黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳アモス書第5章

◆悲しみの歌

5章1節 イスラエルの家よ、この言葉を聞け。わたしがお前たちについてうたう悲しみの歌を。

5章2節 「おとめイスラエルは倒れて/再び起き上がらず/地に捨てられて/助け起こす者はいない。」

5章3節 まことに、主なる神はこう言われる。「イスラエルの家では/千人の兵を出した町に、生き残るのは百人/百人の兵を出した町に、生き残るのは十人。」

◆わたしを求めて生きよ

5章4節 まことに、主はイスラエルの家にこう言われる。わたしを求めよ、そして生きよ。

5章5節 しかし、ベテルに助けを求めるな/ギルガルに行くな/ベエル・シェバに赴くな。ギルガルは必ず捕らえ移され/ベテルは無に帰するから。

5章6節 主を求めよ、そして生きよ。さもないと主は火のように/ヨセフの家に襲いかかり/火が燃え盛っても/ベテルのためにその火を消す者はない。

5章7節 裁きを苦よもぎに変え/正しいことを地に投げ捨てる者よ。

5章8節 すばるとオリオンを造り/闇を朝に変え/昼を暗い夜にし/海の水を呼び集めて地の面に注がれる方。その御名は主。

5章9節 主が突如として砦に破滅をもたらされると/その堅固な守りは破滅する。

5章10節 彼らは町の門で訴えを公平に扱う者を憎み/真実を語る者を嫌う。

5章11節 お前たちは弱い者を踏みつけ/彼らから穀物の貢納を取り立てるゆえ/切り石の家を建てても/そこに住むことはできない。見事なぶどう畑を作っても/その酒を飲むことはできない。

5章12節 お前たちの咎がどれほど多いか/その罪がどれほど重いか、わたしは知っている。お前たちは正しい者に敵対し、賄賂を取り/町の門で貧しい者の訴えを退けている。

5章13節 それゆえ、知恵ある者はこの時代に沈黙する。まことに、これは悪い時代だ。

5章14節 善を求めよ、悪を求めるな/お前たちが生きることができるために。そうすれば、お前たちが言うように/万軍の神なる主は/お前たちと共にいてくださるだろう。

5章15節 悪を憎み、善を愛せよ/また、町の門で正義を貫け。あるいは、万軍の神なる主が/ヨセフの残りの者を/憐れんでくださることもあろう。

◆裁きの日

5章16節 それゆえ、万軍の神なる主はこう言われる。どの広場にも嘆きが起こり/どの通りにも泣き声があがる。悲しむために農夫が/嘆くために泣き男が呼ばれる。

5章17節 どのぶどう畑にも嘆きが起こる。わたしがお前たちの中を通るからだと/主は言われる。

5章18節 災いだ、主の日を待ち望む者は。主の日はお前たちにとって何か。それは闇であって、光ではない。

5章19節 人が獅子の前から逃れても熊に会い/家にたどりついても/壁に手で寄りかかると/その手を蛇にかまれるようなものだ。

5章20節 主の日は闇であって、光ではない。暗闇であって、輝きではない。

◆祭りにまさる正義

5章21節 わたしはお前たちの祭りを憎み、退ける。祭りの献げ物の香りも喜ばない。

5章22節 たとえ、焼き尽くす献げ物をわたしにささげても/穀物の献げ物をささげても/わたしは受け入れず/肥えた動物の献げ物も顧みない。

5章23節 お前たちの騒がしい歌をわたしから遠ざけよ。竪琴の音もわたしは聞かない。

5章24節 正義を洪水のように/恵みの業を大河のように/尽きることなく流れさせよ。

5章25節 イスラエルの家よ/かつて四十年の間、荒れ野にいたとき/お前たちはわたしに/いけにえや献げ物をささげただろうか。

5章26節 今、お前たちは王として仰ぐ偶像の御輿や/神として仰ぐ星、偶像ケワンを担ぎ回っている。それはお前たちが勝手に造ったものだ。

5章27節 わたしは、お前たちを捕囚として/ダマスコのかなたの地に連れ去らせると/主は言われる。その御名は万軍の神。


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