黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳イザヤ書第19章

◆エジプトの審判

19章1節 エジプトについての託宣。見よ、主は速い雲を駆って/エジプトに来られる。主の御前に、エジプトの偶像はよろめき/エジプト人の勇気は、全く失われる。

19章2節 「わたしは、エジプトをエジプトに刃向かわせる。人はその兄弟と、人はその隣人と/町は町と、国は国と戦う。

19章3節 エジプト人の思いは、胸の中に乱れる。わたしが、その謀を乱すので/彼らは、偶像と死者の霊/口寄せと霊媒に指示を求める。

19章4節 わたしは、エジプトを/過酷な支配者の手に渡す。厳しい王が、彼らを治める」と/万軍の主なる神が言われる。

19章5節 海の水は涸れ/川の流れは尽きて干上がる。

19章6節 運河は悪臭を放ち/下エジプトの支流は細り、乾いて/葦やよしも枯れ果てる。

19章7節 ナイルの河口のいぐさも/川沿いに蒔かれたすべての草も/枯れ、吹き飛ばされて、消えうせる。

19章8節 漁師は嘆き、悲しむ。ナイルに釣り針を投げる者も/水の面に網を広げる者もすべて衰える。

19章9節 亜麻布を造る者はうろたえ/梳く女も、織る男も青ざめ

19章10節 紡ぐ者も打ちのめされ/雇われて働く者は皆、苦しむ。

19章11節 ツォアンの司たちは、まことに無知だ。ファラオの賢者、参議らは、愚かな謀を立てる。どうして、お前たちはファラオに言えようか。「わたしは賢者の子です/遠い昔の王たちの子孫です」と。

19章12節 どこにいるのか、お前の賢者たちは。彼らに命じて、お前に告げ知らせよ/万軍の主が、エジプトについて定められたことを。

19章13節 ツォアンの司たちは愚かである。メンフィスの司らは欺かれ/諸州の長はエジプトをよろめかせた。

19章14節 主は、彼らの間に迷わす霊を注がれた。彼らは、エジプトをよろめかせ/エジプトが何をするときにも/酒飲みが吐くときのように、よろめかせた。

19章15節 もはやエジプトでは、だれも何もなしえない。頭であれ尾であれ/しゅろの枝であれ葦の茎であれ。

◆終わりの日の和解

19章16節 その日には、エジプトは女のように弱くなり、万軍の主が振りかざされる御手に恐れおののく。

19章17節 ユダの地は、エジプトを混乱に陥れるものとなる。それを思わせるものは何であれ、エジプトを恐れさせる。万軍の主がエジプトに対して事を謀られるからである。

19章18節 その日には、エジプトの地に五つの町ができる。そこでは、カナンの言葉が語られ、万軍の主に誓いが立てられる。その町の一つは、「太陽の町」ととなえられる。

19章19節 その日には、エジプトの地の中心に、主のために祭壇が建てられ、その境には主のために柱が立てられる。

19章20節 それは、エジプトの地において、万軍の主を指し示すしるしとなり、証しとなる。もし彼らが、抑圧する者のゆえに、主に叫ぶならば、主は彼らのために救助者を送り、彼らを救われる。

19章21節 主は御自身をエジプト人に示される。その日には、エジプト人は主を知り、いけにえと供え物をささげ、また主に誓願を立てて、誓いの供え物をささげるであろう。

19章22節 主は、必ずエジプトを撃たれる。しかしまた、いやされる。彼らは主に立ち帰り、主は彼らの願いを聞き、彼らをいやされる。

19章23節 その日には、エジプトからアッシリアまで道が敷かれる。アッシリア人はエジプトに行き、エジプト人はアッシリアに行き、エジプト人とアッシリア人は共に礼拝する。

19章24節 その日には、イスラエルは、エジプトとアッシリアと共に、世界を祝福する第三のものとなるであろう。

19章25節 万軍の主は彼らを祝福して言われる。「祝福されよ/わが民エジプト/わが手の業なるアッシリア/わが嗣業なるイスラエル」と。


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