黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エレミヤ書第12章

12章1節 正しいのは、主よ、あなたです。それでも、わたしはあなたと争い/裁きについて論じたい。なぜ、神に逆らう者の道は栄え/欺く者は皆、安穏に過ごしているのですか。

12章2節 あなたが彼らを植えられたので/彼らは根を張り/育って実を結んでいます。口先ではあなたに近く/腹ではあなたから遠いのです。

12章3節 主よ、あなたはわたしをご存じです。わたしを見て、あなたに対するわたしの心を/究められたはずです。彼らを屠られる羊として引き出し/殺戮の日のために取り分けてください。

12章4節 いつまで、この地は乾き/野の青草もすべて枯れたままなのか。そこに住む者らの悪が/鳥や獣を絶やしてしまった。まことに、彼らは言う。「神は我々の行く末を見てはおられない」と。

12章5節 あなたが徒歩で行く者と競っても疲れるなら/どうして馬で行く者と争えようか。平穏な地でだけ、安んじていられるのなら/ヨルダンの森林ではどうするのか。

12章6節 あなたの兄弟や父の家の人々/彼らでさえあなたを欺き/彼らでさえあなたの背後で徒党を組んでいる。彼らを信じるな/彼らが好意を示して話しかけても。

◆主の嗣業

12章7節 わたしはわたしの家を捨て/わたしの嗣業を見放し/わたしの愛するものを敵の手に渡した。

12章8節 わたしの嗣業はわたしに対して/森の中の獅子となり/わたしに向かってうなり声をあげる。わたしはそれを憎む。

12章9節 わたしの嗣業はわたしにとって/猛禽がその上を舞っている/ハイエナのねぐらなのだろうか。野の獣よ、集まって餌を襲え。

12章10節 多くの牧者がわたしのぶどう畑を滅ぼし/わたしの所有地を踏みにじった。わたしの喜びとする所有地を/打ち捨てられた荒れ野とし

12章11節 それを打ち捨てられて嘆く地とした。それは打ち捨てられてわたしの前にある。大地はすべて打ち捨てられ/心にかける者もない。

12章12節 荒れ野の裸の山に略奪する者が来る。主の剣はむさぼる/地の果てから果てまで。すべて肉なる者に平和はない。

12章13節 麦を蒔いても、刈り取るのは茨でしかない。力を使い果たしても、効果はない。彼らは収穫がなくてうろたえる/主の怒りと憤りのゆえに。

12章14節 主はこう言われる。「わたしが、わたしの民イスラエルに継がせた嗣業に手を触れる近隣の悪い民をすべて、彼らの地から抜き捨てる。また、ユダの家を彼らの間から抜き取る。

12章15節 わたしは彼らを抜き取った後、再び彼らを憐れみ、そのひとりひとりをその嗣業に、その土地に帰らせる。

12章16節 もしこれらの民が、かつてバアルによって誓うことをわたしの民に教えたように、わが名によって、『主は生きておられる』と誓うことを確かに学ぶならば、彼らはわたしの民の間に建てられる。

12章17節 もし彼らが従わなければ、わたしはその民を必ず抜き捨てて、滅ぼす」と主は言われる。


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