()えざりければなり。》【なんぢのあはれみと仁慈とはいにしへより絶えずあり、エホバよこれを思ひいだしたまへ】汝は今も変わることなくあわれみといつくしみとの神に在し給う。

文語訳25篇6節 なんぢのあはれみと仁慈(いつくしみ)とはいにしへより()えずあり ヱホバよこれを(おも)ひいだしたまへ
口語訳25篇6節 主よ、あなたのあわれみと、いつくしみとを思い出してください。これはいにしえから絶えることがなかったのです。
関根訳25篇6節 ヴェよ、あなたの憐れみを想い出して下さい、またあなたの恵みを、それらは大昔からのもの。
新共同25篇6節 主よ思い起こしてください あなたのとこしえの憐れみと慈しみを。


補註
本節に(ワウ)を欠くが故に前節を中断してこれに次節の一部を加えて(ワウ)を冠らしむることができる。


25篇7節ח(へと)されどわが(わか)きときに若気の軽率さとその肉の慾とのために犯せるもろもろ(つみ)とわが(とが)とはおもひいでたまふなかれ、もしこれを思い出でたまわば我は何処にか立たん。エホバよ、(なんぢ)のめぐみのゆゑに我が凡ての罪咎を忘れなんぢの仁慈(いつくしみ)にしたがひて(われ)をおもひいでたまへ。かくして汝、我が凡ての罪を赦し、我をして汝の聖前に立つことを得しめたまえ。

文語訳25篇7節 わがわかきときの(つみ)とわが(とが)とはおもひいでたまふなかれ ヱホバよ(なんぢ)のめぐみの(ゆゑ)になんぢの仁慈(いつくしみ)にしたがひて(われ)をおもひいでたまへ
口語訳25篇7節 わたしの若き時の罪と、とがとを思い出さないでください。主よ、あなたの恵みのゆえに、あなたのいつくしみにしたがって、わたしを思い出してください。
関根訳25篇7節 わたしの若い時の罪と罪科(とが)とを想い出さないで下さい。あなたの恵みに従って、あなたのいつくしみの故にヤヴェよ、わたしを顧みて下さい。
新共同25篇7節 わたしの若いときの罪と背きは思い起こさず 慈しみ深く、御恵みのために 主よ、わたしを御心に留めてください。


〔2〕エホバの本質と彼を畏るる者への態度(8−15)
25篇8節ט(テと))エホバはめぐみ(ふか)くして我らの罪を赦し、(なほ)くましませば我らにその義を与え給えり、(かか)るが(ゆゑ)我らのごとき罪人(つみびと)らにその罪を遁れて正しく歩むべき(みち)ををしへ、》【道をつみびとにをしへ】

文語訳25篇8節 ヱホバはめぐみ(ふか)くして(なほ)くましませり (かか)るがゆゑに(みち)をつみびとにをしへ
口語訳25篇8節 主は恵みふかく、かつ正しくいらせられる。それゆえ、主は道を罪びとに教え、
関根訳25篇8節 ヴェは恵みにとみ、正しくいます。それ故罪人に道を教えられる。
新共同25篇8節 主は恵み深く正しくいまし 罪人に道を示してくださいます。


25篇9節י(ヨど)*(へりくだ)りて心柔和なるものを《(ただ)しき判断(はんだん)》【ただしき】にみちびき〔たまはん、〕その弱さを力づけ給い、その(みち)(へりくだ)りて柔和な(もの)に《(をし)へ》【示し】てその行くべき方を示したまはん。

文語訳25篇9節 (へりくだ)るものを正義(ただしき)にみちびきたまはん その(みち)をへりくだる(もの)にしめしたまはん
口語訳25篇9節 へりくだる者を公義に導き、へりくだる者にその道を教えられる。
関根訳25篇9節 (へりくだ)る者を義に歩ませ、謙る者にその道を教えられる。
新共同25篇9節 裁きをして貧しい人を導き 主の道を貧しい人に教えてくださいます。


補註
「謙り」は同時に「柔和」の意味をも含む文字。


25篇10節כ(カふ))エホバの《(すべ)ての》【もろもろの】(みち)たとい人間にとりてあまりに神聖にして近づき難く見ゆることありともイスラエルの先祖たちに与え給いしその*契約(けいやく)モーセその他に与え給いしその證詞(あかし)なるもろもろの律法とをまもるものにはかえって大なる仁慈(いつくしみ)なり、眞理(まこと)なり。この道を守って我らはみな感謝に生きることができる。

文語訳25篇10節 ヱホバのもろもろの(みち)はそのけいやくと證詞(あかし)とをまもるものには仁慈(いつくしみ)なり眞理(まこと)なり
口語訳25篇10節 主のすべての道はその契約とあかしとを守る者にはいつくしみであり、まことである。
関根訳25篇10節 ヴェよ、あなたの大路はみな、その契約と証言(あかし)を守る者には恵みと真実(まこと)
新共同25篇10節 その契約と定めを守る人にとって 主の道はすべて、慈しみとまこと。


