凡例
(Web化するため表記に関し原本とは違う手法を用いている箇所あり、その箇所については青色にて凡例に明記しました。編集者)
1.
表題
註解ページでは分類として表題を灰色にて挿入しています。挿入位置は各項目の先頭節の前に入れています。章の先頭には章に跨る分類をすべて表示しました。表示方法は大項目、中項目共に数字を用い、小項目は原本にあわせてイロハを使用しました。それぞれ「-」で区切って表示しています。
2. 引照 原本では欄外に引照箇所が示されていますが、Web版では各節の末尾に引照へのリンクを追加しました。このリンクをクリックすると引照元の節、引照先の節すべてが表示されます。本引照は新共同訳の引照をそのまま用いることとしました。原本で文語訳本文中に(イ)(ロ)等で示されている引照語句の箇所は省略し、代わりに引照語句を各引照先節の表示の先頭に表示しました。
表示聖書本文も新共同訳を採用しました。
3.
ネストレ引照 Web版では新しい試みとしてNESTLE-ARLAND 27版(以下ネストレ)の引照箇所を表示しています。当該節にネストレの引照がある場合、新共同訳の引照節に[ネストレ]と表示されます。[ネストレ]をクリックすると別ウィンドウにて引照箇所が新共同訳にて表示され、新共同訳の引照と比較できるようにしています。ネストレ引照の節の後ろに表示されている記号はネストレ版聖書からそのまま引用しています。ある引照に続く感嘆符!は、その個所でより詳しい引照が見出されることを表します。
本サイトでは新共同訳を引照元/先として表示しているため、新共同訳で採択していない旧約続編への引照は割愛しました。70人訳も割愛しました。その他適宜割愛したものがあります。
なお、ネストレには各書の巻頭にて書全体に対する引照があり、それらは各書の1章1節に[書全体に対する引照]として表示しました。
4.
符号
[ ]はギリシャ語聖書の原本になくして日本改訳聖書の中に入り居る文字(ただしこの種の文字を全部この符号をもって示したのではなく、これを示すことによって原文の意義が一層明らかになる場合、またはこれを除くことがかえって訳文として適当している場合にもこれを示した)。
(
)改訳本文になくして、ギリシャ語の原文に存在する文字を本文に加えんとせる場合はこれをこの括弧中に入れた。(ただし改訳本文中に本来用いられている括弧は、これをそのままに保存した。例えばTコリ1:21。7:12、21後半のごとし)
例、(文字によりて)石に彫り[書さ]れたる死の[法の]職(Uコリ3:7)
とある場合は
改訳本文は ─ 石に彫り書されたる死の法の職
ギリシャ語本文は ─ 文字にて石に彫られたる死の職
なることを示す。
なお註解中に私訳および直訳をも参考のために掲げた場合も少なくない。
5.
