黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳イザヤ書第9章

9章1節 闇の中を歩む民は、大いなる光を見/死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。

9章2節 あなたは深い喜びと/大きな楽しみをお与えになり/人々は御前に喜び祝った。刈り入れの時を祝うように/戦利品を分け合って楽しむように。

9章3節 彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を/あなたはミディアンの日のように/折ってくださった。

9章4節 地を踏み鳴らした兵士の靴/血にまみれた軍服はことごとく/火に投げ込まれ、焼き尽くされた。

9章5節 ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神/永遠の父、平和の君」と唱えられる。

9章6節 ダビデの王座とその王国に権威は増し/平和は絶えることがない。王国は正義と恵みの業によって/今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。

◆北イスラエルの審判

9章7節 主は御言葉をヤコブに対して送り/それはイスラエルにふりかかった。

9章8節 民はだれもかれも/エフライム、サマリアの住民も/それを認めたが、なお誇り、驕る心に言った。

9章9節 「れんがが崩れるなら、切り石で家を築き/桑の木が倒されるなら、杉を代わりにしよう。」

9章10節 主は民に対して、苦しめる者レツィンを興し/敵を奮い立たせられた。

9章11節 アラムは東から、ペリシテは西から/大口を開けて、イスラエルを食らった。しかしなお、主の怒りはやまず/御手は伸ばされたままだ。

9章12節 民は自分たちを打った方に立ち帰らず/万軍の主を求めようとしなかった。

9章13節 それゆえ主は、イスラエルから頭も尾も/しゅろの枝も葦の茎も一日のうちに断たれた。

9章14節 長老や尊敬される者、これが頭/偽りを教える者、預言者、これが尾だ。

9章15節 この民を導くべき者は、迷わす者となり/導かれる者は、惑わされる者となった。

9章16節 それゆえ、主は若者たちを喜ばれず/みなしごややもめすらも憐れまれない。民はすべて、神を無視する者で、悪を行い/どの口も不信心なことを語るからだ。しかしなお、主の怒りはやまず/御手は伸ばされたままだ。

9章17節 まことに悪は火のように燃え/茨とおどろをなめ尽くす。森の茂みに燃えつき、煙の柱が巻き上がる。

9章18節 万軍の主の燃える怒りによって、地は焼かれ/民は火の燃えくさのようになり/だれもその兄弟を容赦しない。

9章19節 右から切り取っても、飢えている。左に食らいついても、飽くことができない。だれも皆、自分の同胞の肉を食らう。

9章20節 マナセはエフライムを、エフライムはマナセを/そして彼らは共にユダを襲う。しかしなお、主の怒りはやまず/御手は伸ばされたままだ。


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