補註
「契約」創世17:2以下。出エジプト19:5。24:7、8。


25篇11節ל(らメど)われは罪深くしてわが不義(ふぎ)はおほい《なれば》【なり】我汝の聖前に立つこと能わず、エホバよ、御名(みな)のために汝の大なるあわれみによりて(これ)をゆるしたまへ。

文語訳25篇11節 わが不義(ふぎ)はおほいなり ヱホバよ(みな)のために(これ)をゆるしたまへ
口語訳25篇11節 主よ、み名のために、わたしの罪をおゆるしください。わたしの罪は大きいのです。
関根訳25篇11節 あなたのみ名の故に、ヤヴェよ、わが罪を赦して下さい、わが罪は大きいから。
新共同25篇11節 主よ、あなたの御名のために 罪深いわたしをお赦しください。


25篇12節מ(メム))エホバをおそるる(もの)はたれなるか、誰にもあれエホバは(これ)にその*えらぶべき(みち)をしめし彼を正しく歩ましめ(たま)はん。

文語訳25篇12節 ヱホバをおそるゝ(もの)はたれなるか (これ)にそのえらぶべき(みち)をしめしたまはん
口語訳25篇12節 主を恐れる人はだれか。主はその選ぶべき道をその人に教えられる。
関根訳25篇12節 ヴェを畏れる、その人は誰か。彼にその選ぶべき道を教えられる。
新共同25篇12節 主を畏れる人は誰か。主はその人に選ぶべき道を示されるであろう。


補註
「えらぶべき道」はまた「神のえらび給える道」とも訳す。


25篇13節נ(ヌン))かかる(ひと)霊魂(たましひ)は《*幸福(さいはひ)(うち)宿(やど)り、》【やすきに住ひ】てその生活は感謝に充ちその(すゑ)は《()》【國】を()者となって永遠の祝福に与るを得べし。

文語訳25篇13節 かゝる(ひと)のたましひは平安(やすき)にすまひ その(すゑ)はくにをつぐべし
口語訳25篇13節 彼はみずからさいわいに住まい、そのすえは地を継ぐであろう。
関根訳25篇13節 彼はみずから恵みの中にとどまりその子孫は国を()ぐ。
新共同25篇13節 その人は恵みに満たされて宿り 子孫は地を継ぐであろう。


補註
「平安」は適訳にあらず、英語改訳に影響されし誤訳か、原語は有形無形の幸福を云う。「地を嗣ぐ」はマタイ5:5。黙示5:10。


25篇14節ס(サメく))エホバの《親交(まぢはり)》【親愛】はエホバを(おそ)るゝ(もの)とともにあり、エホバは彼に凡ての心の秘密を啓示し給う〔エホバは〕その契約(けいやく)をかれらに(しめ)(たま)はん。かくして彼らにエホバの御旨をことごとくさとらしめる。

文語訳25篇14節 ヱホバの親愛(したしみ)はヱホバをおそるゝ(もの)とともにあり ヱホバはその契約(けいやく)をかれらに(しめ)したまはん
口語訳25篇14節 主の親しみは主をおそれる者のためにあり、主はその契約を彼らに知らせられる。
関根訳25篇14節 ヴェの交わりは彼を畏れる者に与えられその契約は彼を知る者に与えられる。
新共同25篇14節 主を畏れる人に 主は契約の奥義を悟らせてくださる。


25篇15節ע(アイン)それ故にわが()(つね)にエホバにむかふ、唯エホバのみ仰ぎ見つつ彼に依頼む。(そは)エホバ、わが(あし)の敵の網にとらわるる時これ(あみ)よりとりいだして我を救い(たま)ふ《が(ゆゑ)》【べければ】なり。

文語訳25篇15節 わが()はつねにヱホバにむかふ ヱホバわがあしを(あみ)よりとりいだしたまふ()ければなり
口語訳25篇15節 わたしの目は常に主に向かっている。主はわたしの足を網から取り出されるからである。
関根訳25篇15節 わが眼はたえずヤヴェに向かう、彼がわが脚を網より引き出し給うから。
新共同25篇15節 わたしはいつも主に目を注いでいます。わたしの足を網から引き出してくださる方に。


〔3〕われを敵の手より救い給え(16−22)
25篇16節פ(ぺー))ねがはくは《われをかへりみ》【かへりきたりて】て我に御顔を示し(われ)をあはれみて慰めを与えたまへ、われ(ひとり)わびしくして助くる友とてもなくまた数々のなやみに(くる)しみをるなり。

文語訳25篇16節 ねがはくは(かへ)りきたりて(われ)をあはれみたまへ われ(ひとり)わびしくまた(くる)しみをるなり
口語訳25篇16節 わたしをかえりみ、わたしをあわれんでください。わたしはひとりわびしく苦しんでいるのです。
関根訳25篇16節 わたしの方を見、わたしを憐れんで下さい。わたしは一人きりでみじめな有様です。
新共同25篇16節 御顔を向けて、わたしを憐れんでください。わたしは貧しく、孤独です。


