黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳イザヤ書第23章

◆ティルスの審判

23章1節 ティルスについての託宣。泣き叫べ、タルシシュの船よ。ティルスは破壊され、住む家もなくなった。キティムの地から帰るやいなや/彼らはそのことを知らされた。

23章2節 嘆け、海辺の住人たち/シドンの貿易商たちよ。お前の使者たちは海を渡り

23章3節 大いなる水を越えて行き/シホルの穀物、ナイルの収穫がお前の収入となり/お前は国々の行き交う場所であった。

23章4節 うろたえよ、海の砦シドンよ。海がこう言っている。「わたしは産みの苦しみをしない。子を産み、若者を育て/おとめらを、はぐくむことはできない」と。

23章5節 この知らせがエジプトに達したとき/人々はおののいた/ティルスについての知らせを聞いたときのように。

23章6節 渡って行け、タルシシュに。泣き叫べ、海辺の住人たちよ。

23章7節 これがお前たちの陽気だった海辺の町か。町の初めは、遠い昔にさかのぼり/足である船は、移住の地を求めて/遠くへ市民を運んだ。

23章8節 ティルスに対してこのように定めた者は誰か。ティルスは王冠を戴き、その貿易商人たちは貴族。取り引きする者らは世界に重んじられていた。

23章9節 それを定められたのは万軍の主である。ティルスの誇る美しさをことごとく汚し/世界に重んじられていた者をすべて/辱めることを。

23章10節 娘タルシシュよ/ナイルのように、お前の国を越えて行け/もはや、遮るものはない。

23章11節 主は御手を海に伸ばして国々を震わせ/カナンに命じて、その砦を破壊される。

23章12節 主は言われた。「お前は、二度と陽気な町ではありえない。犯された娘である、おとめシドンよ/立て、キティムへ渡れ。しかし、そこでもお前は休みを得ない」と。

23章13節 カルデアの地もそのようだ。それはもはや存在しない民。アッシリアは、彼らを荒野の獣に渡した。人々は見張りの塔を建て/館を建て連ねたが/すべては廃虚に帰している。

23章14節 泣き叫べ、タルシシュの船よ/お前たちの砦は破壊されてしまった。

23章15節 その日が来ると/ティルスは、一人の王の生涯に等しい七十年の間/忘れられているが/その七十年が終わると/ティルスは遊女の歌にうたわれているようになる。

23章16節 「竪琴を取れ、町を巡れ/忘れられた遊女よ。巧みに奏でよ、多くの歌をうたえ/思い出されるために。」

23章17節 七十年が終わると、主はティルスを顧みられる。そのとき、彼女は再び遊女の報酬を取り、地上にある世界のすべての国々と姦淫する。

23章18節 しかし彼女の利益と報酬は、主の聖なるものとなり、積み上げられも、蓄えられもしない。主の御前に住む者たちの利益となり、彼らは飽きるほど食べ、華やかに装う。


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