黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳イザヤ書第22章

◆いやし難いエルサレムの罪

22章1節 幻の谷についての託宣。どうしたのか、お前たちが皆、屋上にいるのは。

22章2節 騒音に満たされ、どよめく都/喜びに浮かれた町よ。お前の死者たちは、剣に倒れたのではない/戦って死んだのではない。

22章3節 お前の将校たちはすべて逃げ出したが/弓を引くこともなく捕らえられた。遠くに逃げた者も皆/見つけられ、共に捕らえられた。

22章4節 それゆえ、わたしは言う。「わたしから目をそらしてくれ。わたしは激しく泣く。あえてわたしを慰めるな。娘なるわが民が滅びたのだ。」

22章5節 混乱と蹂躙と崩壊の日が/万軍の主なる神から来る。幻の谷に、騒音が響き渡り/山に向かって叫ぶ声がある。

22章6節 エラムは矢筒を取り上げ/戦車には人が乗り、馬がつながれた。また、キルは盾の覆いをはずした。

22章7節 お前の最も豊かな平野は/戦車と馬で満たされ/彼らは城門の前に陣取り

22章8節 ユダの防備をはぎ取った。その日には、お前たちは/森の家の武器に目を向けた。

22章9節 また、ダビデの町に破れの多いのを見て/下の池の水を集めた。

22章10節 エルサレムの家を数え/家々を倒して、城壁の破れをふさごうとした。

22章11節 二つの城壁の間に水溜めを造り/古い池の水を入れた。しかし、お前たちは、都を造られた方に目を向けず/遠い昔に都を形づくられた方を/見ようとしなかった。

22章12節 その日には、万軍の主なる神が布告された。嘆くこと、泣くこと/髪をそり、粗布をまとうことを。

22章13節 しかし、見よ、彼らは喜び祝い/牛を殺し、羊を屠り/肉を食らい、酒を飲んで言った。「食らえ、飲め、明日は死ぬのだから」と。

22章14節 万軍の主はわたしの耳に告げられた。「お前たちが死ぬまで/この罪は決して赦されることがない」と/万軍の主なる神が言われた。

◆シェブナの罷免

22章15節 万軍の主なる神はこう言われた。「さあ行け、あの家令のところへ。宮廷を支配しているシェブナのところへ。」

22章16節 ここでお前は何をしているのか/ここでお前は何者だというのか。ここに自分の墓を掘るとは何事か。高い所に墓を掘り/岩をえぐって住みかを造ろうとする者よ。

22章17節 見よ、主はお前を放り出される。人よ、主はお前を衣のように巻き

22章18節 ターバンのように丸めてまりを作り/広大な地へ放り出される。そこでお前は死に/そこに、お前の誇る馬車も捨てられる。主人の家に恥をもたらす者よ。

22章19節 わたしは、お前をその地位から追う。お前はその職務から退けられる。

22章20節 その日には、わたしは、わが僕、ヒルキヤの子エルヤキムを呼び、

22章21節 彼にお前の衣を着せ、お前の飾り帯を締めさせ、お前に与えられていた支配権を彼の手に渡す。彼はエルサレムの住民とユダの家の父となる。

22章22節 わたしは彼の肩に、ダビデの家の鍵を置く。彼が開けば、閉じる者はなく、彼が閉じれば、開く者はないであろう。

22章23節 わたしは、彼を確かなところに打ち込み、かなめとする。彼は、父の家にとって栄光の座に着く。

22章24節 彼の父の家の栄光はすべて、彼の上に掛けられる。木の芽から葉に至るまで、また、小さな器もすべて、鉢からあらゆる壺に至るまで。

22章25節 だが、その日には、と万軍の主は言われる。確かなところに打ち込まれていたかなめは抜け落ち、それに掛けられていた重荷は、壊され、落ち、断たれる、と主が語られた。


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