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新共同訳引照Web版 V2.0

マタイによる福音書24章1節


          ◆神殿の崩壊を予告する   (マコ13:1-2 ルカ21:5-6 )

イエスが神殿の境内を出て行かれると、弟子たちが近寄って来て、イエスに神殿の建物を指さした。 [→ネストレ引照]

  1. [(1−51)]

      マルコによる福音書 13章1節 - 37節
                ◆神殿の崩壊を予告する
      13章1節 イエスが神殿の境内を出て行かれるとき、弟子の一人が言った。「先生、御覧ください。なんとすばらしい石、なんとすばらしい建物でしょう。」
      13章2節 イエスは言われた。「これらの大きな建物を見ているのか。一つの石もここで崩されずに他の石の上に残ることはない。」
                ◆終末の徴
      13章3節 イエスがオリーブ山で神殿の方を向いて座っておられると、ペトロ、ヤコブ、ヨハネ、アンデレが、ひそかに尋ねた。
      13章4節 「おっしゃってください。そのことはいつ起こるのですか。また、そのことがすべて実現するときには、どんな徴があるのですか。」
      13章5節 イエスは話し始められた。「人に惑わされないように気をつけなさい。
      13章6節 わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがそれだ』と言って、多くの人を惑わすだろう。
      13章7節 戦争の騒ぎや戦争のうわさを聞いても、慌ててはいけない。そういうことは起こるに決まっているが、まだ世の終わりではない。
      13章8節 民は民に、国は国に敵対して立ち上がり、方々に地震があり、飢饉が起こる。これらは産みの苦しみの始まりである。
      13章9節 あなたがたは自分のことに気をつけていなさい。あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で打ちたたかれる。また、わたしのために総督や王の前に立たされて、証しをすることになる。
      13章10節 しかし、まず、福音があらゆる民に宣べ伝えられねばならない。
      13章11節 引き渡され、連れて行かれるとき、何を言おうかと取り越し苦労をしてはならない。そのときには、教えられることを話せばよい。実は、話すのはあなたがたではなく、聖霊なのだ。
      13章12節 兄弟は兄弟を、父は子を死に追いやり、子は親に反抗して殺すだろう。
      13章13節 また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。」
                ◆大きな苦難を予告する
      13章14節 「憎むべき破壊者が立ってはならない所に立つのを見たら――読者は悟れ――、そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。
      13章15節 屋上にいる者は下に降りてはならない。家にある物を何か取り出そうとして中に入ってはならない。
      13章16節 畑にいる者は、上着を取りに帰ってはならない。
      13章17節 それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。
      13章18節 このことが冬に起こらないように、祈りなさい。
      13章19節 それらの日には、神が天地を造られた創造の初めから今までなく、今後も決してないほどの苦難が来るからである。
      13章20節 主がその期間を縮めてくださらなければ、だれ一人救われない。しかし、主は御自分のものとして選んだ人たちのために、その期間を縮めてくださったのである。
      13章21節 そのとき、『見よ、ここにメシアがいる』『見よ、あそこだ』と言う者がいても、信じてはならない。
      13章22節 偽メシアや偽預言者が現れて、しるしや不思議な業を行い、できれば、選ばれた人たちを惑わそうとするからである。
      13章23節 だから、あなたがたは気をつけていなさい。一切の事を前もって言っておく。」
                ◆人の子が来る
      13章24節 「それらの日には、このような苦難の後、/太陽は暗くなり、/月は光を放たず、
      13章25節 星は空から落ち、/天体は揺り動かされる。
      13章26節 そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。
      13章27節 そのとき、人の子は天使たちを遣わし、地の果てから天の果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。」
                ◆いちじくの木の教え
      13章28節 「いちじくの木から教えを学びなさい。枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分かる。
      13章29節 それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい。
      13章30節 はっきり言っておく。これらのことがみな起こるまでは、この時代は決して滅びない。
      13章31節 天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」
                ◆目を覚ましていなさい
      13章32節 「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。父だけがご存じである。
      13章33節 気をつけて、目を覚ましていなさい。その時がいつなのか、あなたがたには分からないからである。
      13章34節 それは、ちょうど、家を後に旅に出る人が、僕たちに仕事を割り当てて責任を持たせ、門番には目を覚ましているようにと、言いつけておくようなものだ。
      13章35節 だから、目を覚ましていなさい。いつ家の主人が帰って来るのか、夕方か、夜中か、鶏の鳴くころか、明け方か、あなたがたには分からないからである。
      13章36節 主人が突然帰って来て、あなたがたが眠っているのを見つけるかもしれない。
      13章37節 あなたがたに言うことは、すべての人に言うのだ。目を覚ましていなさい。」

      ルカによる福音書 21章5節 - 36節
                ◆神殿の崩壊を予告する
      21章5節 ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、イエスは言われた。
      21章6節 「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」
                ◆終末の徴
      21章7節 そこで、彼らはイエスに尋ねた。「先生、では、そのことはいつ起こるのですか。また、そのことが起こるときには、どんな徴があるのですか。」
      21章8節 イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがそれだ』とか、『時が近づいた』とか言うが、ついて行ってはならない。
      21章9節 戦争とか暴動のことを聞いても、おびえてはならない。こういうことがまず起こるに決まっているが、世の終わりはすぐには来ないからである。」
      21章10節 そして更に、言われた。「民は民に、国は国に敵対して立ち上がる。
      21章11節 そして、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる。
      21章12節 しかし、これらのことがすべて起こる前に、人々はあなたがたに手を下して迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために王や総督の前に引っ張って行く。
      21章13節 それはあなたがたにとって証しをする機会となる。
      21章14節 だから、前もって弁明の準備をするまいと、心に決めなさい。
      21章15節 どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしがあなたがたに授けるからである。
      21章16節 あなたがたは親、兄弟、親族、友人にまで裏切られる。中には殺される者もいる。
      21章17節 また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。
      21章18節 しかし、あなたがたの髪の毛の一本も決してなくならない。
      21章19節 忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」
                ◆エルサレムの滅亡を予告する
      21章20節 「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。
      21章21節 そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ち退きなさい。田舎にいる人々は都に入ってはならない。
      21章22節 書かれていることがことごとく実現する報復の日だからである。
      21章23節 それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。この地には大きな苦しみがあり、この民には神の怒りが下るからである。
      21章24節 人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる。異邦人の時代が完了するまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされる。」
                ◆人の子が来る
      21章25節 「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。
      21章26節 人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。
      21章27節 そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。
      21章28節 このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」
                ◆「いちじくの木」のたとえ
      21章29節 それから、イエスはたとえを話された。「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。
      21章30節 葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。
      21章31節 それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい。
      21章32節 はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない。
      21章33節 天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」
                ◆目を覚ましていなさい
      21章34節 「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。
      21章35節 その日は、地の表のあらゆる所に住む人々すべてに襲いかかるからである。
      21章36節 しかし、あなたがたは、起ころうとしているこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈りなさい。」

  2. [神殿の境内]

      マタイによる福音書 21章23節
                ◆権威についての問答
      21章23節 イエスが神殿の境内に入って教えておられると、祭司長や民の長老たちが近寄って来て言った。「何の権威でこのようなことをしているのか。だれがその権威を与えたのか。」