25篇17節צ(ツアデー)(ねが)はくは、わが(こころ)のうれへを*ゆるめてこれをかろからしめて(われ)をわざはひより(まぬか)れしめたまへ。われ唯汝に依頼む。

文語訳25篇17節 (ねが)はくはわが(こころ)のうれへをゆるめ(われ)をわざはひより(まぬか)れしめたまへ
口語訳25篇17節 わたしの心の悩みをゆるめ、わたしを苦しみから引き出してください。
関根訳25篇17節 わたしの心の苦しみをゆるめ苦悩の中からわたしを引き出して下さい。
新共同25篇17節 悩む心を解き放ち 痛みからわたしを引き出してください。


補註
「ゆるめ」は本来「広まりたり」と訳すべきであるけれども少しく綴方と音符とを変化して命令形に読むべしとする説多し。


25篇18節*ר(レシ))わが患難(なやみ)わが辛苦(くるしみ)をかへりみ、わがすべての(つみ)をゆるしたまへ。外よりのなやみ内よりの罪、我を耐え難きまでに苦しめつつあり。

文語訳25篇18節 わが患難(なやみ)わが辛苦(くるしみ)をかへりみ わがすべての(つみ)をゆるしたまへ
口語訳25篇18節 わたしの苦しみ悩みをかえりみ、わたしのすべての罪をおゆるしください。
関根訳25篇18節 わたしのみじめな様と苦しみをかえわたしのすべての罪を赦して下さい。
新共同25篇18節 御覧ください、わたしの貧しさと労苦を。どうかわたしの罪を取り除いてください。


補註
18節は(コフ)を頭文字とする順序であるが、これを欠き(レシ)が次節と重複す。


25篇19節ר(レシ))わが(あた)を見()たまへ、かれらの(かず)はおほくして我を圧し、《暴虐(ぼうぎやく)なる》【情なき】(にくみ)をもてわれをにくめり。我いかでこれに立対い得んや。

文語訳25篇19節 わが(あた)をみたまへ かれらの(かず)はおほし(なさけ)なき(にくみ)をもてわれをにくめり
口語訳25篇19節 わたしの敵がいかに多く、かつ激しい憎しみをもってわたしを憎んでいるかをごらんください。
関根訳25篇19節 わが敵を見て下さい。彼らの数は多いのです。(はげ)しい憎しみをもってわたしを憎んでいます。
新共同25篇19節 御覧ください、敵は増えて行くばかりです。わたしを憎み、不法を仕掛けます。


25篇20節ש(シン)ねがわくは凡てのなやみと凡ての敵より()がたましひをまもり、(われ)をたすけてその中より救いだしたまへ、汝の助援をおしむ事によりて()(はぢ)をおはしめたまふなかれ、われ(なんぢ)依ョ(よりたの)み汝を避所とたのめばなり。汝わが信頼の心を軽しめ給わじ。

文語訳25篇20節 わがたましひをまもり(われ)をたすけたまへ われに(はぢ)をおはしめたまふなかれ (われ)なんぢに依ョ(よりたの)めばなり
口語訳25篇20節 わたしの魂を守り、わたしをお助けください。わたしをはずかしめないでください。わたしはあなたに寄り頼んでいます。
関根訳25篇20節 わが魂を守り、わたしを救って下さい。わたしに恥をこうむらせ給うな、わたしはあなたの中に身をかくすからです。
新共同25篇20節 御もとに身を寄せます。わたしの魂を守り、わたしを助け出し 恥を受けることのないようにしてください。


25篇21節ת(タウ)(われ)なんぢを信頼し汝挨望(まちのぞ)む(が(ゆゑ)に)、(ねが)はくは*完全(またき)正直(なほき)が我が守護の天使のごとくにわれをまもれかし。

文語訳25篇21節 われなんぢを俟望(まちのぞ)む ねがはくは完全(またき)正直(なほき)とわれをまもれかし
口語訳25篇21節 どうか、誠実と潔白とが、わたしを守ってくれるように。わたしはあなたを待ち望んでいます。
関根訳25篇21節 全きとただしきとがわたしを守って下さるように。わたしはあなたを待ち望みますから。
新共同25篇21節 あなたに望みをおき、無垢でまっすぐなら そのことがわたしを守ってくれるでしょう。


補註
「完全と正直」はヨブ1:1にヨブの性質として掲げらる。本節ではこの二つを擬人的に取扱っている。


25篇22節*פ(ペー)(かみ)よ、すべての(うれひ)よりイスラエルを(あがな)ひいだしたまへ。

文語訳25篇22節 (かみ)よすべての(うれひ)よりイスラエルを(あがな)ひいだしたまへ
口語訳25篇22節 神よ、イスラエルをあがない、すべての悩みから救いだしてください。
関根訳25篇22節 神よ、イスラエルをそのすべての災いから(あがな)って下さい。
新共同25篇22節 神よ、イスラエルを すべての苦難から贖ってください。


補註
22節は再び「ぺー」を頭字としている。「エホバ」の代りに「神」を用うること、またイスラエルが主題となりたること等より推論するも本節は後日の挿入なりとする説多し。