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新共同訳引照Web版 V2.0

マタイによる福音書9章18節


          ◆指導者の娘とイエスの服に触れる女   (マコ5:21-43 ルカ8:40-56 )

イエスがこのようなことを話しておられると、ある指導者がそばに来て、ひれ伏して言った。「わたしの娘がたったいま死にました。でも、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、生き返るでしょう。」 [→ネストレ引照]

  1. [(18−26)]

      マルコによる福音書 5章22節 - 43節
      5章22節 会堂長の一人でヤイロという名の人が来て、イエスを見ると足もとにひれ伏して、
      5章23節 しきりに願った。「わたしの幼い娘が死にそうです。どうか、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、娘は助かり、生きるでしょう。」
      5章24節 そこで、イエスはヤイロと一緒に出かけて行かれた。大勢の群衆も、イエスに従い、押し迫って来た。
      5章25節 さて、ここに十二年間も出血の止まらない女がいた。
      5章26節 多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。
      5章27節 イエスのことを聞いて、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。
      5章28節 「この方の服にでも触れればいやしていただける」と思ったからである。
      5章29節 すると、すぐ出血が全く止まって病気がいやされたことを体に感じた。
      5章30節 イエスは、自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で振り返り、「わたしの服に触れたのはだれか」と言われた。
      5章31節 そこで、弟子たちは言った。「群衆があなたに押し迫っているのがお分かりでしょう。それなのに、『だれがわたしに触れたのか』とおっしゃるのですか。」
      5章32節 しかし、イエスは、触れた者を見つけようと、辺りを見回しておられた。
      5章33節 女は自分の身に起こったことを知って恐ろしくなり、震えながら進み出てひれ伏し、すべてをありのまま話した。
      5章34節 イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」
      5章35節 イエスがまだ話しておられるときに、会堂長の家から人々が来て言った。「お嬢さんは亡くなりました。もう、先生を煩わすには及ばないでしょう。」
      5章36節 イエスはその話をそばで聞いて、「恐れることはない。ただ信じなさい」と会堂長に言われた。
      5章37節 そして、ペトロ、ヤコブ、またヤコブの兄弟ヨハネのほかは、だれもついて来ることをお許しにならなかった。
      5章38節 一行は会堂長の家に着いた。イエスは人々が大声で泣きわめいて騒いでいるのを見て、
      5章39節 家の中に入り、人々に言われた。「なぜ、泣き騒ぐのか。子供は死んだのではない。眠っているのだ。」
      5章40節 人々はイエスをあざ笑った。しかし、イエスは皆を外に出し、子供の両親と三人の弟子だけを連れて、子供のいる所へ入って行かれた。
      5章41節 そして、子供の手を取って、「タリタ、クム」と言われた。これは、「少女よ、わたしはあなたに言う。起きなさい」という意味である。
      5章42節 少女はすぐに起き上がって、歩きだした。もう十二歳になっていたからである。それを見るや、人々は驚きのあまり我を忘れた。
      5章43節 イエスはこのことをだれにも知らせないようにと厳しく命じ、また、食べ物を少女に与えるようにと言われた。

      ルカによる福音書 8章41節 - 56節
      8章41節 そこへ、ヤイロという人が来た。この人は会堂長であった。彼はイエスの足もとにひれ伏して、自分の家に来てくださるようにと願った。
      8章42節 十二歳ぐらいの一人娘がいたが、死にかけていたのである。イエスがそこに行かれる途中、群衆が周りに押し寄せて来た。
      8章43節 ときに、十二年このかた出血が止まらず、医者に全財産を使い果たしたが、だれからも治してもらえない女がいた。
      8章44節 この女が近寄って来て、後ろからイエスの服の房に触れると、直ちに出血が止まった。
      8章45節 イエスは、「わたしに触れたのはだれか」と言われた。人々は皆、自分ではないと答えたので、ペトロが、「先生、群衆があなたを取り巻いて、押し合っているのです」と言った。
      8章46節 しかし、イエスは、「だれかがわたしに触れた。わたしから力が出て行ったのを感じたのだ」と言われた。
      8章47節 女は隠しきれないと知って、震えながら進み出てひれ伏し、触れた理由とたちまちいやされた次第とを皆の前で話した。
      8章48節 イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。」
      8章49節 イエスがまだ話しておられるときに、会堂長の家から人が来て言った。「お嬢さんは亡くなりました。この上、先生を煩わすことはありません。」
      8章50節 イエスは、これを聞いて会堂長に言われた。「恐れることはない。ただ信じなさい。そうすれば、娘は救われる。」
      8章51節 イエスはその家に着くと、ペトロ、ヨハネ、ヤコブ、それに娘の父母のほかには、だれも一緒に入ることをお許しにならなかった。
      8章52節 人々は皆、娘のために泣き悲しんでいた。そこで、イエスは言われた。「泣くな。死んだのではない。眠っているのだ。」
      8章53節 人々は、娘が死んだことを知っていたので、イエスをあざ笑った。
      8章54節 イエスは娘の手を取り、「娘よ、起きなさい」と呼びかけられた。
      8章55節 すると娘は、その霊が戻って、すぐに起き上がった。イエスは、娘に食べ物を与えるように指図をされた。
      8章56節 娘の両親は非常に驚いた。イエスは、この出来事をだれにも話さないようにとお命じになった。