黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳アモス書第8章

◆第四の幻

8章1節 主なる神はこのようにわたしに示された。見よ、一籠の夏の果物(カイツ)があった。主は言われた。

8章2節 「アモスよ、何が見えるか。」わたしは答えた。「一籠の夏の果物です。」主はわたしに言われた。「わが民イスラエルに最後(ケーツ)が来た。もはや、見過ごしにすることはできない。

8章3節 その日には、必ず/宮殿の歌い女は泣きわめくと/主なる神は言われる。しかばねはおびただしく/至るところに投げ捨てられる。声を出すな。」

◆商人の不正

8章4節 このことを聞け。貧しい者を踏みつけ/苦しむ農民を押さえつける者たちよ。

8章5節 お前たちは言う。「新月祭はいつ終わるのか、穀物を売りたいものだ。安息日はいつ終わるのか、麦を売り尽くしたいものだ。エファ升は小さくし、分銅は重くし、偽りの天秤を使ってごまかそう。

8章6節 弱い者を金で、貧しい者を靴一足の値で買い取ろう。また、くず麦を売ろう。」

8章7節 主はヤコブの誇りにかけて誓われる。「わたしは、彼らが行ったすべてのことを/いつまでも忘れない。」

8章8節 このために、大地は揺れ動かないだろうか。そこに住む者は皆、嘆き悲しまないだろうか。大地はことごとくナイルのように盛り上がり/エジプトの大河のように押し上げられ/また、沈まないだろうか。

◆終わりの日

8章9節 その日が来ると、と主なる神は言われる。わたしは真昼に太陽を沈ませ/白昼に大地を闇とする。

8章10節 わたしはお前たちの祭りを悲しみに/喜びの歌をことごとく嘆きの歌に変え/どの腰にも粗布をまとわせ/どの頭の髪の毛もそり落とさせ/独り子を亡くしたような悲しみを与え/その最期を苦悩に満ちた日とする。

8章11節 見よ、その日が来ればと/主なる神は言われる。わたしは大地に飢えを送る。それはパンに飢えることでもなく/水に渇くことでもなく/主の言葉を聞くことのできぬ飢えと渇きだ。

8章12節 人々は海から海へと巡り/北から東へとよろめき歩いて/主の言葉を探し求めるが/見いだすことはできない。

8章13節 その日には、美しいおとめも力強い若者も/渇きのために気を失う。

8章14節 サマリアの罪にかけて誓う者ども/「ダンよ、お前の神は生きている。ベエル・シェバよ/お前の愛する者は生きている」と言う者どもは/倒れて再び立ち上がることはない。


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