黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳エゼキエル書第17章

◆二羽の鷲とぶどうの木

17章1節 主の言葉がわたしに臨んだ。

17章2節 「人の子よ、イスラエルの家に向かって謎をかけ、たとえを語りなさい。

17章3節 あなたは言わねばならない。主なる神はこう言われる。大きな翼と長い羽をもち/彩り豊かな羽毛に覆われた大鷲が/レバノンに飛来する。その鷲はレバノン杉の梢を切り取り

17章4節 その頂の若い枝を折って/商業の地に運び、商人の町に置いた。

17章5節 また、その地の種を取って苗床に蒔き/苗を豊かな水のほとりに柳のように植えた。

17章6節 やがてそれは育ち/低く生い茂るぶどうの木となった。その枝は鷲の方に向かって伸び/根はその鷲の下に張り/若枝を広げ、つるの伸びたぶどうの木となった。

17章7節 また、もう一羽の大鷲がいた。これも大きな翼と多くの羽毛を持っていた。このぶどうの木は/その植えられていた場所から/根をこの鷲の方に向け/若枝をこの鷲の方に伸ばして/水を得ようとした。

17章8節 このぶどうの木は/枝を伸ばし、実を結ぶ/立派なぶどうの木となるように/水の豊かなよい地に植えられていた。

17章9節 語れ。主なる神はこう言われる。このぶどうの木は成長するだろうか。その根は引き抜かれ/実はもぎ取られないだろうか。芽生えた葉はすべてしおれてしまわないだろうか。それはしおれてしまう。それを根から引き抜くのに/大きな力も、多くの人も必要としない。

17章10節 それは植えられはしたが/果たして成長するだろうか。東風が吹きつけたなら/しおれてしまわないだろうか。その芽を出した場所で、しおれるであろう。

17章11節 主なる神の言葉がわたしに臨んだ。

17章12節 さあ、この反逆の家に語りなさい。このたとえが何を意味するか、お前たちには分からないのか。バビロンの王がエルサレムに来て、王とその家来たちを捕らえ、彼らをバビロンへ連れて行った。

17章13節 そして、王の子らの一人を選び、これと契約を結び、誓いを立てさせ、更に、この国の有力者をも連れて行った。

17章14節 それは、この王国が高ぶることなく従順になり、契約を守り続けるようにさせるためであった。

17章15節 しかし、彼は王に背き、エジプトに使者を送って馬と軍勢を得ようとした。果たして、それでうまくいくだろうか。こんなことをして助かるだろうか。契約を破っておきながら、助かるだろうか。

17章16節 わたしは生きている、と主なる神は言われる。彼は、自分を王位につけた大王に対する誓いを軽んじ、彼との契約を破ったので、大王の国バビロンで必ず死ぬ。

17章17節 戦いになって、塁が築かれ、堡塁が建てられ、多くの命が滅ぼされようとも、ファラオは彼のために、強力な軍隊や多数の兵隊をもって戦いはしない。

17章18節 彼は誓いを軽んじ、契約を破った。彼は約束をしながら、これらすべての事を行った。彼は逃れることができない。

17章19節 それゆえ、主なる神はこう言われる。わたしは生きている。わたしは、彼が軽んじたわたしの誓いと、彼が破ったわたしの契約とを、必ず彼の頭上に報いる。

17章20節 わたしは彼の上に網を広げ、彼はわたしの罠にかかる。わたしは彼をバビロンへ連れて行き、彼がわたしに対して行った背信のゆえに、その地で彼を裁く。

17章21節 彼の全軍の中で、逃れた者もすべて剣に倒れ、更に残った者がいても四方に散らされる。そのとき、お前たちは、主であるわたしが語ったことを知るようになる。

17章22節 主なる神はこう言われる。わたしは高いレバノン杉の梢を切り取って植え、その柔らかい若枝を折って、高くそびえる山の上に移し植える。

17章23節 イスラエルの高い山にそれを移し植えると、それは枝を伸ばし実をつけ、うっそうとしたレバノン杉となり、あらゆる鳥がそのもとに宿り、翼のあるものはすべてその枝の陰に住むようになる。

17章24節 そのとき、野のすべての木々は、主であるわたしが、高い木を低くし、低い木を高くし、また生き生きとした木を枯らし、枯れた木を茂らせることを知るようになる。」主であるわたしがこれを語り、実行する。


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