黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ホセア書第9章

9章1節 イスラエルよ、喜び祝うな。諸国の民のように、喜び躍るな。お前は自分の神を離れて姦淫し/どこの麦打ち場においても/姦淫の報酬を慕い求めた。

9章2節 麦打ち場も酒ぶねも、彼らを養いはしない。新しい酒を期待しても裏切られる。

9章3節 彼らは主の土地にとどまりえず/エフライムはエジプトに帰り/アッシリアで汚れたものを食べる。

9章4節 主にぶどう酒をささげることもできず/いけにえをささげても、受け入れられない。彼らの食べ物は偶像にささげられたパンだ。それを食べる者は皆、汚れる。彼らのパンは自分の欲望のためだ。それを主の神殿にもたらしてはならない。

9章5節 祝いの日、主の祭りの日に/お前たちはどうするつもりか。

9章6節 見よ、彼らが滅びを逃れても/エジプトが彼らを集め、メンフィスが葬る。彼らの銀も宝物もいらくさに覆われ/天幕には茨がはびこる。

◆預言者への憎しみ

9章7節 裁きの日が来た。決裁の日が来た。イスラエルよ、知れ。お前の不義は甚だしく、敵意が激しいので/預言者は愚か者とされ、霊の人は狂う。

9章8節 預言者はわが神と共にあるが/エフライムは彼を待ち伏せて/その行く道のどこにも鳥を取る者の罠を仕掛け/その神の家を敵意で満たす。

9章9節 ギブアの日々のように、彼らの堕落は根深く/主は彼らの不義に心を留め/その罪を裁かれる。

◆ペオルとギルガルにおける罪

9章10節 荒れ野でぶどうを見いだすように/わたしはイスラエルを見いだした。いちじくが初めてつけた実のように/お前たちの先祖をわたしは見た。ところが、彼らはバアル・ペオルに行った。それを愛するにつれて/ますます恥ずべきものに身をゆだね/忌むべき者となっていった。

9章11節 エフライムの栄えは鳥のように飛び去る。もう出産も、妊娠も、受胎もない。

9章12節 たとえ、彼らが子供を育てても/わたしがひとり残らず奪い取る。彼らからわたしが離れ去るなら/なんと災いなことであろうか。

9章13節 緑に囲まれたティルスのように/わたしはエフライムを見なしてきた。しかし、エフライムは自分の子供たちを/餌食として差し出さねばならない。

9章14節 主よ、彼らに与えてください/あなたが与えようとされるものを。彼らに与えてください/子を産めない胎と枯れた乳房を。

9章15節 彼らの悪はすべてギルガルにある。まさにそこで、わたしは彼らを憎む。その悪行のゆえに、彼らをわたしの家から追い出し/わたしは、もはや彼らを愛さない。高官たちは皆わたしに逆らう者だ。

9章16節 エフライムは撃たれた。彼らの根は枯れ、実を結ぶことはない。たとえ子を産んでも/その胎の実、愛する子をわたしは殺す。

9章17節 わが神は彼らを退けられる。神に聞き従わなかったからだ。彼らは諸国にさまよう者となる。


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