参考書 参考書としては左の諸書を用いた。この他にも Lietzmann の註解や各書に往々別に単行の権威ある参考書があるけれども、予の書斎にこれを備えることができなかったことは遺憾である。本註解は通俗を主として簡単を旨としたので、参考書を単に一つのローマ字をもって示した。左にその略号と、各参考書の特徴を略述する。
A1. Alford’s Greek Testament 独創的にあらず、霊的深みを欠いているけれども、説明の公平、明瞭なこと、殊に多くの学説の差を分析して簡潔に説明せる点等に長所を有す。
A2. Augustine’s Works. ラテン語の原書および多数の国語に訳されている。本註解においては直接これを参照せる場合少なく、他の書中の引用を利用せる場合多し。
B1. Bengel, Gnomon Novi Testamenti 英、独その他の訳あり、聖言の一語一語に深き理解を有ち、妙なる味を汲み取っている点において不朽の名著である。近代の批評学が起る以前の作であった点を考慮に入れるならば、今日もなお最良の参考書の一たるを失わない。
B2. Die Heilige Schrift des Neuen Testaments
(Bonner Bibel) カトリックの学者によりて著された註解書で、カトリック独特の確定的解釈を必要とする箇所以外は、公平にして適切なる判断をもって近世の批評学を取り入れ、解り易い註解をしている。
B3. Beckwith, the Apocalypse of John. 黙示録の良註解書でその緒論においてあらゆる問題を詳しく、しかも理解し易く論じている。
C1. Calvin’s Commentaries. Corpus Reformation の Opera Omnia Calvini. の中に収録せられ、英、独訳あり、カルヴィンは註解の王と称せらるるだけあって、正確さ、理解の深さ、判断の正しさ、文章の強さにおいて不朽の価値を有す。
C2. Chrysostom 古代教父の一人としてヨハネ伝、ロマ書その他の註解あり。本書においては直接に参考とせる場合少なく、多くは他の註解書より探る。
C3. The Companion Bible 本書は聖書の文字をあまりに機械的に取扱い過ぎている憾がある。それだけ聖書の文字を機械的に観察せんとする時の参考となる。
D0. Dummelow, The One Volume
Bible Commentary. 旧新約を一巻にまとめた註解書で Peake と共に初学者の良参考書。
E0. Expositor’s Greek Testament. 英語にて書かれし近代の良参考書の一。特徴が少ないだけそれだけ欠点も少ない。
G1. Godet, Commentaries. (Luke, John, Romans, I. Corinthians) 原書はフランス語、英訳あり、説明が極めて丁寧親切で(やや冗長の嫌いあれど)論旨は明瞭であり近世批評学の自由主義に対して適切なる批評的態度を示している良参考書。
G2. Gerlach, Bibelwerk. 今より百年以前の著であるけれども旧新約を通して簡単に適切なる註を加えし良参考書である。学問的研究者よりむしろ実際的霊的に聖書を理解せんとする初歩の人のために有益である。
H0. Holtzmann, Handkommentar zum Neuen Testament. 学問的背景を豊かに持ちつつこれを簡単に要約せる註解書で緒論も簡単で要領を得ている。詳細なる説明をその中に求め得ないのは欠点である。
I0. International Critical Commentary, 英語にて著されし註解中の最高権威。多数の学者の作で自然その中に優劣はあるけれども、何れも良参考書たるを失わない。
L1. Luther, Commentaries. ロマ書、ガラテヤ書、ヘブル書その他の註解の中に偉大なる宝玉が散見しているけれども聖典の註解としては的確、精確でない。むしろ彼の偉大なる信仰の自由なる発表として不朽の価値がある。
L2. Lange, Bibelwerk. 英訳あり、綿密に過ぐるの嫌いがあるけれども、多方面の註解書より、その粋を抜き集めている点等、利用すべき良書である。
L3. Lightfoot, Commentaries. (Galatians, Philippians,
Colossians, Philemon) 何れも不朽の名著、その中にある小論文は何れもその博識の産であって、参考とすべき点が多い。
M0. Meyer, Commentary on
the Bible. 原書はドイツ語、新約聖書全般に亙れる詳細な註解書。殊にギリシャ語の文法的、語学的注釈において最も綿密である。この方面において欠くべからざる参考書である。
P0. Peake, Commentary on the Bible. 近代学術の研究の結果を比較的簡潔に要約し、これを一冊にまとめて旧新約聖書の註解とせる点が本書の特徴である。近代の学問が如何なる結果に達しているかの大体を窺うに良き初等註解書。
S1. Schlatter, Erlauterungen zum Neuen Testament. 近代註解書に特に詳細に論せらるる「緒論」は全くこれを欠き、また逐語的研究には適さないが、深い学問を背景とし、正統的にしてしかも自由闊達なる信仰をもって書かれており、近代註解書中にて霊味の最も豊かなるもの。
S2. Strack-Bibelwerk, Kommentar zum Neuen Testament aus Talmud und Midrasch. 厖大なるヘブル語の文献により、新約聖書に関係あるあらゆる箇所を克明に網羅したもので、貴重なる力作である。深い研究には欠くべからざる参考書である。
S3. Swete, the Apocalypse of
T0. Trench, New Testament Synonyms; Notes on
the Miracles; Notes on the Parables. 問題の点につきての良参考書。
W1. Bernhard
Weiss, Das Neuen Teatament.
