黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳アモス書第9章

◆第五の幻

9章1節 わたしは祭壇の傍らに立っておられる主を見た。主は言われた。「柱頭を打ち、敷石を揺り動かせ。すべての者の頭上で砕け。生き残った者は、わたしが剣で殺す。彼らのうちに逃れうる者はない。逃れて、生き延びる者はひとりもない。

9章2節 たとえ、彼らが陰府に潜り込んでも/わたしは、そこからこの手で引き出す。たとえ天に上っても/わたしは、そこから引き下ろす。

9章3節 たとえ、カルメルの頂に身を隠しても/わたしは、そこから探し出して連れ出す。たとえ、わたしの目を逃れて、海の底に隠れても/そこで、蛇に命じてかませる。

9章4節 たとえ捕らわれ、敵の前に連れて行かれても/そこで、剣に命じて殺させる。わたしは彼らの上に目を注ぐ。それは災いのためであって/幸いのためではない。」

9章5節 万軍の神なる主。主が大地に触れられると、地は揺れ動き/そこに住む者は皆、嘆き悲しむ。大地はことごとくナイル川のように盛り上がり/エジプトの大河のように沈む。

9章6節 天に高殿を設け/地の上に大空を据え/海の水を呼び集め/地の面に注がれる方。その御名は主。

◆全世界の神

9章7節 イスラエルの人々よ。わたしにとってお前たちは/クシュの人々と変わりがないではないかと/主は言われる。わたしはイスラエルをエジプトの地から/ペリシテ人をカフトルから/アラム人をキルから、導き上ったではないか。

9章8節 見よ、主なる神は罪に染まった王国に目を向け/これを地の面から絶たれる。ただし、わたしはヤコブの家を全滅させはしないと/主は言われる。

9章9節 見よ、わたしは命令を下し/イスラエルの家を諸国民の間でふるいにかける。ふるいにかけても/小石ひとつ地に落ちないように。

9章10節 わが民の中で罪ある者は皆、剣で死ぬ。彼らは、災いは我々に及ばず/近づくこともない、と言っている。

◆後の日の回復

9章11節 その日には/わたしはダビデの倒れた仮庵を復興し/その破れを修復し、廃虚を復興して/昔の日のように建て直す。

9章12節 こうして、エドムの生き残りの者と/わが名をもって呼ばれるすべての国を/彼らに所有させよう、と主は言われる。主はこのことを行われる。

9章13節 見よ、その日が来れば、と主は言われる。耕す者は、刈り入れる者に続き/ぶどうを踏む者は、種蒔く者に続く。山々はぶどうの汁を滴らせ/すべての丘は溶けて流れる。

9章14節 わたしは、わが民イスラエルの繁栄を回復する。彼らは荒された町を建て直して住み/ぶどう畑を作って、ぶどう酒を飲み/園を造って、実りを食べる。

9章15節 わたしは彼らをその土地に植え付ける。わたしが与えた地から/再び彼らが引き抜かれることは決してないと/あなたの神なる主は言われる。


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