黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ホセア書第13章

◆エフライムの終わり

13章1節 エフライムが語れば恐れられ/イスラエルの中で重んじられていた。しかし、バアルによって罪を犯したので/彼は死ぬ。

13章2節 今も、彼らはその罪に加えて/偶像を鋳て造る/銀を注ぎこみ、技巧を尽くした像を。それらはみな、職人たちの細工だ。彼らは互いに言う。「犠牲をささげる者たちよ、子牛に口づけせよ」と。

13章3節 彼らは朝の霧/すぐに消えうせる露のようだ。麦打ち場から舞い上がるもみ殻のように/煙出しから消えて行く煙のようになる。

13章4節 わたしこそあなたの神、主。エジプトの地からあなたを導き上った。わたしのほかに、神を認めてはならない。わたしのほかに、救いうる者はない。

13章5節 荒れ野で、乾ききった地で/わたしはあなたを顧みた。

13章6節 養われて、彼らは腹を満たし/満ち足りると、高慢になり/ついには、わたしを忘れた。

13章7節 そこでわたしは獅子のように/豹のように道で彼らをねらう。

13章8節 子を奪われた熊のように彼らを襲い/脇腹を引き裂き/その場で獅子のように彼らを食らう。野獣が彼らをかみ裂く。

13章9節 イスラエルよ、お前の破滅が来る。わたしに背いたからだ。お前の助けであるわたしに背いたからだ。

13章10節 どこにいるのか、お前の王は/どこの町でも、お前を救うはずの者/お前を治める者らは。「王や高官をわたしにください」と/お前は言ったではないか。

13章11節 怒りをもって、わたしは王を与えた。憤りをもって、これを奪う。

13章12節 エフライムの咎はとどめておかれ/その罪は蓄えておかれる。

13章13節 産みの苦しみが襲う。彼は知恵のない子で/生まれるべき時なのに、胎から出て来ない。

13章14節 陰府の支配からわたしは彼らを贖うだろうか。死から彼らを解き放つだろうか。死よ、お前の呪いはどこにあるのか。陰府よ、お前の滅びはどこにあるのか。憐れみはわたしの目から消え去る。

13章15節 エフライムは兄弟の中で最も栄えた。しかし熱風が襲う。主の風が荒れ野から吹きつける。水の源は涸れ、泉は干上がり/すべての富、すべての宝は奪い去られる。


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