堅実なる信仰と簡単なる説明が本書の特徴。
W2. Johannes
Weiss, Die Schriften des Neuen
Testament. 批評学の結果を多く取入れ、自由神学の立場に立ちての解釈で、本註解書とは立場を異にしている処が多いけれども、その方面の代表的初等註解書として最も便利なる参考書である。
Z0. Zahn, Kommentar zun Neuen Testament. 学術的価値として最高の参考書。往々にしえ極めて優れたる独創的見解を持っている。ただし読み悪きこと、参照に不便なることがその欠点である。
その他の人名はカタカナにして記した。またD0、E0、I0、M0、P0、W2、Z0等は多くの著者の手によってなっており、従ってその中に優劣、出来不出来があるけれどもこれはやむをえない。また本書では一々その名を掲げない。
これらの人名、署名の略号を掲げし場合左のごとし。
(1)
異論多き個所にして一々これを掲ぐることができない場合、その出所を明らかにするためにこの略号を掲げた。
(2)
極めて適切なる註解でこれを信用することが有益な場合。この際は左の二つに分れる。
(イ) その原文のままこれを訳出した場合、この際は「 」に入れた。
(ロ) 原著者の説の大意を掲げし場合、この際は「 」なし。
以上の他 Hasting’s Dictionary of the
Bible; Encyclopedia Biblica; Die Religion der Geschichte und Gegenwart, その他二三の聖書辞典、Moulton, Bruder,
Young, Cruden, Schmoller等の希、英、独Concordance; Cremer, Thayer, Lyddel
and Scott, Pape等のギリシャ語辞典、Zahn, Feineその他の新約聖書緒論学等が参考とされた。
(3)
原本では同じアルファベットの略号を活字の違いで区別していたが、Web版ではA0、A1、A2のように数字をつけることで区別することとした。
6.
要義 註解の外に処々に要義を掲げた。これには左記のごとき諸種の場合あり、注意してこれを区別し読むことが必要である。
(1)
要義に先立つ第一段落の要約である場合。
(2)
要義に先立つ第一段落中の重要問題を敷衍せる場合。
(3)
本文の主眼にあらざるもこれに関連せる重要なる問題を論ぜる場合。
(4)
文中の一節または一部分を敷衍せる場合。
7.
附記 註解の目的以外に注意を必要とする少数の場合に附記としてこれを掲げた。
8.
辞解 必要なる場合に辞解なる符号の下に文字または句の解釈を挿入した。これを註解中に入るることでかえって複雑になることを恐れたからである。
9.
原書 ギリシャ語聖書には種々の異本があるけれども、改訳本文の重要なる基礎となったE. Nestle の原文を主として他の原本を従として研究した。
10.
