黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エレミヤ書第22章

◆ユダの王に対する言葉

22章1節 主はこう言われる。ユダの王の宮殿へ行き、そこでこの言葉を語って、

22章2節 言え。「ダビデの王位に座るユダの王よ、あなたもあなたの家臣も、ここの門から入る人々も皆、主の言葉を聞け。

22章3節 主はこう言われる。正義と恵みの業を行い、搾取されている者を虐げる者の手から救え。寄留の外国人、孤児、寡婦を苦しめ、虐げてはならない。またこの地で、無実の人の血を流してはならない。

22章4節 もし、あなたたちがこの言葉を熱心に行うならば、ダビデの王位に座る王たちは、車や馬に乗って、この宮殿の門から入ることができる、王も家臣も民も。

22章5節 しかし、もしこれらの言葉に聞き従わないならば、わたしは自らに誓って言う――と主は言われる――この宮殿は必ず廃虚となる。」

22章6節 主はユダの王の宮殿についてこう言われる。あなたは、わたしにとってギレアドの森/レバノンの頂のようであった。しかし、わたしはあなたを荒れ野とし/人の住まない町にする。

22章7節 わたしは滅ぼす者を聖別し/おのおの武器を手にしてあなたを攻めさせる。彼らはあなたの最上のレバノン杉を切り倒し/火に投ずる。

22章8節 多くの国の人々がこの都を通りかかって、互いに尋ね、「なぜ主は、この大いなる都にこのようになさったのか」と聞くならば、

22章9節 「彼らがその神、主の契約を捨てて他の神々を拝み、仕えたからだ」と答えるであろう。

22章10節 死んだ王のために泣くな。彼のために嘆くな。引いて行かれる王のために泣き叫べ。彼が再び帰って/生まれ故郷を見ることはない。

22章11節 父ヨシヤに代わって王となったが、このところから引いて行かれたユダの王、ヨシヤの子シャルムについて主はこう言われる。「彼は再びここに帰ることはない。

22章12節 彼は捕囚となっているそのところで死に、この国を再び見ることはない。」

22章13節 災いだ、恵みの業を行わず自分の宮殿を/正義を行わずに高殿を建て/同胞をただで働かせ/賃金を払わない者は。

22章14節 彼は言う。「自分のために広い宮殿を建て/大きな高殿を造ろう」と。彼は窓を大きく開け/レバノン杉で覆い、朱色に塗り上げる。

22章15節 あなたは、レバノン杉を多く得れば/立派な王だと思うのか。あなたの父は、質素な生活をし/正義と恵みの業を行ったではないか。そのころ、彼には幸いがあった。

22章16節 彼は貧しい人、乏しい人の訴えを裁き/そのころ、人々は幸いであった。こうすることこそ/わたしを知ることではないか、と主は言われる。

22章17節 あなたの目も心も不当な利益を追い求め/無実の人の血を流し、虐げと圧制を行っている。

22章18節 それゆえ、ユダの王、ヨシヤの子ヨヤキムについて/主はこう言われる。だれひとり、「ああ、わたしの兄弟/ああ、わたしの姉妹」と言って彼の死を悼み/「ああ、主よ、ああ陛下よ」と言って、悼む者はない。

22章19節 彼はろばを埋めるように埋められる。引きずり出されて投げ捨てられる/エルサレムの門の外へ。

22章20節 お前はレバノンに登って叫び/バシャンで声をあげ/アバリムから叫ぶがよい。お前の愛人たちは皆、打ち破られる。

22章21節 お前が栄えていたころ、わたしが何か言うと/お前は、「聞きたくない」と言った。これが、お前の若い時からの態度であった。お前はわたしの声に聞き従ったことはない。

22章22節 お前の牧者たちは風に追われ/愛人たちは、捕らえられて行く。そのとき、お前は自分のあらゆる悪のゆえに/恥を受け、卑しめられる。

22章23節 レバノンに住み/レバノン杉に巣を作っている者よ/産婦の苦しみのような苦痛が襲うとき/お前はどんなに呻くことか。

22章24節 「わたしは生きている」と主は言われる。「ユダの王、ヨヤキムの子コンヤは、もはやわたしの右手の指輪ではない。わたしはあなたを指から抜き取る。

22章25節 わたしはあなたを、あなたの命をねらっている者の手、あなたが恐れている者の手、バビロンの王ネブカドレツァルとカルデア人の手に渡す。

22章26節 わたしはあなたと、あなたを産んだ母を、生まれたところとは別の国へ追放する。あなたたちはそこで死ぬ。

22章27節 彼らが帰りたいと切に願っている国へ帰ることはできない。」

22章28節 この人、コンヤは砕け、卑しめられた壺か。だれも惜しまない器か。なぜ彼と彼の子孫は追放され/知らない国へ追いやられるのか。

22章29節 大地よ、大地よ、大地よ、主の言葉を聞け。

22章30節 主はこう言われる。「この人を、子供が生まれず/生涯、栄えることのない男として記録せよ。彼の子孫からは/だれひとり栄えてダビデの王座にすわり/ユダを治める者が出ないからである。」


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