第五巻は第四巻と共に一の区分をなし、主として礼拝用の詩を収録す。108−110、122、その他十一篇がダビデのうたとしての標題を有する他は大体表題なく、唯「京まうでのうた」なる表題を有する一団(120−134)ハレルヤ歌集と称すべきもの(111−117、146−150)等がまとめられてこの中に収録せられている。中には古き時代の作と思わるるものもあるけれども大体において後代の作多く、俘囚より帰還せる後の第二の神殿の礼拝用として作られしもの多きがごとくである。それ故に思想の雄健さ素朴さはこれを他の巻に比すべくもない。