読者に対する注意
(1)
本註解書は主として万已む得ざる場合の参考とせられたきこと。
(2)
註解は多くの内容を簡単な文字の中に容れてある故、註解を連続的に研究せらるる場合は丁寧に読まるること。
(3)
引照は殊にこれを参照せられんことを望む。これは註解を助けることが多いからである。殊に註解書中に(イ)(ロ)(ハ)等として掲げし部分はなおさらである。
Web版では引照リンクをクリックすることにより別ウィンドウに引照箇所すべてを表示することとした。また(イ)(ロ)(ハ)の代わりに引照語句そのものを表示している。これにより筆者が引照を参照することを強く推奨していることを、複数の聖書を開くことなく容易に実現できることになった。
11.文語訳聖書ルビの表示について
FireFoxで閲覧する場合、以下の方法にてルビ・サポートをインストールすることにより正常にルビを表示させることができます。
@
ツール → アドオン
A
「XHTMLルビサポート」を選択して更新を確認を押す
○引照の便宜上、書名の略語を以下のごとく定めた。
旧約 |
|
新約 |
||
創世記 |
創 |
|
マタイ伝 |
マタ |
出エジプト記 |
出 |
|
マルコ伝 |
マコ |
レビ記 |
レビ |
|
ルカ伝 |
ルカ |
民数記 |
民 |
|
ヨハネ伝 |
ヨハ |
申命記 |
申 |
|
使徒行伝 |
使 |
ヨシュア記 |
ヨシ |
|
ロマ書 |
ロマ |
士師記 |
士 |
|
第1コリント |
Tコリ |
ルツ記 |
ルツ |
|
第2コリント |
Uコリ |
サムエル記上 |
Tサム |
|
ガラテヤ書 |
ガラ |
サムエル記下 |
Uサム |
|
エペソ書 |
エペ |
列王記上 |
T列 |
|
ピリピ書 |
ピリ |
列王記下 |
U列 |
|
コロサイ書 |
コロ |
歴代史上 |
T歴 |
|
第1テサロニケ書 |
Tテサ |
歴代史下 |
U歴 |
|
第2テサロニケ書 |
Uテサ |
エズラ記 |
エズ |
|
第1テモテ書 |
Tテモ |
ネヘミア記 |
ネヘ |
|
第2テモテ書 |
Uテモ |
エステル記 |
エス |
|
テトス書 |
テト |
ヨブ記 |
ヨブ |
|
ピレモン書 |
ピレ |
詩篇 |
詩 |
|
ヘブル書 |
ヘブ |
箴言 |
箴 |
|
ヤコブ書 |
ヤコ |
伝道の書 |
伝 |
|
第1ペテロ書 |
Tペテ |
雅歌 |
雅 |
|
第2ペテロ書 |
Uペテ |
イザヤ書 |
イザ |
|
第1ヨハネ書 |
Tヨハ |
エレミヤ書 |
エレ |
|
第2ヨハネ書 |
Uヨハ |
哀歌 |
哀 |
|
第3ヨハネ書 |
Vヨハ |
エゼキエル書 |
エゼ |
|
ユダ書 |
ユダ |
ダニエル書 |
ダニ |
|
黙示録 |
黙 |
ホセア書 |
ホセ |
|
|
|
ヨエル書 |
ヨエ |
|
旧約外典 |
|
アモス書 |
アモ |
|
トビト記 |
トビ |
オバデヤ書 |
オバ |
|
ユディト記 |
ユディ |
ヨナ書 |
ヨナ |
|
エステル記(ギリシア語) |
エス・ギ |
ミカ書 |
ミカ |
|
マカバイ記T |
1マカ |
ナホム書 |
ナホ |
|
マカバイ記U |
2マカ |
ハバクク書 |
ハバ |
|
知恵の書 |
知 |
ゼパニヤ書 |
ゼパ |
|
シラ書[集会の書] |
シラ |
ハガイ書 |
ハガ |
|
バルク書 |
バル |
ゼカリヤ書 |
ゼカ |
|
エレミヤの手紙 |
エレ・手 |
マラキ書 |
マラ |
|
アザルヤの祈りと三人の若者の賛歌 |
アザ |
|
|
|
スザンナ |
スザ |
|
|
|
ベルと竜 |
ベル |
|
|
|
エズラ記(ギリシア語) |
エズ・ギ |
|
|
|
エズラ記(ラテン語) |
エズ・ラ |
|
|
|
マナセの祈り |
マナ |
11.
記号▲△について
著者は註解の補足、修正、改定等をページの欄外に書き加えた。本文中の当該箇所に▲または△の記号を付加し、同じ記号を欄外の註解に付けることにより対応を取り、複数個所を補足する場合は記号の数にて対応を取った。
Webでは当該補足はそれぞれの節の註解、辞解、要義、附記等の適切な箇所に付け加えた。Webには本のページや欄外にあたる概念がないため、マークの数および種類については特に意味をなしていない。そのため、Webの註解読者においては記号の種類および数については無視し、単にその箇所に改定が加えられたことと理解されたし。