マタイによる福音書8章28節
          ◆悪霊に取りつかれたガダラの人をいやす
  (マコ5:1-20 ルカ8:26-39 )
イエスが向こう岸のガダラ人の地方に着かれると、悪霊に取りつかれた者が二人、墓場から出てイエスのところにやって来た。二人は非常に狂暴で、だれもその辺りの道を通れないほどであった。
[→ネストレ引照]
●マルコによる福音書 5章1節 - 17節
          ◆悪霊に取りつかれたゲラサの人をいやす
5章1節 一行は、湖の向こう岸にあるゲラサ人の地方に着いた。
5章2節 イエスが舟から上がられるとすぐに、汚れた霊に取りつかれた人が墓場からやって来た。
5章3節 この人は墓場を住まいとしており、もはやだれも、鎖を用いてさえつなぎとめておくことはできなかった。
5章4節 これまでにも度々足枷や鎖で縛られたが、鎖は引きちぎり足枷は砕いてしまい、だれも彼を縛っておくことはできなかったのである。
5章5節 彼は昼も夜も墓場や山で叫んだり、石で自分を打ちたたいたりしていた。
5章6節 イエスを遠くから見ると、走り寄ってひれ伏し、
5章7節 大声で叫んだ。「いと高き神の子イエス、かまわないでくれ。後生だから、苦しめないでほしい。」
5章8節 イエスが、「汚れた霊、この人から出て行け」と言われたからである。
5章9節 そこで、イエスが、「名は何というのか」とお尋ねになると、「名はレギオン。大勢だから」と言った。
5章10節 そして、自分たちをこの地方から追い出さないようにと、イエスにしきりに願った。
5章11節 ところで、その辺りの山で豚の大群がえさをあさっていた。
5章12節 汚れた霊どもはイエスに、「豚の中に送り込み、乗り移らせてくれ」と願った。
5章13節 イエスがお許しになったので、汚れた霊どもは出て、豚の中に入った。すると、二千匹ほどの豚の群れが崖を下って湖になだれ込み、湖の中で次々とおぼれ死んだ。
5章14節 豚飼いたちは逃げ出し、町や村にこのことを知らせた。人々は何が起こったのかと見に来た。
5章15節 彼らはイエスのところに来ると、レギオンに取りつかれていた人が服を着、正気になって座っているのを見て、恐ろしくなった。
5章16節 成り行きを見ていた人たちは、悪霊に取りつかれた人の身に起こったことと豚のことを人々に語った。
5章17節 そこで、人々はイエスにその地方から出て行ってもらいたいと言いだした。
●ルカによる福音書 8章26節 - 37節
          ◆悪霊に取りつかれたゲラサの人をいやす
8章26節 一行は、ガリラヤの向こう岸にあるゲラサ人の地方に着いた。
8章27節 イエスが陸に上がられると、この町の者で、悪霊に取りつかれている男がやって来た。この男は長い間、衣服を身に着けず、家に住まないで墓場を住まいとしていた。
8章28節 イエスを見ると、わめきながらひれ伏し、大声で言った。「いと高き神の子イエス、かまわないでくれ。頼むから苦しめないでほしい。」
8章29節 イエスが、汚れた霊に男から出るように命じられたからである。この人は何回も汚れた霊に取りつかれたので、鎖でつながれ、足枷をはめられて監視されていたが、それを引きちぎっては、悪霊によって荒れ野へと駆り立てられていた。
8章30節 イエスが、「名は何というか」とお尋ねになると、「レギオン」と言った。たくさんの悪霊がこの男に入っていたからである。
8章31節 そして悪霊どもは、底なしの淵へ行けという命令を自分たちに出さないようにと、イエスに願った。
8章32節 ところで、その辺りの山で、たくさんの豚の群れがえさをあさっていた。悪霊どもが豚の中に入る許しを願うと、イエスはお許しになった。
8章33節 悪霊どもはその人から出て、豚の中に入った。すると、豚の群れは崖を下って湖になだれ込み、おぼれ死んだ。
8章34節 この出来事を見た豚飼いたちは逃げ出し、町や村にこのことを知らせた。
8章35節 そこで、人々はその出来事を見ようとしてやって来た。彼らはイエスのところに来ると、悪霊どもを追い出してもらった人が、服を着、正気になってイエスの足もとに座っているのを見て、恐ろしくなった。
8章36節 成り行きを見ていた人たちは、悪霊に取りつかれていた人の救われた次第を人々に知らせた。
8章37節 そこで、ゲラサ地方の人々は皆、自分たちのところから出て行ってもらいたいと、イエスに願った。彼らはすっかり恐れに取りつかれていたのである。そこで、イエスは舟に乗って帰ろうとされた。
●マタイによる福音書 4章24節
4章24節 そこで、イエスの評判がシリア中に広まった。人々がイエスのところへ、いろいろな病気や苦しみに悩む者、悪霊に取りつかれた者、てんかんの者、中風の者など、あらゆる病人を連れて来たので、これらの人々をいやされた。