詩篇第二巻は第三巻(73−89)と共に一団をなす、これら共にエロヒム詩篇と称せられ、第一巻において神が主としてエホバ(ヤーヴェー)と呼ばれていることに対して第二、第三巻においては主としてエロヒムと呼ばれている。第二巻にはコラの子らの名を冠せる詩の一団が主要の部分を占め、第三巻にはアサフの名が冠せられている一団があり、その他ダビデの名をするものの一団あり、これらの三種の詩集より編纂せられしものであろう。
 コラはレビの子コハテの孫でその子孫はエホバの営の門守をつとめ(歴代上9:19)、俘囚後に至ってもエルサレムの宮の門守をしていた。(同上9:17)。ダビデの三楽人の一人なるヘマンもコラ族であってその後ともコラの一族は楽師として宮廷に仕え、また神殿の音楽を掌っていた。コラの子らの歌とあるのは、コラの一族のよりて謳われし歌集であろう。これらが後に詩篇の中に編纂せられしものである。