黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エレミヤ書第29章

◆エレミヤの手紙

29章1節 以下に記すのは、ネブカドネツァルがエルサレムからバビロンへ捕囚として連れて行った長老、祭司、預言者たち、および民のすべてに、預言者エレミヤがエルサレムから書き送った手紙の文面である。

29章2節 それは、エコンヤ王、太后、宦官、ユダとエルサレムの高官、工匠と鍛冶とがエルサレムを去った後のことである。

29章3節 この手紙は、ユダの王ゼデキヤが、バビロンの王ネブカドネツァルのもとに派遣したシャファンの子エルアサとヒルキヤの子ゲマルヤに託された。

29章4節 「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。わたしは、エルサレムからバビロンへ捕囚として送ったすべての者に告げる。

29章5節 家を建てて住み、園に果樹を植えてその実を食べなさい。

29章6節 妻をめとり、息子、娘をもうけ、息子には嫁をとり、娘は嫁がせて、息子、娘を産ませるように。そちらで人口を増やし、減らしてはならない。

29章7節 わたしが、あなたたちを捕囚として送った町の平安を求め、その町のために主に祈りなさい。その町の平安があってこそ、あなたたちにも平安があるのだから。

29章8節 イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。あなたたちのところにいる預言者や占い師たちにだまされてはならない。彼らの見た夢に従ってはならない。

29章9節 彼らは、わたしの名を使って偽りの預言をしているからである。わたしは、彼らを遣わしてはいない、と主は言われる。

29章10節 主はこう言われる。バビロンに七十年の時が満ちたなら、わたしはあなたたちを顧みる。わたしは恵みの約束を果たし、あなたたちをこの地に連れ戻す。

29章11節 わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである。

29章12節 そのとき、あなたたちがわたしを呼び、来てわたしに祈り求めるなら、わたしは聞く。

29章13節 わたしを尋ね求めるならば見いだし、心を尽くしてわたしを求めるなら、

29章14節 わたしに出会うであろう、と主は言われる。わたしは捕囚の民を帰らせる。わたしはあなたたちをあらゆる国々の間に、またあらゆる地域に追いやったが、そこから呼び集め、かつてそこから捕囚として追い出した元の場所へ連れ戻す、と主は言われる。

29章15節 あなたたちは、『主が我々のために、バビロンでも預言者を立ててくださった』と言っている。

29章16節 そこで、ダビデの王座についている王と、この都に住む民のすべて、すなわち捕囚としてあなたたちと共に出て行かなかった同胞に対して、主はこう言われる。

29章17節 万軍の主はこう言われる。わたしは彼らに剣、飢饉、疫病を送り、腐って食べられない、いちじくのようにする。

29章18節 わたしは、剣、飢饉、疫病をもって、彼らを追い、全世界の国々の嫌悪の的とし、わたしが追いやる国々で、呪い、驚愕、物笑い、恥さらしとする。

29章19節 彼らがわたしの言葉に聞き従わなかったからである、と主は言われる。わたしは、わたしの僕である預言者たちを通して、この言葉を繰り返し伝えたが、彼らは少しも聞こうとしなかった、と主は言われる。

29章20節 しかし、あなたたちは主の言葉を聞きなさい。わたしがエルサレムからバビロンへ送ったすべての捕囚の民よ。

29章21節 イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。それは、わたしの名を使って、あなたたちに偽りの預言をしているコラヤの子アハブとマアセヤの子ゼデキヤに対してである。今、わたしは彼らをバビロンの王ネブカドレツァルの手に渡す。王は彼らをあなたたちの目の前で殺す。

29章22節 この二人のことは、呪いの言葉として使われ、バビロンにいるユダの捕囚民は皆、『主が、お前をバビロンの王に火あぶりにされたゼデキヤとアハブのようにしてくださるように』と言うようになるだろう。

29章23節 これは彼らがイスラエルにおいて愚かな行いをし、隣人の妻と姦通し、また命じもしないのに、わたしの名を使って偽りを語ったからである。わたしはこのことを知っており、証言をする、と主は言われる。」

◆シェマヤに対する審判

29章24節 あなたはネヘラミ人シェマヤに対して告げよ。

29章25節 「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。それは、お前が自分の名で、次の手紙をエルサレムのすべての民と、祭司であるマアセヤの子ツェファンヤと、すべての祭司に送ったことに関してである。

29章26節 すなわち、『主は祭司ヨヤダに代えて、あなたを祭司とし、主の神殿の監督とし、狂い、預言する者すべてに手枷、足枷をはめ、取り締まらせた。

29章27節 それなのに、あなたたちに預言しているアナトトの人エレミヤをなぜ取り締まらないのか。

29章28節 エレミヤは、バビロンにいる我々のところにまで手紙を送って、捕囚は長引くので、家を建てて住めとか、園に果樹を植え、その実を食べよ、などと言ってきた。』」

29章29節 祭司ツェファンヤは預言者エレミヤに、この手紙を読んで聞かせた。

29章30節 そのとき、主の言葉がエレミヤに臨んだ。

29章31節 「すべての捕囚民に書き送れ。ネヘラミ人シェマヤに対して主はこう言われる。シェマヤは、あなたたちに預言したが、わたしは彼を遣わしてはいない。彼は偽ってあなたたちを安心させようとしている。

29章32節 それゆえ、主はこう言われる。見よ、わたしはネヘラミ人シェマヤとその子孫を罰する。彼には、この民の中に住む子孫は一人もいなくなる。また、わたしがわが民に行う恵みの業にあずかる者は一人もない、と主は言われる。彼が主に逆らって語ったからである。」


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