黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エゼキエル書第11章

11章1節 霊はまた、わたしを引き上げ、主の神殿の東に面する東の門へ運んで行った。門の入り口に二十五人の男がおり、その中に民の指導者であるアズルの子ヤアザンヤと、ベナヤの子ペラトヤがいるのをわたしは見た。

11章2節 主はわたしに言われた。「人の子よ、この人々はこの都の中で悪をたくらみ、悪い計画を立てている。

11章3節 彼らは、『家をすぐに建てる必要はない。この都は鍋で、我々は肉だ』と言っている。

11章4節 それゆえ、彼らに向かって預言せよ。人の子よ、預言せよ。

11章5節 また、主の霊がわたしに降り、主は言われた。あなたは言わねばならない。主はこう言われる。イスラエルの家よ、お前たちはそのように言い張っている。わたしはお前たちが心に抱いていることを知っている。

11章6節 しかし、お前たちはこの都の中で殺される者を数多く出し、路上は殺された者で満たされる。

11章7節 それゆえ、主なる神はこう言われる。お前たちがこの都の中に積み上げる殺された者こそ、その肉にほかならず、都は鍋である。しかしわたしは、お前たちをそこから引き出す。

11章8節 お前たちは剣を恐れているが、わたしはお前たちの上に剣を臨ませる、と主なる神は言われる。

11章9節 わたしは、お前たちをそこから引き出して、異国人の手に渡し、お前たちに対する裁きを行う。

11章10節 お前たちは剣に撃たれて倒れる。わたしはイスラエルの国境でお前たちを裁く。そのとき、お前たちは、わたしが主であることを知るようになる。

11章11節 この都が、お前たちにとって鍋となることはない。お前たちがその中で肉となることもない。わたしは、イスラエルの国境でお前たちを裁く。

11章12節 そのとき、お前たちは、わたしが主であることを知るようになる。お前たちはわたしの掟に従って歩まず、わたしの法を行わず、かえって周囲の国々のならわしに従ってきた。」

11章13節 わたしが預言していると、ベナヤの子ペラトヤは死んだ。わたしは倒れ伏し、大声で叫んで言った。「ああ、主なる神よ。イスラエルの残りの者を滅ぼし尽くされるのですか」と。

11章14節 主の言葉がわたしに臨んだ。

11章15節 「人の子よ、エルサレムの住民は、あなたの兄弟たち、すなわちあなたの親族である兄弟たち、およびイスラエルの家のすべての者に対して言っている。『主から遠く離れておれ。この土地は我々の所有地として与えられている。』

11章16節 それゆえ、あなたは言わねばならない。主なる神はこう言われる。『確かに、わたしは彼らを遠くの国々に追いやり、諸国に散らした。しかしわたしは、彼らが行った国々において、彼らのためにささやかな聖所となった。』

11章17節 それゆえ、あなたは言わねばならない。主なる神はこう言われる。『わたしはお前たちを諸国の民の間から集め、散らされていた諸国から呼び集め、イスラエルの土地を与える。

11章18節 彼らは帰って来て、あらゆる憎むべきものと、あらゆる忌まわしいものをその地から取り除く。

11章19節 わたしは彼らに一つの心を与え、彼らの中に新しい霊を授ける。わたしは彼らの肉から石の心を除き、肉の心を与える。

11章20節 彼らがわたしの掟に従って歩み、わたしの法を守り行うためである。こうして、彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。

11章21節 しかし、憎むべきもの、忌まわしいものに心を寄せている者には、彼らの行ってきたことが頭上にふりかかるようにする』」と主なる神は言われる。

11章22節 そのとき、ケルビムは翼を広げ、車輪もまた共に行った。イスラエルの神の栄光は高くその上にあった。

11章23節 主の栄光は都の中から昇り、都の東にある山の上にとどまった。

11章24節 霊はわたしを引き上げ、カルデアの方に運び、わたしを幻のうちに、神の霊によって、捕囚の民のもとに連れて行った。こうして、わたしの見た幻は、わたしを離れて上って行った。

11章25節 わたしは、主が示されたすべてのことを、捕囚の民に語り聞かせた。


[前 章][次 章]